ぼくたちはいつだって学生に戻っていい / 王舞祭東京
11月10日、王舞祭東京公演に1部2部と参加してきました。
27歳と29歳のお兄さんたちが自分たちでアイデアを出してデザインした学生服を着て、平成のヤンキー風味でイベントを進めてくれるなんとも大助かりファンミーティングです。
「王道のアイドルっぽいことがやれないからこんなことやってんだよ」と佐野さんが学生服の自分を指差しながら仰っていたんですが、違うの。確かに急に「王舞祭」ってタイトルだけ発表して学祭やるから来い!ってだけ言い放って集客するアイドルはいないと思うんだけどね、OWVさんにしかできない学祭を開催してくれて、イベントの前から学祭前気分を多くのファンに味わわせてくれたんだと思います。だからそんなOWVさんたちが私にとってはものすごくアイドルなんだよ。
脱線しました。このnoteは詳細なレポというより、王舞祭とそこへの準備期間を通して思ったことを書き留めておこうと思います。
OWVにしかできない学祭
有明アリーナでの学祭準備
本番の会場よりもキャパが広い、ぴかぴかの有明アリーナを利用してOWVさんは体力測定+王舞祭の準備+寝るという、有明アリーナYouTube3部作という前代未聞の企画をされていました。そこの面白さはさておき、それぞれ個人仕事で忙しい時に集まった4人が深夜に(😭)絵の具でペタペタ看板を作っている姿、まさに学祭。あーだこーだ言いながらそれぞれの個性が生きた看板、宝物になりますよね。OWVが自分たちで、このイベントのために時間と労力を使って、パフォーマンスという本来の仕事以外のところへ積極的に入り込んできくれていること、それがOWVさんたちのエンターテインメントへの姿勢そのものなんだと感じました。
衣装の学生服を自分たちでデザインする
アイドルといえば一回は通るのでは、という制服衣装。4人がオーディション番組に出ていた時の制服衣装はもちろん忘れられない思い出ですが、あの時の型の決まった優等生感溢れる制服を脱ぎ捨てた4人が選んだのはそれぞれ個々でデザインした制服。しかも全員ヤンキー風味。王舞祭のビジュアルで公開された教室の様子が荒れ放題で話題になっていましたが、101人で隊列を揃えてきちんと踊っていた中の4人が新しい学校でのびのびとヤンキーしてくれていてありがたいです。これが「ド正面じゃなく裏口から天下取るやり方」なんでしょうか。
本田さんの王道学ランを着崩すど真ん中平成感、本来の世代よりは遡ってそうな長ランとツッパリ感ある髪型の勝就さん、一人だけ白で御曹司感を残しながら少しだけ着崩す秀太、戦闘力が非常に高そうな短ランの佐野さん。オタクの解釈と本人たちの本人に対する解釈がいつもバチハマりしていて嬉しくなります。
タバコを吸う学生のトレカという横暴
グッズの中にあった本田さんのトレカの話なんですけど。一応高校生の設定なはずなんですが、思いっきりタバコを吹かしているビジュアルのトレカがしれっと販売されていて大喜び。いつもよりも多めに作ったのに想定外だったらしいグッズの売り切れ続出によりまだ手に入れられていないのですが、必ず大阪で手に入れます。
本人が29歳だからできる合法であり非合法なトレカ。他にも、タバコのパッケージ型のトレカ入れ、給食袋、生徒手帳型のミラー、定番のクラスTシャツなど若干高校生には許されないラインナップも混じりながら個性溢れるグッズ展開でした。グッズ会議が楽しかったらしいですが見てるだけで本当に楽しかったです。第二ボタン買えるのおもろいよね。
平成曲メドレーby 本田さん
平成を背負っていると巷で噂の本田さんが今回もやってくれました。事前に「平成曲30曲サビダンスチャレンジ」をするとYouTubeで告知して、実際に100曲くらいはダンスを見て、50曲は試しに踊ってみたと仰ってました。あの口ぶりだと、
・すでに何曲も、見なくても踊れる曲がある
・見たら即興で踊れるくらいのスキルがある
・チャレンジのために相当な時間を費やした
