オリンピックのチケットは、本当に日本国内に向けに販売されているのか
落選者続出の観戦チケット争奪戦
2020年に迫った東京オリンピック。
日本で開催される夏季のオリンピックは、前回の東京オリンピックが開催された1964年以来初なので、64年ぶりとなります。
前回開催された当時10歳だった方は74歳になっているわけで、ある程度ご高齢の方は、二度目のオリンピックだとは思いますが、そうはいっても一生に一度と言っても過言ではないオリンピック。見に行きたいという方は多いでしょう。私もせっかくのオリンピックなので、是非なにかの競技を見に行きたいと思っているのですが・・・。
そして、先日実施されたオリンピックチケットの抽選。各方面でニュースになっておりますが、相当な倍率だったらしく、落選した方が続々。肌感覚で言っても、圧倒的に落選した人が多い印象です。
あ、私も落選しました。結構マイナーなやつに絞ったのになぁ・・・。
そもそもオリンピックのチケット。どこにどれだけ販売されているのでしょうか。
実はこれ、公表されていないようなんです。
この観戦チケットがどこにどれだけ販売されるのか、という点については、国会でも議題にあがったようで、こんな質問があったことが記録されています。
国民民主党の大西健介議員が政府に質問しておりまして、チケットはどこにどれだけ販売されるのかを明らかにすべし、というものです。
これの政府の返答が面白くて、
「それを決めるのはオリンピック委員会なので、知らない。彼らが公平にやってくれるであろう」
というものでした。答えてないやん、これ(笑)
知らないはずはなかろうに、と思うところですが、要するに明かしたくないんだろうなというのが私の印象です。
誘致する政府の立場で考えたら、海外からの観戦者?
今回のオリンピックですが、当然のことながらこれだけ大きな大会を開催することによる経済波及効果が非常に大きいものがあります。
経済効果から考えれば、都内で単に試合を観戦するだけの人より、地方から新幹線を使って見に来てくれる人やホテルに泊まってくれる人のほうが経済効果は高いですし、何なら海外から来てくれれば飛行機代もあるので、もっと効果は高くなります。
要するに遠くから来てもらったほうが良いわけです。
ここで問題はホテルの部屋数問題です。もともと東京にはホテルが少なく、オリンピック期間中に観光客が増えても、それを受け入れるだけのスペースが無いと言われています。
ですので客室数が多いホテルの建設ラッシュが東京のあちこちで進んでますし、民泊の活用やら何なら客船を呼び寄せて船に泊まってもらおうなんて計画も持ち上がっているようです。
JTBが実際に船を手配しているので、現実として、ありとあらゆるものを活用して、期間中を乗り越えようという構えです。
ここまで来ると、こんな疑問が湧いてきました。
「オリンピックのチケットは、関東近辺以外の、出来るだけ遠くに住んでいる人を優先して販売したのではないか。もしくは海外に多く販売されているのではないか」
というものです。(すいません、ひねくれてて)
横浜に住んでいる私より、北海道に住んでいる方やロンドンに住んでいる方に販売したほうが、経済効果はあります。
単純に考えれば、500円の電車賃で観戦できてしまう私より、50万使って観戦ツアーを申し込んでくれる人のほうが、運営側としてはいろいろ儲かりますので。
実際は国内向けの販売がほとんど
なにかいいデータは無いかと探していたら、ちょっと前ではありますが、2014年に日本政策投資銀行が、オリンピック期間中の訪日観光客などを予測したレポートがありました。
これを見ると、ざっくり言ってこんな感じのようです。
国内かつ宿泊を伴わない観戦者 70%
国内かつ宿泊を伴う観戦者 20%
海外かつ宿泊を伴う観戦者 10%
日本政策投資銀行は、政府系金融機関ですし、あまり適当な予測をするとも思えないので、これらの割合はそれなりに信憑性がありそうです。
また、先の国会答弁でも「シドニーオリンピックの際の海外向け一般販売は全体の8%」という結果がなされているので、海外向け1割程度と見て間違いなさそうです。
これだけ見ると、9割が国内向けに販売されています。というより、これ以上海外から来る観戦者が大幅に増えてしまうと、首都圏のホテル室数が逼迫するということで、いうても受け入れられるのは10%くらいが限界といったところなのかもしれません。
てことは、大半はやっぱり国内で販売されていて、なおかつこんなに当たらないとは・・・。考えてみれば、チケット総数が1000万程度とも言われており、一方で応募するためのオリンピックIDがそもそも500万以上も発行されているわけで、確かに倍率としては相当なものになるのも致し方ないのか・・・。
というわけで、私の結論は「国内向けに販売されているが、希望者が多すぎる」ということですね。
次回の抽選で当たるといいな。
顧客管理・マーケティングの支援会社を経営しています。