SansanプロダクトマネジメントでのNotion活用術[1] 運用定着のために誰が担当すべきか?
Sansanプロダクト室PMOの尾部です。プロダクトオペレーションを担当しています。今回はSansanプロダクトのプロダクトマネジメントで、Notionをどのように活用しているか連載して紹介します。
自己紹介
私はSansan(PC・Mobile)、Data Hub、データ戦略、名刺メーカーのプロダクトマネージャーが所属する組織で、プロダクトオペレーションを5年間担当してきました。日本ではまだ馴染みの薄い「プロダクトオペレーションとは何か」については、後日詳しく書きたいと考えています。
参考:プロダクトオペレーションがわかる本
過去の私のインタビュー記事です。
Sansanプロダクト室でのNotionの利用目的
Sansanプロダクト室は2022年1月から2年間Notionを利用しています。
主に以下の目的で利用しています。
Wiki(マニュアル、仕様書、資料集)
プロジェクトマネジメント
プロダクトバックログ
タスク管理
目標・成果管理
議事録・レポート
これらの運用をConfluence、JIRA、Google Document / Slide、Trello などから移行しました。
これらの機能は他のツールを利用
Notionが得意としない領域は別のツールを利用しています。
Slack:チャット、フロー情報。ドキュメントに対するコメントはNotion上に残します。
Box:ストレージ。動画を置いてNotionからリンクさせています。
Google Spreadsheet:Notion以外のデータとの突合、ピボットテーブルの利用やグラフ作成。
Figma:デザイン・コンポーネント。
Notionの運用を成功させるために誰が担当すべきか?向いていない人は?
Notionを運用を成功させるためには、当然ですが、社内のNotionユーザーがNotionを使い、データを入力・更新を徹底する必要があります。そのためには、Notion自体の設計、運用設計、そして周知徹底が重要な要素です。全てを一人に任せる必要はありません。各々が得意な部分を担当し連携しても良いでしょう。では、どんな知識や経験、スキルがある人に任せる必要があるのでしょうか?
1. 運用に適したテーブル構成・情報構造を作る知識がある人
社内のNotionユーザーが理解できる、シンプルな設計になっていることが重要です。
担当すべき人:
システムのテーブル構成やリレーションを理解しており、どのような構成がシンプルで拡張性があるかを把握する能力がある人にNotionの設計を任せることをおすすめします。私の場合はシステム開発の経験はありませんが、前職でSaaSのSEとして様々なシステムのデータ移行をしてきた経験から得た、テーブル構成やリレーションの知識が役立ちました。
Notion社の担当者と最適な利用方法を相談できた方がよいでしょう。私の場合は、自分で考えて構築し、後から落とし穴に気づいて後悔した経験もあります。別の機会に書きます。
向いていない人:スプレッドシートの列に異なる情報を入力しても気にならない人や、類似のファイルを大量に作成してしまう人は、複雑な設計にしてしまう可能性があります。
2. 運用に適した業務プロセスを作る知識がある人
社内のNotionユーザーが業務に沿って、データを入力・更新・閲覧できる必要があります。ユーザーが業務に沿っているだけで、Notionにデータを入力する状況を作る必要があります。
担当すべき人:
社内のNotionユーザーの業務を理解しており、業務プロセスを考え、システムをいつどこで使うのかを同時に考える能力がある人に、Notionを使った業務プロセス検討を任せることをおすすめします。私の場合は現職でPdM経験があることや、前職でSaaSを導入する際の業務改善・プロセス提案の経験が役立ちました。
どのフェーズで何をするのか、どのトリガーで何をするのか、他のツールや他部署との連携プロセスもイメージして構築するスキルが必要になるでしょう。
向いていない人:業務理解がない人や、業務効率化の意識が高くない人は、運用に合わない設計をしてしまう可能性があります。
3. 運用を成功させる周知徹底でき、リーダーシップがある人
社内のNotionユーザーが、徹底してデータを入力・更新・閲覧する必要があります。個人の自助努力に任せてはいけません。
担当すべき人:
人事評価をするマネージャーが「必ず運用を成功させる」と意志を持って周知徹底することをおすすめします。
変化が苦手なメンバーからの反対意見にも、理路整然と説明して協力を得るスキルが必要です。
向いていない人:声が通らない人です。前職のお客様の運用に乗らなかった例は、業務設計や旗振りをシステム管理者(情報システムやアシスタント)だけに一任するパターンでした。
以上を踏まえて、Notionの設計、業務設計、周知徹底をお任せする人を決め、運用定着を成功させましょう。
次回から、「今日から使えるプロダクトマネジメントでのNotion活用術 -DB編-」を連載します。
私達がNotionの運用を成功させるために、どんな設計をし、どんな業務プロセスにし、どう周知徹底してきたかも併せて説明します。
SansanプロダクトマネジメントでのNotion活用術シリーズ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?