ということがわかり、メロメロになってしまいました。
次々に懐かしい曲が流れるたびに沸くフロア、本田さんと一緒に振りを踊るペンライトが一気に会場を盛り上げていて、本当に音楽って共通言語なんだな〜とか思っておりました。「平成曲」と一口に言っても、「OWVさん世代が学生時代のあの頃の曲」と言った方が正しいんだと思いますが、あの頃の平成を求めてる世代が集まりすぎだし、あの頃の平成が懐かしくないお客さんも巻き込んで楽しませている本田さん、かっこよかったです。
本田さんのダンスチャレンジの他に、1部のカラオケ大会では「絆」「NO MORE CRY」等あの頃の平成を感じる曲を歌っていたOWVさん。平成リバイバルありがとうございました。自分でインターネット上でディグることが自由自在になり、それぞれの好きなものを選び取って聴くことができる現代に比べて、あの頃の曲の流行り方ってものすごく国民的だったんだなあとしみじみしてしまいました。だからこんなに「平成感」は楽しいのかもしれません。
合唱コンクール
学祭やら合唱コンクールやら、懐かしさを誘うワードがたくさんです。突然YouTubeに「合唱コンやります!ソプラノとアルトで分けるから覚えてきてね!」のガチレクチャー動画を出してくるのは流石にOWVくらいでしょ。メンバーだけが準備するのではなくて、会場にくるファンも事前準備の段階から巻き込んでくれることでより「学祭感」が強まったと思います。コロナ禍に結成したグループで、2023年3月までライブで声出しができなかった反動か、なんとかみんなを巻き込もうとして企画を考えてくれるOWVさんたち、たまにQWVのこと友達だと思ってると思う。ありがとう。
ガチのパート練音源なんだよな。
「本物の学祭に来れない人のために、みんなが参加できる学祭を作りたかった」
そんな風に王舞祭について語っていた本田さんの言葉通り、徹底的に観客を巻き込む演出に力を入れているのをひしひしと感じたイベントでした。OWVが制服を着るなら、とQWVの皆さんも制服っぽいコーディネートをしたり、ジャージを着てみたり、思い思いに楽しむ様子が見られました。
詳しくここに記載している以外にも、ミスコン、会場中を使った宝探し、パートスイッチダンス、カラオケ大会等々、様々な企画で楽しませてくれたOWVさん。
「学祭」というほとんどの人が経験してきたイベントだからこそ、OWVもお客さんも含めてあそこまでの一体感が出たのだと思いました。いつもは「OWVが好き!」「OWVの音楽が好き!」ということだけが共通項のお客さんが、「あの頃の学祭」というもう一つの共通項を見出して集まれたこと、ものすごいエンターテインメントなんじゃないかと。だからOWVさんはやめられないですね。
5年目に向けた一歩
さて、こんな感じでやりたい放題に思いっきり学祭をやってくれたOWVさんたちですが、これはただのファンミーティングではなく、着実に成長してきたOWVを、そしてこれからの可能性を見せてくれる大事なステージでもありました。
久しぶりのワンマンイベント
「今年の夏は個々の稼働が忙しかった」とことあるごとに語っていたOWVさん。そんな忙しい中準備してくれたワンマンでのイベント。OWVさんに会える機会はもちろんたくさんあったけれどやっぱりワンマンイベントは特別ですね。
2023年の、脅威の一年に2回のツアーとかいう充実度に慣らされて、そこから知らない間にワンマンOWVさん不足になっていた体にじんわり染み渡る温かさと血の沸き立つあの感じ、これこれ〜〜〜!!になりました。本当にハードなセトリありがとうございました。終わった後無意識に「楽しかった〜😭」と心からの言葉が溢れるくらい楽しかったです。私の走馬灯はきっと半分以上がOWVさんになるだろうと思っているのですが、王舞祭東京の制服OWVがステージ上で踊り狂う瞬間は絶対に追加されました。
アンチコメVS佐野文哉
