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経営者が見たPTA

こんにちは。いつもマーケティングの話をしていますが、今日は一風変わったテーマを。

それはPTAです。

私には小学生の息子がいるのですが、その関係で2021年4月から2022年の3月まで地元小学校のPTA役員を務めました。
PTAは、最近ではネガティブなテーマで挙がりがちですが、一年やってみて結構学びがあったのと、経営者の端くれとしてPTAの存在意義みたいなのを考える機会があったのでここに備忘として残しておきたいと思います。

ちなみに、下記に書き残したことは、あくまで私が所属したPTAの話なので、うちでは違うぞとかあると思いますが、そこは差し引いて考えてもらえるとありがたいです。



PTAとは

PTAを語る前に、改めてPTAとは何かをおさらいましよう。PTAとは

《Parent-Teacher Association》
父母と教師の会。子供の福祉と教育効果の向上を目的とし、父母・教師が相互に協力して学校単位に組織された団体。

goo辞典より

となります。

要するに保護者と先生によって構成される会で、日本の公立学校には、だいたい存在しています。

ここで重要なのは先生も加入しているという部分で、基本的に会費は保護者と先生が拠出して成り立っているのが一般的です。(案外先生も払っているというのを知らない人が多い)

PTAは任意団体なので、その活動内容は学校によって様々です。大まかな運用ルールはあるものの、個別の活動内容や方向性などはそれぞれに団体で割と自由に決めらます。PTA会費も、学校によって金額が異なります。

よく話に聞く、「ベルマーク運動」なんかは、全PTAでやっているわけではなく、やっているPTAとやっていないPTAがあります。


PTAの役割

私はPTAにおいて、会計を担当しました。
会計ですから、当然PTA全体のお金の流れが見えますし、それにともなってPTAが全体的にどんな活動をしているのかが割とリアルに把握できます。

ここでわかったのは、PTAとは学校を運営していく中で、行政組織の隙間を埋める存在だということです。

たとえば、先生が年度末に異動をしたりしますが、その際に花束を渡したりしますよね。あれは私の学校ではPTAの会費から拠出しています。行政から降りる予算には「先生の花束代」というのは存在しません。PTAがないと花束渡せません。

また、ここ最近のコロナ禍で「検温機器を買おう」となったときも驚くべきことにそれに該当する予算はなく、PTAから拠出しています。どう見たって検温するべきやろって話だったと思いますが、学校の正規予算では検温機器を一台たりとも買えないのです。

行政というのは、年度で予算が決まっており、途中で急に増やしたり減らしたりはできないという特性があります。

また、曖昧な支出は認められません。

とはいえ、学校運営の中では、急に出費が必要になったりするものがあるわけです。そういったものは、だいたいにおいて、PTAで賄っているわけです。

このようにPTAは、学校運営において、わざわざ予算を申請するまでもない、もしくは予算を申請する時間的余裕ががない、みたいな部分を補完する役割を結構果たしています。

個人的には、めっちゃPTA重要やんって思ってます。



無駄な作業はなぜ多いのか

私は以前、ペットボトルキャップを集めるエコキャップ運動を痛烈に批判する記事を書き、結構色々な人から読まれたりしましたが、この悪名高きエコキャップ運動も多くのPTAが取り組んでいます。

ベルマーク運動も活動の割には大した報酬をもらえなかったりしますし、ちょっと冷静になってみると「そのPTA活動、必要??」と思えるような内容が多いのも事実です。

そして、最近ではそういった活動が批判の的になっています。

なんでそういう作業系のタスクが多いのか。

この疑問について当事者になった結果私なりの結論としては
「全員に何らかの役割を与えないと不公平になるから」
だと思ってます。

PTAにおいて、私の目から見たときに「これないと絶対に困るな」と思える上記で紹介したような業務は全体の10%くらいです。

残りの90%は「あってもなくても変わらないが、みんなに役割を与えるためにやっている」タスクです。

そういった意味で、無限に作業が発生して多数の人間を巻き込む事ができ、やった後になんとなくいい事した気分になるエコキャップやベルマークは、PTA向きの作業といえます。

だって、何人でも参加できるし、終わりはないですから。

要するに、公平感を出すための業務だと思っています。


なぜ改善が進まないのか

このように、私から見ると本当に必要なPTA業務は全体の10%くらいなのですが、その10%がめちゃくちゃ重要で、正直ないと困るなと思う反面、残りの90%は全員を参加させるためだけの業務だなと思います。

そしてそれらの業務は、いまだにペーパーレスなんてどこの世界だといわんばかりの、非効率極まりない業務です。
(とはいえコロナ禍でだいぶ改善しましたが)

これらを改善したくとも、PTAはみんなに役割を渡して公平感を保つのが結構重要なので、猛烈な勢いで毎年担当が変わっていきます。

私も一年会計を担当をして、業務の流れを理解した頃には任を解かれることとなりました。

改善ポイントはいくつも思い浮かぶものの、わざわざ翌年も任期を延長して取り組むインセンティブはほぼなく、だいたいは改善されないまま翌年を迎えることとなります。

このあたりが改善が進まない最大のボトルネックになっているなと感じます。


これからのPTA

20世紀における全体主義の遺物とも言えるPTAですが、ここ最近は「任意団体なんだから、参加も任意にさせろ」という声がチラホラ出ています。

今のPTAは構造上、任意の人だけが参加にすると、その弊害が大きくて、簡単に任意参加にはできないでしょうが、参加をボランティア制にするところも出てきていて、まぁこっちが今後は主流になるかなぁと個人的には思うところです。


とはいえ参加は任意にしつつ、会費は全員払ってね、っていう形になりそうな気もしますが・・・。


考えてみると、日本にはPTAだけでなく、町内会や消防団など、ほぼ無報酬なのに行政組織の一端を担っている方が結構いらっしゃいまして、ボランディア精神が薄いと言われる日本人ですが、それなりにやってる人いるなぁとPTAをやりながら感じました。




PTAの現場からは以上です。

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