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プロジェクトS 社員FILE001-5「細胞培養の世界が変わる!CiRA_F様との共同研究」
5回に渡り紹介をしてきた新規事業開発の特集。
失敗と挫折を乗り越えて、新しい分野への挑戦をつづけてきたサンプラテックの神髄。
前回までに宇宙での再生医療関連実験へと発展を遂げました。
現在も続く挑戦と新たなプロジェクトへの参画について、まとめを含めお話を伺いました。
(企画開発本部 商品開発部エグゼクティブフェローの桑原順一さんより)
1.my iPSプロジェクトへの参画
インタビュアー:
前回お伺いした「社会の期待度が大きな話」とは何でしょうか?
桑原:
はい。
「プロジェクトS Vol.004」で紹介したマイクロチューブポンプシステム。これがご縁で、「my iPSプロジェクト」として閉鎖型自動培養装置の開発を目指している公益財団法人 京都大学iPS細胞研究財団(※1)様との共同研究につながりました。(以下CiRA_Fと表記)。
インタビュアー:
なるほど。my iPSプロジェクトのことだったんですね。
桑原:
マイクロチューブポンプシステムを使っていただけることになった際に、業務執行理事/研究開発センター長の塚原正義先生にお会いしました。
忘れられないのが、塚原先生にいただいた「楽しみですね、細胞培養の世界が変わる」というお言葉です。
その際に、マイクロチューブポンプシステムの件とは別に、従来の培養容器、技術をどう生かすかではなく閉鎖型自動培養装置のための容器、周辺技術を新たに作れないか?というお考えを聞いて、その時はもう開発魂というんですか?ゴゴゴゴゴと一気に燃え上がりました。先生は凄いモチベーターだなとつくづく感心してます(笑)
(※1)京都大学iPS細胞研究財団
主な事業としてiPS細胞を製造・品質評価・保管し、iPS細胞を用いて再生医療の研究開発を推進している研究機関や企業にiPS細胞や関連技術を良心的な価格で提供している。my iPSプロジェクトでは、iPS細胞の製造コストを抑えることを目的に、複数の企業との共同研究で閉鎖型自動培養装置などの開発を目指している。
2.開発中の独自ソリューション技術
インタビュアー:
燃え上がった開発魂は今どういう状態ですか ?
桑原:
2021年に当社の開発メンバーが増えまして、少人数ながら設計力の強化に加えて流体制御、培養実験など必要なスキルを持ったメンバーが揃いました。太い薪を数本くべてもらったので、きっとこれからも長く燃え続けることができるでしょう。
その新生開発チームで、血液から閉鎖的にiPS細胞の原料成分だけを次工程に送るユニット、閉鎖的にiPS細胞を樹立するユニット、ユニットに使うメディカル対応のミニバッグ、それらを無菌的につなぐ無菌接合コネクタなど、色々な独自ソリューション技術を今まさに開発しています。
インタビュアー:
いずれも開発途中ですが、展示会やHPで情報を公開していますね。
桑原:
CiRA_F様と取り組んでいるのは閉鎖型自動培養に必要な技術や資材開発ですが、ここで生まれた技術はmy iPS事業に限らず応用が可能なものです。
内容次第で特注対応もお受けする方針ですから、あえて公開しています。
開発製品①「閉鎖型 単核球分離システム(PAT.P)」
![](https://assets.st-note.com/img/1730277846-umB5erSvZVqxTh0kItCc1GQY.jpg?width=1200)
開発製品②「閉鎖型iPS細胞樹立コンテナ(PAT.P)」
![](https://assets.st-note.com/img/1730081763-zsgES9XOCpMW2tZB3KRTUf87.jpg?width=1200)
溶存酸素(培養液のCO2濃度)をコントロールするガス供給室内蔵の、灌流培養用コンテナ
浮遊細胞が灌流培養で流れ出ないように工夫されています。
開発製品③「プランジャーカバー付 無菌シリンジ(PAT.P)」
![](https://assets.st-note.com/img/1730084361-DJLNy1jXuletnKbdrRGc4Ysw.jpg)
細胞培養や医療の現場で、高度な無菌性担保、感染症対策が必要な際に活躍します。
シリンジの後端開口部をジャバラ式カバーで閉鎖した状態で滅菌済。そのまま閉鎖を保ってプランジャーを上下動することが可能です。
開発製品④「ガスバリア、メディカル対応素材で生産する小容量バッグ」
![](https://assets.st-note.com/img/1730425613-KOrjYhsleW3JI5u1GqvCdFMN.jpg?width=1200)
開発製品⑤「バッグ用メスルアースパウト」
![](https://assets.st-note.com/img/1730083902-DYXu2A13cG0ixyQlNFMUw9E8.jpg?width=1200)
既製のオスルアーコネクタが適合するので、このスパウト1つで、様々な直径のチューブを接続可能です。
開発製品⑥「無菌接合コネクタ/無菌接合コネクタ用ウェルダー(PAT.P)」
![](https://assets.st-note.com/img/1735112216-Nnt3glTAH05DpoULJZmC4qch.jpg?width=1200)
※写真は完成イメージです
インタビュアー:
これらの技術が、再生医療の社会実装に少しでも役立てば嬉しいですよね!
桑原:
はい。
お陰様で近年は再生医療産業に関わる企業様、研究機関様、大学様から、お仕事の依頼が絶えません。開発ネタを求めて研究室をさまよった〝シェルディッシュ時代〟と現在の開発環境を比較すると本当に感慨深いものがありますね、有難いことです。
インタビュアー:
ロングインタビューになりましたが、最後に一言あればお願いします。
桑原:
ガラス製があたりまえだった実験器具をプラスチックで製造してきたサンプラテックですが、「あたりまえを見直す」「アイデアをカタチに」この姿勢だけはミャクミャクと引き継いでいきたいですね。
「Platineアイデアラボ」の方も、どんな展開になっていくのか楽しみにしています。
より本格的に開発をしてみたい方は、商品開発部の扉を開けてお待ちしております。
インタビュアー:
ありがとうございました。
![](https://assets.st-note.com/img/1730356174-DnjTAPdfqLhCG0aB7YEeXsgm.jpg?width=1200)
プロジェクトS Vol.001~005では、サンプラテック商品開発部の現場から、リアルな開発ストーリーを聞いてきました。いかがでしたか?
*研究者のお悩み・アイデア投稿サービス「Platine(プラティーヌ) アイデアラボ」のご利用お待ちしています。