人生で最初の「美的ひらめき」体験 – 『ハーバードの美意識を磨く授業』より
先日、私が今参加している美意識・美的知性を探究するオンラインコミュニティ、Aesthetic Intelligence Labsについて書きました。
今日はまずそのコミュニティでの最初のワーク、"Aesthetic Epiphany"について書いてみたいと思います。
Aesthetic Epiphanyとは
Aestheticは美的感覚、Epiphanyは「ひらめき」や「悟り」といった言葉に訳されますが、簡単に言うと、あるモノによって自分の五感が強く刺激され、感動を覚えた記憶のことです。課題は、こういった問いかけで始まります。
自分の人生において、「美的なるもの」が引き起こした強い衝撃や、ハッとした記憶を掘り下げることで、自分自身と外側の対象物との関係性がどのように始ったのかを見つめるのがポイントです。「センス」の始まりとも言えるかもしれません。
これを読んでいる皆さんも、ぜひ自分の記憶をたどってみてください。初めての記憶ですから、幼い頃、せいぜい12歳くらいまでの間に起こったことを思い出してください。
A.I. Labsの参加者の中には、子供向けのカラフルなリップスティック、母親の香水、父親のペン、ゲームのコントローラー、おもちゃの化粧箱、といった回答がありました。ちなみに私は小学校3〜4年生の頃自宅に突如現れたiMac G3です。主宰のポーリーン・ブラウンさんは、Sonyのカセットウォークマンだったそうです。
ただ、ここで重要なのは「何が」その対象だったかではありません。そこに何を「感じた」のか、感覚の記憶を探ることが重要です。
課題では、以下のような質問に答えることで、「美的ひらめき」の原初体験を深堀りします。
さあ、いかがでしょうか?あなたはどんな色・カタチ・質感・香り・味・音に、どんな感情を抱いたのでしょうか。子供の頃の体験や記憶は、無意識にでも今の意思決定に影響を与えています。このワークの後、自分の身の回りにある、これまで買ったもの、選択してきたものを眺めてみてください。きっと何かが違って見えるはずです。
お時間のある方は、ぜひゆっくりと思い出し、深堀りしていってください。そして、可能であれば身近な人達と共有してみてください。自分の感じたことを人に伝え、フィードバックを受けることで、客観的な視点が生まれます。また、他者がどんな体験や記憶を持っているかを知ることも、単純に興味深いだけでなく、より健全な美意識を育む上でとても大切な要素となります。また今度書き連ねたいと思いますが、「美」だけを追求することが、必ずしも「善」につながるとは言えません。個人的には、今このバランスが非常に気になっています。
どんな時でも、何かを美しいと感じる気持ち、感謝の気持ちを大切に。日々を穏やかに過ごしていってください。
今日も明日も、あなたの世界が美しさと喜び、そして調和に満ちていますように。
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