こんなインタビュアーは嫌だ!
〜佐野創太さんのインタビュー&ライティングノウハウをコンテンツ化しようプロジェクトVol.1-2
様々なメディアの編集長として活躍されている、佐野創太さん。現在、「最高の会社の辞め方」・退職学プロジェクト」の発起人・編集長、
「社員シェアリング、副業紹介プラットフォーム『Tonashiba』」編集長、その他多くのメディアで編集長として活躍されているだけでなく、ケースによっては編集長を超えて幅広く活躍されています!
佐野さんは、なぜ、編集者として多くのメディアからひっぱりだこなのか。
なぜ、編集というお仕事をしていて、どんな意義を感じ、どんなノウハウを持っているのか。
インタビューを通して、佐野さんの人物像にせまりながら、佐野さんの持つインタビュー&ライティングのノウハウを明らかにしていきます。
*Vol.1-1では、●記事にまとめるときに大切な3つのコツ●今の時代に聞き手がいる意味!についてお話いただきました。
https://note.com/atsuko_ihara/n/n735b0a967ef6
*インタビュアー:弘(石丸弘)、伊原(伊原あつこ)
こんなインタビュアーは嫌だ!
弘:こんなインタビュアー嫌だ〜というのをちょっと出したいな。
「一言でいうと?」とかいきなり聞いてくる人は俺は苦手だなと思って。
佐野:なんかまとめ始める人っているんですよ。
そういうのは、話し手からすると、つまんないなって思うんですよ。
「仕事で来てんな」みたいに感じる。
いやいや原稿をつくりに来たということが透けて見えちゃう。
伊原:まとめ始めるって、どんな感じですか?
佐野:極端にいうと、「残り時間も少なくなってきたので」とか言っちゃう人。
伊原:私毎回言ってる!
佐野:だんだん焦り始めている人がいるんですよ。
時計をなんとなく見ようとしているみたいな。え〜とかいいながら。
終わらせようとしている感じが伝わってくる。
伊原:聞き手もそういうところが気になるんですね。
佐野:あと、やたら解釈はさむ人とか。「こういうこと言わしたいんだね」みたいな。
音楽やファンビジネスに多いのが、やたらファンの方にいいことを言わせようとするケース。
「ああ、それはつまりファンの方のことを思ったんですね〜」みないに、すぐそっちに持っていこうとする。
伊原:それは、私結構な頻度でやってそうな気がします!
弘:解釈とかまとめ挟んでも、「そうそう!」っていうのはいいのよ。
でも、「そうじゃないんだ〜。」というときの微妙な空気。
佐野:以前編集長をしている人に言われたのは、特に若いミージュシャンのインタビューする人に多いといっていたんですが、心配しすぎちゃうっていってました。
音楽とか芸術家の人は特に、感情の起伏が激しかったり、繊細だったりするんですよね。
だから、さらっとインタビューの中で「このとき、死のうと思ってたんですよ」みたいなことを言っちゃう。
そのときに、そのままファン意識で、「えっ、大丈夫ですか」って聞いちゃうんですよ。
そうすると、「心配されたから、やめよ」って思っちゃう。
だから、「死にたいと思ったんですよ」といったときに、「あ、そうなんですね」ってさらっと言った方がいいんですよ。なんなら、インタビューなんだから「なんでそこまで思ったんですか」って聞かなきゃいけない。
心配じゃなくて、興味を持たなくちゃいけないんですよね。
話し手の人の感情の水をこっちはでっかいコップで受け止めなくちゃいけないんです。すぐに溢れちゃう人がいるんですよ。あ〜、もう溢れたみたいな。
伊原:「話し手の感情の水をでっかいコップでうけとめる!」私のコップは小さ過ぎです(笑)
佐野:インタビューの性質にもよるんですけど、ミュージシャンの人や芸術家のような内面を聞くようなインタビューだと、今日しゃべっていたような内容は割と当てはまるかなと。
ビジネスの場合はまたちょっと、変わってくる。
だから、追いかける指標が、インタビューの性質によって違う。
自分の得意なインタビュー領域を見つける!
