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理想郷

浦島太郎はとても大切な事を教えてくれる。

昔話、寓話、絵本を馬鹿にしちゃいけない。

太郎は竜宮城に長居して、すべてを置き忘れてしまった。そして玉手箱だけが残った。


もし僕が太郎なら、どうした方が良かったのか?


亀をほっといて、いつも通り釣りを楽しめば良かったのか?

助けた亀に遠慮して、竜宮城行きは断れば良かったのか?

海の底を終の住処とすれば良かったのか?




きっと、客人は早めにお暇するのが最適解だろう。

そうすれば、竜宮城は楽しい思い出となり、この世もさほど変わっていない。



つまり、理想郷としての『まほろば』は長居無用と云う事だ。






キンモクセイ色の夢の中で、僕はこんな事を考えていた


そして甘美な冒険が始まらないまま、目覚めの刻を向かえた


僕はそっとこの世界に目配せする

またね、さようなら 

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