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出会った日に事業参入を決定!ピックルボールを手軽にプレーできる日本へ
これまで交わらなかった人々が、あらゆるバックグラウンドを超えて関係を深めることができる新しいスポーツ、ピックルボール。
ピックルボールと出会い、プレーするようになって、ビジネスのきっかけが生まれた。友だちができた。生活習慣が変わった。
Sansan Pickleball Club公式noteでは、「ピックルボール×出会い」にまつわる十人十色のストーリーを発信します。
■ピックルボールとは?
アメリカで1965年に発祥したスポーツ「ピックルボール(Pickleball)」は、バドミントンコートと同じ広さのコートで板状の「パドル」を使い、穴の空いたプラスチック製のボールを打ち合う、テニスを誰もがプレーできるようにしたようなスポーツです。アメリカでは、直近1年間でプレーしたことがある人は4830万人にのぼると言われており、老若男女が楽しむスポーツとして日本でも広がりを見せています。
記念すべき第1回目のインタビューは、Sansanがピックルボールの普及に取り組みはじめた当初から活動を支援いただいている、株式会社ピックルボールワン代表 熊倉さまのインタビューをお届けします。
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出会ったその日に事業参入を決めた、ピックルボールとの衝撃的な出会い
ーまずは、自己紹介をお願いいたします。
はい、株式会社ピックルボールワン 代表の熊倉 周作と申します。
ピックルボールに出会う前、学生時代は世界ランキングを取るくらい一生懸命テニスをやっていましたが、プロの壁は厚く、前職の会社に新卒で入社しました。
その後、2023年7月に起業して今に至ります。
ー起業のきっかけは何だったのでしょうか?
前職で香港にいたときに、今の会社の会長でもあるエンジェル投資家の谷家 衛(たにや まもる)さんと出会ったのがきっかけでした。
企業に所属していると、自分の人生を自分で決めるには限界がありますよね。駐在で海外に行く決定も日本に戻る決定も、自分で顧客を開拓しても異動によってずっとお付き合いを続けるのも難しい。
そう感じていた矢先に、香港で谷家さんをはじめ多くの投資家・起業家の方と会話をして、自分が貢献できる領域で社会を変え、顧客に良い体験を提供したいと思うようになり、起業を決意しました。
ーピックルボールとの出会いはいつだったのでしょうか?
実はピックルボールと出会ったのは起業した3カ月後、2023年10月なんです。
起業した当時は、ウェブマーケティングやウェブ制作などテニススクール向けの事業を展開していました。
その後、谷家さんにピックルボールが流行っていると聞き実際にプレーしてみると、とても面白かったんです。年齢も運動神経も関係なく皆が楽しんでいる様子を目の当たりにして、その日に事業をピックルボールに全振りしようと決めました。
ー出会ったその日に事業転換を決めるぐらい、ピックルボールに可能性を感じたんですね。
そうですね。私がもともとやっていたテニスも素晴らしいスポーツですが、未経験者だとサーブが入らなかったり、ラリーが続かなかったり、ある程度楽しめるようになるまでは時間がかかります。
ピックルボールはプレーのハードルがとても低いので、初心者の人でも初日からすぐに楽しめます。
率直に、同じラケットスポーツなのにすごいなと思いました。運動の得意不得意の壁や年齢の壁、文化の壁もなく、ソーシャルスポーツとしての可能性を感じました。
テニスはすでに世界中に広がっています。ピックルボールをこれから世の中に、日本に広げていく手助けをする方が、自分の貢献度が高いと思ったんです。
ー当時の日本のピックルボール市場はどのような状況でしたか?
まだほとんど動きがなく、2023年内のイベントが一つ、二つある程度でした。
今いる主要なプレーヤーはほとんどいないタイミングです。
ただ私は、これから市場が伸びるか分からないという不安よりかは、ピックルボールを広げたい、また広がっていくのは間違いないという強い確信がありました。後はもう自分がそこに飛び込むだけという気持ちでしたね。
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成長しかない国内ピックルボール市場、現状と課題は
ー熊倉さんの視点から、現在の日本のピックルボール市場をどのように見ていますか?
やはり世界と比較すると、日本はかなり遅れていますね。
今年の日経トレンディ「2025年ヒット予測ベスト100」にピックルボールがランクインしたことからも分かる通り、この1年でようやく知られるようになり、国内企業も参入している状況です。
国内市場はほぼゼロからのスタートだったので、成長率は高いのですが、アメリカやオーストラリア、アジア諸国と比べると、まだまだです。
ー国内市場を世界と同じレベルまで引き上げるには、どのような課題があるのでしょうか?
