【算数】おーい磯野、そろそろビリヤードしようぜ!
以前出題した問題の解説編です。追加の発展問題もあります。
【問題】再び。
【解説】
反射の問題と言えば、進む線を反射させるのではなく、図形側を反転させて、直線として考えられるようにするのが定石です。まずその発想は知識として持っていないとなかなか難しいでしょう。
このとき、上図のBYには3枚、YZには7枚の三角形が並ぶことになります。
これはどう求めてもよいですが、例えば相似を利用して、AX:CB=3:7より、XA:AB=BY:YZも3:7となり、横に3枚分の長さと、右上に7枚分の長さ進んだところが、最初にぶつかる点となります。全容が見えました。
このときの反射の回数を求めます。反射の回数は、直線が三角形の辺をまたいだ回数、つまり交点の個数ということになります。植木算の考え方を使います。
三角形のままだと向きが上下に変わってややこしいので、平行四辺形が同じ向きで敷き詰められている図として考えます。直線が平行四辺形の辺をまたぐと途中で必ず対角線も一度通過していることを考慮すると…
(3−1)×2+(7−1)×2+1=17回と求まります。平行四辺形の辺を右方向に2回、上方向に6回またいでおり、最後の頂点にぶつかる直前で対角線を1回またいでいます。
また、到着する頂点はAです。書き込んで調べるもよし、規則を利用して計算するもよし。おわり。
【感想戦】
そもそも反射の問題は、数と図形の両方の性質を利用する面白いテーマだと思います。多くの問題は正方形のマスで出題されますが、こちらは三角形に分割、また四角形に戻すという流れが面白いと思います。2023年の海城中でも角度をいろいろ変えた角に向かって反射させたり、2024年の開智中の理科でも万華鏡の問題が出たりしていました。いずれも基本の組み合わせ。
整数の比にならない(一方が無理数)場合は永久に到着せず巡り続けることになりそうです。すごい。
〓〓EXTRA MODE〓〓
面白いです(自画自賛)。解答が何通りかある、問題を作るみたいな問題は難関校でよく出ますね。
2024年7月28日