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何かの始まりと終わり
まだ週明けの月曜日、仕事に退屈さを感じて2人で飲みに行った。
都内だったらよくあるチェーン店、安いただの居酒屋。特別感なんてない。
仕事の愚痴とか学生時代の話とかひたすらしてただけ。
他愛もない会話をして、明日も仕事だから帰るか…と思い店を出た矢先、
どしゃ降りの雨が降り始めた。
駅までそんなに遠くない店だったけど、お互い傘も持ってなかったから叫びながら走った。
なんか高校生の青春みたいにキラキラした瞬間だった。
ずぶ濡れになってはしゃぎながら、必死に自分の気持ちを見て見ぬふりをしていた。でも本当はわかっていた。
好きになっちゃいけない、どうせ遊びだから、好きになっても報われない、相手が私を本気にすることはないから。
好きにならない方が得策。
なのに、また会いたいって思ってしまう。好きだから。
この日、私の中であの人への恋が始まってしまったんだよね。
そして今日、あの人との日々をちゃんと終わりにすることができたと思う。
あの人のタバコを処分できた時、あの人をちゃんと思い出に出来た気がする。
素敵な思い出をありがとう。
どうかお元気で、でも私より幸せにはならないで。
さようなら。
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