佐野:伊原さんは、人の内面を掘っていくようなインタビューが、向いているというか、得意そうな感じがしました。
自分の得意なインタビュー領域を見つけちゃうのが早いんですよね。
ジャーナリズム系だったら、テクニックとして、怒らせて本音をしゃべらせるみたいなのがあるんですよね。
わざと解釈を間違えて、「そうじゃないんだよ、こうだよ」って言わせるみたいなのがあるんですけど、あれはちょっと違う心臓の使い方です。
弘:そうだね、それはそれで得意な人はいそう。
佐野:喧嘩するのが得意な人はそっちが向いているんですよね。わざと、怒らせるみたいな。
「Aなんですよね〜。」と言われた時に「Cなんですね〜」といって「だからAって言ってるだろう!」という感じで、わざと引き出すみたいなことをします。
弘:でも、結局、インタビューする相手の性質をつかんでいるかどうかもあるよね。
佐野:もちろんそうです!人間観察が9割なんです。インタビューは。
「人は普通こういう風に動くよね」っていう、社会心理学的なことを知りつつも、一方で「人って、一人一人全く違うよね」と個別化できる人の方が絶対インタビュアーには向いてます。
属性でまとめきれないものがあるよねって、思っている人の方が。
女性って、こういうこと考えるよねとか、男性って、こうだよね。みたいなのを本当に信じている人だときついんですよね。
〇〇さんはこう考えますよね。という風に考えられる人。
かけがえのない一人の人だよねって思えている人の方が、内面系のインタビューの場合は絶対にいいっすね!
話が苦手な人の方が、聞き手としてはうまい!
佐野:いい聞き手になりたい!みたいなコミュニティを作ってもいいかもしれないですね〜。
弘:そうだね〜、そしたらどんどん入ってくれるし!
佐野:最近youtubeが人気なんで、話し手になる方がニーズ的には増えているんですけど、
学校でディスカッションの勉強をしていないんで、たいていの人が挫折するはずなんですよね。
さらに今、芸能人が入ってきているんで、割とyoutube飽和気味なんですよ。
そうなってくると、話すのってつらいねってなってきたときに、聞くっていうのはあるよね。
伊原:なるほど、話すのがつらいからこそ必要になってくる聞き手。
佐野:そうそうそう。話したい人が増えているってことは、聞いて欲しいわけで、聞き手のニーズが高まっているんですよね。
佐野:話が苦手な人の方が、聞き手としてはうまいんですよね。
僕が風邪ひいてて、熱があったときのインタビュー、すごい良かった時あるんですよ。
それは喋る余裕がなかったから。「へ〜そうなんですね〜。」しか言えない。
弘:結果いいものが出てきたみたいな。
佐野:結果やたらしゃべってくれたみたいな。
だから、ほんと伊原さんのその感じがいいんですよ。
「これって3つの解釈があると思うですけど、ABCでいったら、Bですか?」みたいな話は絶対にしないんですよ。
「そうなんですね。と面白い!」みたいな感じで言ってくれるんで、こっちとしては「うけてるな!」みたいな。「このままでいいんだ」みたいな安心感がすごいんですよね。
判断されていないというか、評価されていないみたいなところが、すごく僕は心地がいいです。
弘:そうひたすら、好奇心を感じるよね。
佐野:そうなんですよね。それすごいんですよね。なかなかできないんですよ。
伊原:この領域、No知識だからということもありそうです。
佐野:それがいいんですよ。No知識専門のインタビューアになったらいいんですよ。
「伊原さんとしゃべると、これまで全然リーチできていなかった人に、届けられるかもしれない」みたいなブランドになるかもしれないし、
「わかりやすく伝えたい。でも伝わっているか不安。」みたいな人専門でもいいかもしれない。
*Vol.1ー3に続くhttps://note.com/atsuko_ihara/n/ne84042030b07
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