#31 生まれてきてよかったな

 とあるクリスチャンの男性をSNSでフォローしている私なのですが、その信仰の姿勢に敬重の念を私は覚えておりまして、例えリアルでお会いしたことのない人であっても、人から受ける影響というものは時や場を超えていても計り知れない部分があるのだと考えます。私はキリスト教の信者ではないのですし、ましてや仏教の熱烈な信者でもない神道の者なのですが、昔からなぜか知りませんが宗教関係者との縁が多いような気がしておりまして、不思議に思うこともあります。
 先ほどいつものように温泉センターに通っている私は、センターを出て一服しながら〈生まれてきてよかったな〉という感覚を覚えました。温泉に浸かってますと、そういう想いを抱くことがしばしばありまして、何だろうなという気がしております。そんなに自分のリアルの暮らしが荒んだものなのか?と言われれば違うのですが、産まれてきたときからそのような"生まれてきてよかったな"という実感を覚えにくい国や時代のような気がしておりまして、実際に「こころの復興」というテーマを個人的に掲げ、街の市民フォーラムの実行委員をしていた過去の記憶がふと甦ってきました。それで、あっこれだ!という微かな実感とともに、私がしたかったことってまさにそのテーマそのものなのではないのかと考え始めてしまいました。そういえば、昔神戸に住んでいた時に、三宮のアーケードの中にあったパン屋の年配女性らが、ニコニコと労働に励んでいた様子をみて、多分、薄給のパートなのだろうにあんなに幸せそうに働いてるのはきっとなにか宗教的背景でもあるんじゃないか?という想像を勝手にしていたと振り返ります。
 ふと、どこで自分の中の記憶と記憶が重なり繋がりあい、次のステップやその具体的な行動に結びつくのかはわからないものですが、長らくそういった思想的背景、いや宗教的道程が私のなかにあったと気づけただけで今日は儲けものです。そう、"生まれてきてよかったな"と思える人がもっと増えてゆくようなそんな国や時代を、例え裏方であったとしても支え営んでゆくことに今後舵を切りたいと考えました。大層なことをする必要はないのでしょうけども、プライベートでそれを普段から実践を重ね、そのままパブリックでもそのような活動ができたらよいものです。未だに市民活動には薄っすらとでも関わっておりますが、新しい団体にでも顔を出してみたいです。

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