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我が家のイギリス旅行記#06 ロンドンの朝ごはん

2024年の夏休み、家族で出かけたイギリス旅行の思い出をここに記す。
ここでは、ロンドン滞在中の朝ごはんについてまとめておく。


食に対するこだわりが強い、ということはない。
人気の店をめざしてわざわざ遠出するとか行列に並ぶとかいうタチではまったくない。

それでも、イギリス滞在中の食事については事前リサーチをことさら入念に行なった。
貴重なロンドンでの時間をムダに浪費したくなかった。
優柔不断な性格ゆえ入るべき店をなかなか決められず、時間だけがどんどん過ぎていく。
そんな事態だけはなんとしても避けたかった。

とくに朝食は、観光のスケジュールをギチギチに詰め込んでいるから、その場で探したり迷ったりしている時間など1分たりともない。
私は出発までにホテル周辺、バービカン、ファリンドンといったエリアで朝食をとるためのお店をいくつかラインナップしておいた。

BEPPE'S CAFE

第2日(8月21日)

ロンドン最初の朝、いちばん気になっていた店をめざす。

セントバーソロミュー教会前の路地をゆく
スミスフィールド・マーケット

スミスフィールド・マーケットは肉市場で、ロンドンで最も歴史のある市場のひとつだそうだ。
古いロンドンの町の境界域に位置し、かつては公開処刑場があったり、見世物小屋など娯楽施設が並んでいたりもしていたらしい。
日本でいえばかつての品川であり南千住であり両国でもあり、という感じ。
私にとって好ましい下町風情が、今もこの町には残っているように思われた。

前夜訪れたBishops Finger 朝のすがた

スミスフィールド広場の一角に目的の店があった。
「Beppe's Cafe」というお店。

マスターが厨房を守り、おかあさんがパンまわりを管理しながら店全体を見守っている。
注文を取りにくるホール担当の女子と、コーヒーまわりおよび決済を担当する兄貴がこのご夫婦(それすらも推測でしかない)の子供なのかどうかはわからないけれど、いかにもアットホームな雰囲気の小さなカフェだった。

店内には2~4人がけのテーブル席が6卓ほどあり、店のなかほどのいちばん広いテーブル席が空いていた。

お客はわりと頻繁にやってくる。
テイクアウェイの地元客が多いように思われる。
Googleマップクチコミでは「店の向かいにあるホテルの宿泊者は、朝食はここ一択だ」という書き込みが見られた。
そのわりに、観光らしきお客はあまりいないようだった。

BREAKFAST
- #2 EGG,BACON,SAUSAGE,BEANS & BLACK PUDDING 9.00
- #4 2 EGGS,BACON,2 SAUSAGE & HASH BROWNS 9.50
BREAKFAST IN BREAD
- EGG,BACON,SAUSAGE /SANDWICH 5.00 ×2
LATTE 3.00 ×3
FLAT WHITE 3.50
Total £40.50

さて、料理が出てきた。

SANDWICH
BREAKFAST #2

うまい。
ソーセージが明確にうまい。
日本で食べているものと違う。
ベーコンはちょっとしょっぱいが、これはそういうものなのだろう。
私は「スミスフィールド・マーケット界隈の店では肉を食べておけば間違いない」という仮説を勝手にたてていたが、それはまったく正しかったようだ。

そのほか、家族からも
「(サンドイッチの)パンがうまい」
「ハッシュブラウンがうまい」
など、高評価が続々と寄せられた。

FLAT WHITE

コーヒーもたいへん美味しかった。
ラテも良かったが、FLAT WHITEが秀逸だった。
ラテよりもコーヒー寄りの味で、そのコーヒーっぽさが好ましかった。

フラットホワイト(英: flat white)はオーストラリアやニュージーランドで一般的なエスプレッソベースのコーヒーである。

カフェ・ラッテやカプチーノと比べるとフォームの量が少なく、エスプレッソ版のカフェ・オ・レとも言える。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88

たらふく食べて呑んで、お勘定。
会計担当のイケメン兄貴に「おいしかった、明日また来ます!」と伝えた。
しかし彼は無反応だった。
私の英会話はまったく通用しないようだ。