日本でまだピックルボールが知られていない大きな理由は、横への広がりです。具体的には、プレーする場所がないこと、教えられる人がいないことが課題です。
発祥の地であるアメリカは、テニスコートをピックルコートに転換することによって、プレーする人やそれを目にする人が増え、一気に知られるようになりました。
日本はそもそも都内にもテニスコートが少なく、さらに人工芝のコートが多いため、ピックルボールコートに転換できないんです。
結局、体育館などクローズドな環境でプレーすることが多い。そうなると、周りで見て、興味を持って調べる、体験してみるという人が発生しません。自然発生的にプレー人口が増えることが少ないので、広がりづらい状況なのではと考えています。
ー今後、その課題をどのように解決していきたいですか?
とにかくピックルボールができるコートを増やしていきたいです。
まずは来年、都内に一つ我々の直営コートを設置したいと考えています。そこで得たノウハウをもとに、全国に広げていきたいです。
インストラクターについては、私のようにもともとテニスをやっていた人の転向をアシストしています。また地方の方へも知識が伝わるように、インストラクター動画も作成中です。
私たちが目指すのは、単にスポーツとしてルールだけを説明できるインストラクターではなく、ピックルボールの魅力である奥深さや、交流を生むソーシャルスポーツとしての可能性を語れるインストラクターを育てることです。
実際に今、我々のチームにいる日本代表レベルの選手が直接インストラクターを育てて、着実に増やしていっています。
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活動範囲が一気に広がった、Sansanとの出会い
2024年1月に、寺田代表を含め役員メンバーの方々がピックルボールを体験したいというお話を伺ったことがきっかけでした。
そのときに皆さん初めてプレーされましたが、とても楽しんでいるのが印象的でした。
そこから2024年4月に渋谷サクラステージで開催したイベント「Sansan Pickleball Challenge」へと繋がっていくので、ピックルボールに潜在する可能性を感じていただけたのではと思います。
ーSansan Pickleball Challengeは、商業施設の中で開催する日本で初めてのピックルボール体験イベント、さらにビジネス交流会への転用という点で大きな注目を浴びましたよね。その後も、国内初の事例を一緒に生み出してきました。
はい、今年は本当に多くの取り組みをご一緒させていただきました。
特に、ゴルフ大会やビジネス展示会へのピックルボールコート設置で、国内初の事例を生み出せたのが大きかったです。
ピックルボール界隈ではすでにSansanは力を入れている企業として知られていますし、Sansanのおかげで国内市場が大きく前進したと感じています。
今後もスポーツを通した企業ブランディングに活用いただきつつ、ピックルボールの普及に一緒に取り組めたらと思います。
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ピックルボールをどこでも手軽にプレーできる日本へ、そして幸せの選択肢の一つにしてほしい
ー熊倉さんは、ピックルボールと初めて出会う人をたくさん見てきたと思いますが、印象的だったエピソードはありますか?
そうですね、最近でもっとも印象的だったのは、Sansan Pickleball Courtで初めてピックルボールに触れてから夢中になり、よく一緒に練習をするようになった方が、私の会社ピックルボールワンに入社を決めてくれたことです。
その方は自身もプレーしながら、常にピックルボールの研究をしていて、プロ選手や戦略、ラケットなどの商品、ピックルボールができる施設など、日本で一番と言って良いほど詳しくなった方で、弊社の商品販売をリードするポジションとして来てくれました。
ー当社が行った取り組みから人生を変える出会いがあったとは、感慨深いです!
では最後に、今後の展望を教えてください。
今後の展望は、日本中どこでも手軽にピックルボールができるようにすることです。
海外ではプレーヤーもコートもどんどん増えて、やりたいと思ったときにいつでもできる環境が整いつつあります。日本では体験できる機会がそこまで多くありません。
まだピックルボールをよく知らない方にも、興味はあるけどやったことがない方にも、ぜひ気軽にSansan Pickleball Courtに参加してもらい、まずは一度プレーしてみてほしいです!
ー熊倉さん個人の目標はありますか?
起業を決めたときの初心を忘れず、自分が今一番貢献できるツールであるピックルボールで、周りの人やスポーツ文化に良い影響を与えたいですね。
ピックルボールと出会ったら幸せになれる人って、まだまだいると思うんです。
他のスポーツを含め幸せになれる選択肢はたくさんあります。しかし、ピックルボールにはピックルボールだけの魅力があります。
幸せに出会える選択肢が一つ増えて、さらにそれが年齢やスポーツの得意不得意に関係なく、誰でも簡単にできるスポーツであること、そこに私は大きな可能性を感じています。
多くの人がピックルボールと出会える機会を生み出して、その人の人生が前向きに変わる瞬間をこれからもたくさん見届けていきたいです!
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ーインタビューは以上です!ありがとうございました!
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