本田さんによる平成曲メドレーと同じジャンルの出し物とは思えない「アンチコメントに耐える」という宣言をしていた佐野さん。どんな時間になるのか、半分ヒヤヒヤ、半分信頼して見守ろうの気持ちで迎えました。
どこからアンチコメを拾ってくるんだと思っていましたが、多分あれはどれか特定の、というより今まで佐野さんが、そしてOWVが浴びせられてきた言葉の一部分だったんだと思います。
読み上げられる言葉ににこにこと耐える佐野さん。そして紙に書かれたアンチコメントに反論しながらパンチで破っていく。佐野さんのまっすぐなマインドや溢れ出る自信のおかげでこんな言葉だらけの世界で闘えてきたけれど、きっと想像以上に大変というか、しんどいことなんだろうなと目の前に可視化されることで実感したというか。たまにOWV全体への言葉があって、他のメンバーも言い返しながら代わりに反論したり破ったり、こうやって今まで投げつけられた言葉を4人で受け止めながらやってきたんだなというふうに見えたりもして。そのプロセスを一部共有された気持ちになりました。
全部が全部アンチコメントではなくて、最後は「自慢の推し」で締めくくられていました。いくつかは破らずにありがとう!と受け止めたり、「メンバーダイアリーを更新しろ」という紙だけは持って帰ってちゃんと次の日に更新してくれたり(かわいい)こうやって佐野さんが、OWVが抱きしめたり受け止めたりしたくなるような言葉だけが届けばいいのにと願わずにはいられませんでした。
理不尽な言葉に理不尽で返すことをせず、キッパリとした言葉で自分の意見をまっすぐに伝えてくれた佐野さん。そのかっこよさは本当に頼もしかったです。守られてばかりじゃなく、守れるように強くなりたいです。
この企画の後だったからか、次のパフォーマンスタイムで泣いちゃったんですよね多分。
初期曲の再披露
今回の東京公演では1部で1st シングルのカップリングの BE ON TOP、2部で3rdシングルのRoarと、少し懐かしい曲が披露されました。
BE ON TOPはギラギラした下剋上を狙う歌詞と、うちの特攻隊長佐野さんのコレオということでOWVの信念バチバチの曲。本当に大好きな曲だけど随分長い間歌われていなかったし、(最後は2022年STRANGEツアーのメドレーでしゅたかつがサビだけ歌ったやつだと思う)またコレオありで見られるとは思ってなくて嬉しすぎてしばらくペンラ振るの忘れて泣きそうになるのを堪えていました。
佐野さん曰く、昔に作ったコレオだからちょっと恥ずかしかったそう。秀太も3人の後ろからカッコつけて登場するの恥ずかしくていろんなおふざけパターンを考えたらしいのですがしっかりキメキメでいてくれてほんとに助かりました。次こそふみやすのペアコレオまで見せてほしいなの気持ちを込めて毎日ダンプラ再生しますね。
RoarはBE ON TOPに比べたら久しぶりではない気がするけどどこで歌ってたのかは思い出せない。OWVさんのコレオは一挙手一投足を揃える群舞ではなくて「魂とパッションの向きを揃える」ことに重点を置いて、同じ振りながらも個性が輝く見せ方をここ最近はメインにしてきたと思うのですが、Roarを見ながら、初期は今ほどフリーな感じは少なかったんじゃないかなと思い出していました。
コレオ内にあそびの部分が少なくて、コンセプトに沿ったゴリゴリのダンス曲のRoar、時を経て成熟した4人の咆哮が以前より強力になって、4人が同じ魂になってしまったんじゃないか、くらいの動きの揃い方を感じて。Roarで泣く日が来るとは思いませんでした。
企画コーナーで佐野さんが嬉しそうに「4人の絆が深まったイベントがあった」と言っていた顔が忘れられませんが、より深まった絆の証が、初期曲を披露することでより明るみに出たのかもしれません。
今や10枚のシングルと2枚のアルバムをリリースして40曲以上の持ち曲があるOWVさん。積極的に活動し続けてくれるありがたさを改めて感じた時間でした。
個人仕事を経て