(8:35-9:25)

第3日(8月22日)

次の朝も、Beppe's Cafeに出かけた。
こんどはいちばん奥のテーブル席に陣取り、カフェの全体を見渡しながら朝食をたのしんだ。

家族にはふだん朝食をヨーグルトで済ます人、リンゴ1個とパン1切れで済ます人などがいる。
前日はその2人がサンドイッチを1人前ずつ注文してしまい、食べ過ぎて昼ごはんが食べられないくらいだった。
なので今朝は2人で1人前をシェアし、ボリュームを調整した。

BREAKFAST
- #1 EGG,BACON,SAUSAGE,BEANS & FRIED SLICE 9.00
BEPPE'S BURGER
- CHORIZO,CHEESE,BACON,ONIONS,CHILLI 10.80
 COMES WITH CHIPS
BREAKFAST IN BREAD
- EGG,BACON,SAUSAGE &HASH BROWN /SANDWICH 5.50
LATTE 3.00 ×2
FLAT WHITE 3.50
COKE 1.50
Total £36.30

SANDWICH
BREAKFAST #1

こちらは昨日につづきイングリッシュブレックファスト。
black pudding でなく、flied slyceを試してみた。
やたら油っこいがプレーン味で、玉子とベーコンと組合わせると実によい。
ソーセージは今日も旨かった。

BLACK & BLUE BURGER

残りのひとりはハンバーガーにトライ。
これもうまかったそうだ。
ひとくちでも試してみたかったが、許可されなかった。
それほど旨かったということだろう。

唐突だが、職場の近くにランチが非常にうまい大衆割烹の店がある。
日替わり定食はメンチカツとかアジフライといった揚げ物とネギトロやブリなどの刺身の組合せにご飯と味噌汁、小鉢にお新香という感じの典型的な純日本風ランチで、味、ボリューム、価格どれをとっても100点満点の店だ。
世界中の人に「日本らしいランチを食べるならココ一択だ!」と紹介したいくらいの店なのだけれど、でももしあそこに観光客が殺到するようなことになったら、それはそれでどうだろうな。。と思ったりもする。

同じことが、このBEPPE'S CAFEにも当てはまりそうだ。
地元の人にとって最高のイングリッシュブレックファースト&コーヒーを楽しめるお店が、私たちのような観光客であふれるようになったら・・・
雰囲気ぶちこわし、地元のお客たちも嫌なのではなかろうか。
この店がいつまでも「地元の人たちに愛される下町のカフェ」であり続けてほしいと、(自分のことは棚に上げて)ただ願うばかりである。 

まあ、それはそれとして。。
とにかくうまかった。
いきなりロンドン朝食ランキング1位の店に出会えた気がする。

※あくまで個人の感想です。
私はまったく気にしませんが、「清潔感」という価値基準が重めの方には若干気になるところがあるかもしれません。

Beppe's Cafe 店舗情報

23 W Smithfield, London
Monday - Friday 6:30-14:00
Saturday & Sunday Closed

The Black Olive Cafe

第5日(8月24日)

ホテルのすぐ北側にあるThe Black Olive Cafeという店で朝食をとった。
ロンドンで最後の朝食は、ほんとうはBeppe's Cafeにしたかったのだけれど、あそこは土曜休みだから仕方ない。

若い女性スタッフに迎えられて店に入る。店内はこじゃれた感じ。
料理もボリュームより見た目重視という印象だった。ただこちらもボリュームを求める客でもないのでまったく問題なかった。

私たちがいただいたのはこちら。

ENGLISH BREAKFAST "GROWN UP" £14.00
PLAIN OMELETTE £8.50
EGG BENEDICT £14.00
SANDWICH/TUNA MAYO &SWEETCORN £10.00
FLAT WHITE £ 3.50
LATTE £ 3.50
ORANGE JUICE £ 5.00 ×2
Total £63.50

