となりの沼はメロい
本多大夢さんのオタク界隈が最近、大変賑やかだ。
インスタに毎日のように動きがあり、その都度、ファンたちを狂喜乱舞させている。特に西山くんと2人で歌う平井大さんの「また逢う日まで」のカバーはシチュエーションも含め大変にエモくて良い。猫眼三兄弟のメンバーが大好きなわたしもありがたく恩恵にあずかっている。
最近ようやく落ち着いた気持ちでタイプロ最終審査のエピソードを見返すことができるようになった。「RUN」の冒頭ロイくんの神がかった歌い出しは何度見ても心を掴まれるし、中盤の本多大夢さんが猪俣くんを抱き寄せるシーンは毎度気を失いそうになる。それでも、わたしは最終審査でロイくん本多くんが揃って新生timeleszのメンバーに選ばれなかったことに、どこか安堵してしまった側だ。
わたしにとって本多、西山、ロイくんの猫眼三兄弟は、推し活で一番苦しんでいた昨年のクリスマスシーズンにわたしを支えてくれた、他ならぬ救世主。崩れそうになるたびに彼らの「Idol」を繰り返し見て聴いて、立ち上がってきた。オーディション番組の本番映像も完璧で究極なアイドルで大好きなのだが、スタジオでのクリスマスバージョン、親密で打ち解けた雰囲気の中、仲の良さ全開のわちゃわちゃしたかわいいアイドルもたまらない。あれほど人を無条件に幸せにしてくれるパフォーマンスはそうはないと思う。これから毎年クリスマスが来るたびに、わたしは猫眼のアイドルを感謝しながら聴くのだろう。どんな形であれ、いつまでも仲良しの3人でいてほしいし、できることならまた3人そろっての活動も見せてほしい。
今となっては本当に、双方に大変失礼極まりなく土下座したいほどだが、4次審査の結果発表直前、鈴木凌さんが落選するかもと一部で囁かれていたとき、極限まで追い詰められていたわたしは本多大夢さんに推し変しようかと心の準備を始めていた。保身に走ったのだ。
本多さんは3次審査「MONSTER」のYELLOWチームで、GREENの鈴木凌と同じCパートを務めていた。このときの本多・前田(大翔)シンメは、先に配信されたGREENの鈴木・橋本シンメと同じくらい最高だったし、特にCの両人のパフォーマンスにわたしは強く惹かれていた。配信の順番がもし逆だったら、わたしは今頃、熱烈な本多担だった可能性もなくはない。
本多くんは当初から、歌、表情も含めた表現力の豊かさでは群を抜いていたし、何より、プライドの高い美人はわたしの大好物だ。4次審査「Purple Rain」の中間発表後に、菊池風磨さんはじめ審査員の誰からもコメントをもらえなかったことに対して「申し訳なさと不甲斐なさ」で「やってらんないですね、自分が」と言い切った姿には心から痺れたし(あんな高貴なお猫様を瞬時に手懐けた菊池風磨さん、本当に恐ろしい人)、審査結果発表後、落選してしまったチームメイト北林くんとのお別れのシーンで、何を考えているのか想像することすら許さないような完璧な無表情からの、そっぽを向いたあとにこぼれ落ちた涙の美しさよ…!(あの涙の結晶を今からでも拾いに行きたい)。わたしは生涯、あれ以上に清麗な涙を目にすることはもうないと思う。この人を生半可に推してはいけない、来世も出会わせてください、必ず全力で推させていただきます、とそのとき心に固く誓ったのだった。
そんな本多大夢様の大盤振る舞いともいえるインスタ供給に、そちらの沼に落っこちないよう細心の注意を払いながら、日々潤いをいただいている。感謝感謝。
振り返って、我が推し、鈴木凌さん。SNSには、今のところほぼ週一勤務。超ホワイト企業のOLさんか。それでも成果をちゃんと叩き出しているから、超有能な営業マンなのかもしれない。そもそもわたしは、鈴木凌インスタ投稿一発目の各方面への挨拶文も、未だ消化できていない。パンチラインだらけで処理が追いつかない。二発目のバレンタインデーの激甘な画像も、中毒性が高すぎて困り果てている。3日に一度、15秒までという自分で決めた容量用法を守って摂取しないと、時間が無限に溶けてしまう。これで公式ファンクラブなんて開設されて、純度100パーセントの鈴木凌情報が放出されたら、わたしのCPUで対処できるのだろうか。もはや恐怖でしかない。
だから今は供給が少なくても全然平気だし、平和で何よりだ。むしろ、これまでもらったメッセージの中から「たっくさんの愛」とか「お待たせしましたっ」とかの小さな「っ」を丁寧に拾い集めて台紙に貼り付けながら、これ30個集めたら何が貰えるんだろう、大きな「つ」の形をしたお皿とかだったら困るな、などと想像するのもまた幸せな時間なのだ。