今年は個々の仕事が多かったOWVさん。大きなところで言えば佐野さんは走り仕事、他3人は主演舞台。それ以外でも4人揃った稼働は少なくて忙しく過ごしていたと思います。事あるごとにOWVさん全員が口にしてくれる、「グループのためにやっている」「OWVの活動に還元できたら」という言葉の意味が実感できたイベントでした。
どこの目線から言ってんだと感じたらすみません。ただ単純に、4人のパフォーマンスの進化が今までとは段違いだと感じました。佐野さんの走り仕事の結果を受けて全員で走るようになったOWVさん。勝就さんは特にボクシングのライセンスを取るためにボクシングレッスンを受け始めて体重も9キロ落としたとか。それらの努力のおかげか、全員の体力がめちゃくちゃ底上げされているのを実感しました。
OWVさんがパフォーマンスに常に全力で意図的に手を抜いたりしたことがないのは明白なのですが、それに加えてバテない・歌声がずっと伸びやか・盛り上がり部分での爆発力等々、明らかに進化が著しい。ただでさえハードなダンス曲が続く場面でもずっと勢いが落ちない姿が本当にものすごくかっこよかったです。限界を超えていく中での煽りが血を沸かせてくれました。
VERSUSツアーと5周年記念ライブSUPERNOVAの発表
「みんなに嬉しいお知らせがあるよ!」と告知されていたのでツアーの発表かな…と予想していたものの、まさかの対バンツアーとは、またOWVさんに予想の斜め上をいかれています。OWVがずっと目標に掲げている武道館、そしてもっと上のステージに行くために47都道府県行脚をはじめ、取り組みをしているOWVさんですが、本気でいろんな方法でOWVを知ってくれる人を増やそうとしているんですね。
ただそれだけで終わらないのがやっぱりOWVさん。2部も全て終了してから映像で今までのワンマンライブやイベントのロゴが映し出され、最後に登場した文字が「SUPERNOVA」in 幕張メッセの文字。SCASINOツアー発表の瞬間を思い出します。あの時も3月11日福島公演が最後に発表されて客席がメソメソしていましたが、今回は5周年という節目の記念で、OWV最大規模になるであろうワンマンライブ。ライブハウスのキャパで行われるVERSUSツアーだけでなく、確実に一歩進んだステージを提示してくるOWVさん。
いつでも明確につよい意志で未来を切り開くところを見せてくれてありがとう。段階を経て着実にステップを上がっていくOWVさんに自分の人生まで励まされ続けていますね。
ぼくたちはいつだって学生に戻っていい
OWVさんのファンミーティングは、ギラギラした情熱と練り込まれた構成が際立つライブツアーに比べて、穏やかで自由度が高くて、まさにファンのためにやってくれているイベント。今回の王舞祭も、学生時代という、もう戻ってこないあの頃を一緒にリバイバルしてくれるものでした。(今が楽しい現役高校生はぜひ「今」を噛み締めてください、そうでもない人は王舞祭を楽しみましょう)
平成曲や制服姿、ミスコンなどで懐かしい時代を思い出し、アンチコメとの闘いや初期曲の披露などで今までの成長を振り返り、合唱コンや客席を駆け巡ることでOWVとQWVの距離の近さを再認識して。まさにその日限りの学祭。刹那的で青春がギュッと詰まった大事な日になりました。
「学祭」の場で次に向けた大きなイベントを発表するというのは「卒業」のメタファーなのかな、とも思ったし、実際に本人たちからも「王舞学園は卒業」という言葉も出ていました。でも客席からあまりにも悲痛な叫び声が上がったので多分混乱したことでしょう。すみません、みんな多分想像以上に制服OWVが好きです。
みんながやってほしいなら続くかもしれません!という言葉がどんなに嬉しいか。いつでもOWVと一緒にあの頃に戻っていい、一緒なら戻れるという安心感。迷うことがありながらも未来へ目を向けることを恐れない彼らと、たまに立ち止まってあの頃に戻れる時間が、これからもきっと宝物のような思い出になることでしょう。
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