GROWN UP

The proper full fry up comes with free range egg,bacon,Cumberland Sausage,portobelio mushroom,beans,grilled cherry tomatoes,hash browns,served with 2 toast and butter
「きちんとしたフル・フライアップ。放し飼い卵、ベーコン、カンバーランドソーセージ、ポルトベリオマッシュルーム、豆、グリルしたプチトマト、ハッシュポテト、トースト2枚とバターが付きます」

“fry up”は、イギリスの朝食“the full English breakfast(フル・イングリッシュ・ブレックファースト)”のスラング的な表現。目玉焼きやソーセージやベーコンなど、たくさんのfryした(日本語的には「焼いた」に近い)要素がたくさんのったプレートなので、そう呼ばれるようになったようです。

https://www.swanandlion.com/english-breakfast-japanese/

EGG BENEDICT

toasted brioche buns layered with bacon,poached eggs drizzled hollandaise
「トーストしたブリオッシュパンに ベーコン、ポーチドエッグ、オランデーズソース」

PLAIN OMELETTE

Our OMLETTE are made from three free range eggs and choice of salad or chips
「オムレツは放し飼い卵3個を使用し、サラダまたはチップスをお選びいただけます。」

"Eat breakfast three times a day"

ロンドンではイングリッシュブレックファストばかり食べていた。
とても美味しかったし、これが最後と思うとさびしかった。
もっと食べたいくらいだった。

イングリッシュブレックファストについての有名な文句を、インターネット上でたびたび見かけた。

to eat well in England you should eat breakfast three times a day

Somerset Maugham

その文句に関連したちょっと気になる記事もあった。

Maugham had to be speaking in praise of the English breakfast, not against British cuisine. If calories and cholesterol weren’t a concern, the English breakfast really would be worth eating three times per day.
モームはイギリス料理に反対しているわけではなく、イングリッシュ・ブレックファストを賞賛していたに違いない。カロリーとコレステロールを気にしなければ、イングリッシュ・ブレックファストは本当に1日3回食べる価値がある。

https://www.bbc.com/travel/article/20150611-does-england-make-the-worlds-most-delicious-breakfast

「カロリーとコレステロールを気にしなければ」!

The Black Olive Cafe 店舗情報

23 W Smithfield, London
Monday - Friday 6:30-14:00
Saturday & Sunday Closed

Gate Grill Cafe

もう一軒、朝食で行きたかったお店があった。
ホテルのすぐ南側にある、これもまた小さなカフェ。

ずっと夏休み期間中で、残念ながら訪問は叶わなかった。
日本的な考え方かもしれないが、そのような営業でもやっていけている、という意味でやっぱりここは良い店に違いないと思った。

126 Aldersgate St, Greater, Barbican, London
Monday - Friday 5:00-15:00
Saturday  5:00-13:30
Sunday  Closed
※営業時間は、GoogleMapより転記

Upper Crust

第4日(8月23日)

King's Cross 駅の構内にあるUpper Crustという店(スタンド)を利用した。

ロンドンではふつうに売っているパンがどれもやたら旨い。
Upper Crustでは、バケットがメインのラインナップにもかかわらず、端っこに置いてあった「Pain au Chocolat」が実によかった。

All Day Breakfast
Sausage, streaky bacon & egg mayonnaise with sundried tomatoes and our signature breakfast sauce
AVAILABILITY:All Day

Pain au Chocolat
AVAILABILITY: AM

その他

宿泊していたホテル Citadines Barbican London の1階には「Charles Artisan Bread」という店があった。
GoogleMapでは「ベーカリー」というカテゴリで掲載されていたがイートインのスペースもあり、朝食をとることもできるようだった。
自分の好みの問題もあり今回は利用しなかったが、朝7時から営業していたようだし宿泊者にとっては使い勝手の良い店だったと思う。

まとめ

Beppe's Cafeはガチだった。

だけど、そのほかにも朝食が美味しい店はあった。
ロンドンにはたくさんの人が暮らしていて、その人たちのためにたくさんの飲食店があり、それぞれ多くの人たちに愛されている。
ガイドブックに出ていないたくさんの店のなかに、いくつもの宝石が隠されている。
私たちも今回、それに気づくことができてよかった。

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