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【算数オリジナル問題】L字型図形の重心を作図せよ。
本当はもう少し温めて熟成させようと思った問題だったのですが、開智中が2024年入試で出すっていうので、レアの焼き加減でお出しします。
※入試が終わりましたので、無料にしました。多数の方にご購入いただきました。ありがとうございます。
基本編はこちら。
今回は発展編です。計算を一切しないで重心の作図をします。
【問題】重心を作図で求める
下の図のような、全ての角が直角で重さが一様な薄い板を、下からある一点で支えると傾くことなく釣り合いました。このような点のことを重心と呼びます。この板の重心の位置を図示してください。どのように求めたかも書くこと。
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【解説】連立方程式と同じく
まずはこちらをご覧ください。
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重心を求める際は基本的に「複数の重心同士の重心が、全体の重心となる」という性質を利用します。ある図形を2つの図形に分けると、2つの重心ができます。そして、それぞれの重心同士を結んだ直線上のどこかに図形全体の重心が現れます(ここまでは前回と同じ)。
ということは、そのような「重心ライン」がもし複数引けたとすると、両方の線の上にある部分はもちろん交点しかありませんので、そこが図形の重心と決まります。
つまりこういうことです。
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元の図形を2通りの方法で分割し、それぞれで「重心がその上のどこかにあるライン」が書ければ、長さなど分からなくても重心の位置は正確に図示できるわけです。以上。
参考:多角形の重心も、2通りの方法で三角形に分割するなどして同様に作図できます。ただし、三角形の重心を求めるにはコンパスも必要です。
【参考】面積の二等分線の問題
今回の解法の前段階として「L字型図形の面積を二等分する直線」を作図させる問題があり、浅野中や筑波大学附属中などでも出題されています。これについては日能研様の記事で、浅野中へのインタビューと共に解説されています。
〓EXTRA MODE〓
下の図のような、重さが一様な長方形の薄い板から、灰色の部分を切り抜きました。この板の重心と点Cを結んだ長さは何cmですか。(円周率は22/7とします。)
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なかなか正体不明です。今回はここまで。
2024年1月1日
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