#140 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑫ 景観への不理解を自ら明白に
3階建て以下しかない住宅地に高さ43メートルの14階建てマンションを建設するという。住民・市民でなくとも、その突飛で異常な発想に驚く。
景観の視点から違和感があると訴える人々に、何ら違和感はないと明和地所の担当者は説明会の場で明言した。その姿勢に住民・市民は驚いた。
この計画を仕事として推進するためには、指摘された違和感を認めるわけにはいかない。担当者は、そういう辛い立場なのだろうと良心的に解釈はしていたが、違和感はないと主張する姿勢を「企業の姿勢」として捉えるしかない。言葉というものは一定の重みがあるのだ。
つまり、明和地所は、3階建て以下がほとんどの住宅地に高さ43メートルの高層建築物を建設することに違和感をもたない企業だということを明言したのだ。私達の会社は景観に配慮をしている。しかし、広々とした公園の隣接地に43メートルの高層建築物を建設しても景観は損ねないと主張する企業なのだ。明和地所が捉えている違和感・景観とはその程度のものだということを明和地所自らが明白にした。
住居空間・環境が快適であるといった内容のキャッチコピーをいくら並べていても、もしかしたら一般感覚とズレている企業かもしれない。真実を隠しているかもしれない。言っていることが信頼できなくなる。そういう不安があったら私たちは物件を購入することはできない。
客・購入者が不安に陥ろうとも、建設することに意味がある…とでも。
そんなものなのか。
企業とは何か?
◆利益を追求する。
◆人々に幸せ(利益)を提供する。
◆健全な社会を構築する(町づくりの視点、芸術・文化・スポーツ等への貢献、SDGsの取り組み)。
企業というものを考える際、少なくともこの3つの次元はあろうかと思うが、明和地所は利益追求の1次元のみの企業のようで、他のことには無関心である。ここに断定的な記述をしたが、このことは私や住民・市民の憶測ではなく、3度にわたる住民説明会で明和地所自らが表明したことだ。
企業体質はなかなか変わらないもの。明和地所という企業への不安が住民・市民の間で広がっている。
(24.6.5)