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「農振法」と「農地法」

「農業振興地域の整備に関する法律(農振法)」と「農地法」は、どちらも農業に関する法律ですが、それぞれ異なる目的を持っています。農振法は地域振興に焦点を当てているのに対し、農地法は個々の農地保護に重きを置いています。

農振法の目的

農振法は、優良農地の保全と地域の農業振興を目的としています。この法律では、農業振興地域を指定し、農用地区域内の土地については、農用地利用計画に基づいて定められた用途以外への転用が原則として認められません。転用を希望する場合は、まず農用地利用計画の変更手続きが必要です。

農地法の目的

一方、農地法は農地の転用を規制し、食料供給の安定を図ることを目的としています。この法律では、農地の転用には許可が必要であり、新規就農者には特定の条件(年間150日以上の農作業に従事すること)が求められます。

農地の区分

農地は、農業振興地域の整備に関する法律(農振法)に基づき、「農用地区域内農地」、「第1種農地」、「第2種農地」、「第3種農地」に分類され、これらは農地法と密接に関連しています。

農地法に基づく転用許可制度

転用許可制度では、農地を他用途に転用する場合、都道府県知事の許可が必要であり、特に「農用地区域内農地」や「第1種農地」は転用が厳しく制限されています。市街化区域内の農地転用は、事前届出により許可が不要となります。

宅建業法施行令との関係

宅建業法施行令では、農地法が説明すべき法令として挙げられています。これは、農地法が農地の保全を目的とし、その転用(例:宅地化)を規制しているためです。この規制は、農地の取引に直接影響を及ぼすため、不動産取引において重要な情報となります。

一方で、農振法は、農業振興を図ることが目的であり、直接的な取引規制は設けていません。そのため、宅建業法施行令では、農振法は説明すべき法令として具体的には挙げられていません。

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