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#33 説明会報告② 市民の意見に対する明和地所の回答 2/2
「私たちは事業としてやっているのです」
明和地所の担当者は言葉に力を込めて言い放った。
説明会では参加の住民から多くの質問や意見が出た。それらに続いて女性が発言した。
「相模国分寺跡史跡は市民の宝なんです。いや、海老名市の宝なんです。神奈川県の宝なんです。国の宝なんです。その宝を私たちは守ってきたんです。どうか、そのことを御理解ください」
この発言に対する明和地所の担当者の発言が冒頭のものである。その発言に関する補足説明はなかった。
冒頭の発言により説明会会場は一瞬静まった。その沈黙の意味するものを推察すると以下のようなものだったのではないかと思う。
△ どういう脈絡?
△ だから何? その補足説明が次にあるんだろ。
△ エッ? それで終わり? 何なの、それ?
△ 史跡は大切なんですというような感情論は無意味だと言いたいのか?
△ 随分と幼稚な発言だねえ。
△ 事業って何だ? ただ金儲けをしたいだけじゃないか。
△ 説明も反論もできないから逃げているだけ。
このような空気(受け取り方)が会場に漂った。
3回開催された説明会の中で、明和地所の担当者は何度となく冒頭の発言をしている。そう発言すれば参加者の発言を封じ込めることができると思っているのかもしれない。相手は諦めるだろうと。恐らく、担当者には成功体験があるのだろう。
しかし、参加者は反論できずに黙ったわけではない。発言の意図が理解できず、宙に放り出されたから一瞬黙っただけである。
一瞬の沈黙の後、再び参加者からの発言が始まった。
参加者は黙らなかった。
その後、「私たちは事業としてやっているのです」という担当者の発言がいかに空虚なものであるのかが、次々と示されていった。
(22.10.5)