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#115 相模国分寺跡隣接地高層マンション建設問題が争点にならなかった 誰が得をしたのか?

 今年の4月に実施された神奈川県議会議員選挙の際、立候補者は相模国分寺跡隣接地高層マンション建設計画に異議を唱えていた。選挙カーは相模国分寺跡付近を走りながら、「この景観は守られなくてはならない」と力説していた。

 ところが、海老名市の市長選挙と市議会議員選挙が公示されて3日目になるが、相模国分寺跡隣接地高層マンション建設問題に触れる立候補者はほとんどいない。「明和地所は建設計画を大幅変更することになった」と新聞報道がされた以上、この問題に触れる必要がなくなったという判断だろう。
 今まで、相模国分寺跡隣接地高層マンション建設反対と明言することのなかった内野市長・市議会議員、そして、住民からの陳情に反対した市議会議員、彼らは、国分寺跡隣接地高層マンション建設問題が大きな争点にならなかったことでホッとしているだろう。

 大きな争点にならなかったという点で安堵しているのは明和地所も同じだろう。建設問題が大きな争点となったら、連日のように明和地所の名前が表に出て、この問題が海老名市中・神奈川県中に知れ渡ってしまう。企業イメージはますます悪くなり、たとえマンションが建設されても購入者は少なくなる。このことは、東京の国立市で明和地所は経験済みだ。
 
 相模国分寺跡隣接地高層マンション建設問題が大きな争点にならなかったことで、政治家と明和地所の双方にメリットがあった。
 これが、争点隠しという人為的なものであったとしたら大きな問題となる。
 相模国分寺跡隣接地に高層マンションが建設されることを知った海老名市民は言うだろう。「何故、市長選挙や市議会議員選挙で話題にならなかったの? 知っていたら、海老名市民としての1票が変わっていたのに!」

 このような声が選挙が終わった数週間後に聞かれるかもしれない。

(23.11.7)


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