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100円が教えてくれた「需要」の正体――小さな挑戦が呼び覚ました“狼”の本能
さんしたです。
昨日投稿した100円の記事が売れました。
購読してくださった方、心より感謝申し上げます。
たったの100円かと思われるかもしれませんが、私にとっては特別な100円なのです。
どうしてかと申しますと、オンライン上で「稼ぐ」ことが初めての体験だったからです。
厳密に言うと、無形商品を売った経験です。
在庫も配送もなく、パソコン一つで行う商売。
ずっと憧れていたんですよね。
そしてもう一つの憧れが、自力で「需要を生み出す」ことでした。
有料記事というのは、購読した先に役立つ情報や楽しめる展開を用意するのがセオリーかと思います。
一方、今回私が販売した記事には、購読した先にあるはずの価値が無く、購読者に何のメリットもありません。
なぜこんな記事を販売しようと試みたかと申しますと、活字の力だけでどれだけ「需要」を生むことができるのか――ちょっとした挑戦だったのです。
案の定、取り組んでみると難しい。
難しすぎる。
そもそも商品というものがないので、どうアプローチしていいかもわからない。
需要をもたらすファクターが存在しないのです。
全身全霊を込めて書き、出来上がったそれは物乞いベースの醜いしろもの。
需要を作り出す目的とは遠くかけ離れ、私の需要を満たすためだけの記事が出来上がったのです。
でも買ってくださった方がいた……。
感動をいただきました。
これは私の今後の自信に繋がります。
需要に魅了される
需要を作ることになぜ憧れていたかというと、映画「ウルフオブウォール・ストリート」から影響を受けています。
レオナルド・ディカプリオさん主演の、結構有名な映画なのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
簡単に紹介すると、ディカプリオ演じる地味で真面目な商社マン・ジョーダンが、安い「クズ株」を売りつける手法を見つけ、その事業がバズり超大金持ちになるという、実話を元にしたサクセスストーリーです。
ジョブスやザッカーバーグのような経営の鏡になる話では全然ありません。
ドラッグ、女、豪遊をベースとしたクソみたいな経営手法です。
でも、それがたまらなく面白いのですよね。
その中で、とても印象的な一コマがあります。
ジョーダンが「このペンを俺に売ってみろ」と言い、ビジネスメンバーの一人の若い男性にペンを差し出すシーンです。
若者は「このペンは非常に良くできたペンで……」と営業トークを始めます。
まもなくジョーダンは若者からペンを取り上げ、隣にいたイカつい男にペンを渡し、同じ課題を出します。
このイカつい男はブラッドといい、麻薬の売人です。
ブラッドはテーブルに置いてあった紙ナプキンをジョーダンに手渡し、「名前を書いてくれ」と言います。
ジョーダンはニヤリと笑い「ペンがない」と言う。
ブラッドは「このペンを1ドルで売ってやる」と言い放ちます。
このシーンがめちゃカッコいい!
私は、この映画のこのシーンで需要を生み出すことに強い憧れを持ったのです。
改めてこうして記事にすると、また改めて観たくなってきました。
映画はいいものですね。
それと同時に、ある過去の記憶を思い出しました。
私の狼
若い頃、まだホームレスになる前のことです。
夏の暑い日にお金がなくて困っていた時がありました。
今もそうだけど、私の人生、ずっとお金に困っているな うーん。‥
で、お金に困っていた若い頃の私に、ふとアイデアが浮かんだのです。
今は夏休みシーズン、バーベキュー場に行けば人がたくさんいる。
そこでかき氷を販売すれば売れるんじゃないか!と。
ところがネットでかき氷機を探しても、高価なものばかり。
当時はメルカリもなく、ヤフオクも今ほど出品者が多くない時代。
安く道具を手に入れる手段はほとんどありませんでした。
そこでかき氷を諦め、アイスクリームに変更。
翌日、友達から車を借り、スーパーでどでかい発泡スチロール箱をもらってアイスを詰め込みます。
箱は魚臭かったけど気にしません。
業務用スーパーで使い捨ての容器とスプーンを調達し、シャトレーゼというリーズナブルなお菓子屋さんではドライアイスを譲ってもらいます。
仕込みが終わり、バーベキュー場に着いたのはお昼過ぎ。
一番暑くてベストなタイミングです。
「アイスいかがですかー!」と声を掛けながら、それぞれのグループに呼びかけました。
すると、飛ぶように売れます。
やはり「かき氷ないのー?」と聞かれましたが、暑さに負けた人たちが300円のアイスをバカバカ買っていきました。
アドレナリンはマックスです。
そうしていると、こわもての男性が近づいてきました。
やばい、管理人か?と焦りましたが違ったのです。
今では反社と言われる、ある道を極めた方でした。
その場がスーッと涼しくなります。
夏の暑い日に冷や汗をかいたのは初めてでした。
どうやらそこは、その組織のナワバリらしく、勝手に商売するなとこっぴどく怒られました。
何も知らなかった若気の至りということで許してもらえた私は、そそくさと撤収。
売れていたはずのアイスはまだ残っていて、悔しい思いはありましたが、利益は3万円超え。
帰りの車の中で一人、ほどよい満足感と達成感に浸っていました。
バカでいい
この出来事を思い出したのです。
「俺やるじゃん」と嬉しくなりました。
暑さに対する需要を想定し、行動によって需要を作り出す。
その時の私はまさに狼だったのです。
当時の私はマーケットの知識なんて全くなく、直感だけで動いていました。
何も知らないバカだったからこそ行動できたのだと、今では強く確信しています。
歳を重ねるにつれて、失敗を避けるように生きてきた中で、何事もキレイに行う習慣が染みついてしまったようです。
今回の100円の実績は、私の中の小さな狼を呼び戻してくれたのだと思っています。
ここまで読んでくださったあなたも、ぜひ、自由にバカになって、欲望のままに行動してみてください。
素敵な何かとの出会いがあるかもしれません。
ではまた、お会いしましょう。