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#146 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑱ 企業イメージの悪化を恐れた

 3回にわたる住民説明会で様々なことが明らかになった。それは、実は明和地所は相模国分寺のことを詳しくは知らなかったことなど数多くあるが、明和地所自身も3回の説明会を経て、ようやく理解することができたこともあるようだ。

 明和地所の担当者が3回の説明会で、ようやく理解したことは以下の数点だ。
 ⚫相模国分寺の歴史的史実。
 ⚫相模国分寺跡は住民・市民が守ってきた土地であること。
 ⚫あの場所に大型建築物をトラブルなく建設することは困難であること。
 ⚫建設反対を押し切ってマンションを建設しても、半数程度しか売れず、分譲から賃貸に変更せざるを得なくなるであろうこと。
 ⚫結果、大きな利益を上げることは困難であること。
 ⚫利益を上げるどころか負の建築物として全国的な話題になり、後々までも住民・市民、そして国民からの不満の声が出続けること。
 ⚫その結果、明和地所に対する企業イメージはますます悪化するであろうこと。

 詰まる所、明和地所は企業イメージが悪くなることを恐れた結果、建設を断念したと推測している。実際、このブログを書く際に取材した数名から、「第3回住民説明会が終わった頃から、明和地所の担当者から『企業イメージの悪化を心配している』という発言が出た」と私は聞いている。
 東京国立市で完成間近のマンションを解体することにした積水ハウス。「検討に不十分な点があった。当社としてあるべき姿ではない」と言った。これも企業イメージが悪化することを恐れた経営判断であろう。
 その積水ハウスは、平塚海岸の自然を破壊してリゾート施設を建設しようとしている。「あるべき姿」とは何か? と大きな疑問が残るが、国立市と異なるのは、平塚海岸の件は積水ハウス単独の計画ではないという点だ。だから企業イメージの悪化・低下を分散することができるのだ。

 開発には破壊を伴うこともある。そのプラス・マイナスのバランスの中で企業は利益追求をする。そのバランス感覚を住民・市民は見抜いていかなければならない。

(24.9.1)



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