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我が家のイギリス旅行記#05 第2日 後編 ウェストミンスター宮殿とロンドンコロシアム

2024年の夏休み、家族で出かけたイギリス旅行の思い出をここに記す。
第2日、ランチのあとウェストミンスター宮殿、夜はロンドンコロシアム。

2024年8月21日(水) 晴れのち曇り
8時 17℃ 25.9km/h, SW/15時 19℃ 27.8km/h, SW/22時 19℃ 25.9km/h, SW
日の出5:57-日の入り20:11


ランチタイム

13:40にバッキンガム宮殿を出たあとランチ、そのあとウェストミンスター宮殿を見学というスケジュール。
時間の余裕はあると思っていたが、バッキンガム宮殿の正面に戻り記念撮影をしていたらのんびりしすぎて昼食をとる時間が足りなくなってしまった。

Nando's Victoria - Cardinal Place

ロンドンで最初のランチはNando’sを想定していた。
Nando'sは南アフリカ発祥で日本にはまだないレストラン。
名物の「ペリペリチキン」というものを一度、経験しておきたかった。
ウェストミンスター大聖堂の近くに店舗があり、ちょうど良いと考えていた。
ところが行ってみるとまさかの事態。大行列が店外まで伸びている。
時間もないので断念せざるを得ない。
けっきょく、ロンドン滞在中にNando'sに行くことはできなかった。

Bill's Victoria Restaurant

目の前にあったBill's Restaurantに入る。
Bill'sもイギリスではわりとメジャーなチェーンレストランである。

ただし日本人的に言うと「じゃないほうのBill’s」らしい。
日本で「ビルズ」といえば「世界一の朝食が食べられる、江ノ島とか表参道とかにあるオーストラリア発祥のおしゃれなレストラン」のことを指し、その「bills」とここにある「Bill’s」は別物だという。
(その「bills」はイギリスでは「GRANGER & Co.」として何店か出しているとのこと)

とはいえ、その辺の事情は私や私の家族にとっては興味がなく、「このBill'sとあのbillsとは別物で‥」といった話題はまったく出ないままだった。
そもそも、そんなことをしゃべっている余裕もなかった。
入店したのは14:30過ぎ。
ウェストミンスター宮殿の入場予約時刻を守るためには、30分ちょっとで店を出なければならない。

見ているだけで楽しそうな、目移りしそうな豊富なメニュー。
それを吟味する余裕もなく(もちろん、写真を撮る余裕もなく)、目についたものを適当に頼んだ。
出てきたものを、滞在可能な時間内で食べられるだけ食べるしかない。

Bill's Victoria Restaurant 注文内容

Buttermilk Pancake Fruit 5 Stack £10.95

Buttermilk Pancake Fruit 5 Stack

BILL'S FISH PIE £15.95
Salmon, king prawns & smoked haddock baked in cream sauce topped with chive mash & cheese

BILL'S FISH PIE

Classic Eggs Benedict with Fries £13.50
Two poached free-range eggs, Wiltshire ham & hollandaise sauce served on a toasted English muffin

Classic Eggs Benedict with Fries

Service Charge 12.5% £5.05
Total £45.45
飲みものは「Tap Water」。

ぜんぶ食べきることができずに時間切れで、お勘定。
なんとせっかちなファミリーだと思われたことだろう。

食べものは美味しかったし、ほんとうはもっとゆっくり堪能したかった。
しかしこちらとしては、とりあえず30分だけでも腰をおちつけて休み、トイレも済ませ、空腹状態からもいったん脱却できた。
じゅうぶんな成果である。

Bill's Victoria Restaurant 店舗情報
https://bills-website.co.uk/restaurants/victoria/
6 Cathedral Walk, London
Monday - Saturday 8:00-23:00
Sunday & Bank holidays 9:00-22:00

ウェストミンスター宮殿

アーケード街の南側、Westminster Cathedral バス停からバス#11に乗る。

ビッグベン目の前の交差点、Westminster Station Westminster Pier バス停で降り、横断歩道で南側に渡ってウェストミンスター宮殿に至る。
敷地沿いにさらに南に進んだ先に入場ゲートがあり、予約時刻ぴったり15:30に到着。

チケットについて

ウェストミンスター宮殿の入場チケットも事前に予約・購入していた。
一般的な見学方法としては、ガイド付きツアー(Adult で£26)とオーディオガイドによるセルフツアー(同 £33)がある。
どちらも日本語は対応していない。
条件が同じならマイペースで見学できるほうをと考え、後者を選んだ。
実際のところ見学するのは同じ場所だがわずかにルートが異なっていた。
セルフツアーではカバーできない場所もガイド付きツアーなら見学できる、ということがあったように見受けられた。
とはいえセルフツアーでもじゅうぶん満足度は高かった。

またこれとは別に、ビッグベンの時計のところまで行ける「ビッグベン・ツアー」というのもあったが、こちらは完売。
公式Webサイトで月ごとに3ヶ月前発売だったようだ(帰納的な推測による)。
まあ、仮に予約可能だったとしても300段以上の階段を登るツアーに参加するかは迷うところだったけれど。

ウェストミンスター宮殿に入場

eチケット(QRコード)を入場ゲートで提示してゲートをとおり、他の観光施設と比べて格段に厳しいセキュリティチェックを通過。
その先に建物の入口があり、入ったところがウェストミンスター・ホール。

Westminster Hall is the oldest building in Parliament and almost the only part of the ancient Palace of Westminster which survives in almost its original form.
ウェストミンスター ホールは国会議事堂で最も古い建物であり、古代ウェストミンスター宮殿の中でほぼ元の形で現存する唯一の部分です。

https://www.parliament.uk/about/living-heritage/building/palace/westminsterhall/architecture/early-history/
ウェストミンスターホール(写真奥が入口側)

巨大な空間で、雰囲気に圧倒された。

前方左奥にオーディオガイドを受け取り、いちばん奥の階段をのぼる。
左に折れると細長い回廊があり、セントラルロビーに通じている。
このエリアまでは写真撮影が大丈夫なので、パシャパシャと写真を撮った。

しかし、すごかったのはそこから先だった。

セントラルロビーからまず右側(南側)の上院に向かう。
上院にはイギリス国王がやってくるので、そのための設備が整っている。
国王が通る階段、回廊そしてロイヤル・ギャラリー(広間)と、いかにもという感じの雰囲気。
豪華なだけではなく、長い歴史で積み重ねられた重厚感というか品格というか、そういったものを肌で感じる。
もう「イギリスすげー!」としか言いようがない。

そしていよいよ上院議場へ。
Youtubeで見ていた世界が目の前に広がっている。
国王が座る場所とか普通に見学できるのもすごい。

上院の議場を出て、一直線の廊下を歩いて今度は下院の議場へ。
ここもYoutubeで見た世界だ。
バーコウ議長が「Order!Order!」と叫んでいた場所。

ボリス・ジョンソンが演説した場所でもある。

議場中央の職杖を置く台、ソードライン、なにもかもホンモノだった。

日本人としてはここに来る前にまず日本の国会議事堂をしっかり見学して、そのうえで日本とイギリスと比べるべきだったと考えていた。
(私は田舎出身なので日本の国会議事堂は見学したことがない)
しかし実際にここにきて「そんな必要はない」と思った。
ここは別格で、日本などと比べるまでもない。
世界に冠たる議会制民主主義の聖地、歴史と伝統の英国議会なのだ。
品格と威厳に満ちたこの場所で私はただ感動するばかりだった。
来て良かった。イギリスすごい。ロンドンすごい。

感動はするがさすがに疲れてきた。
写真撮影が許される世界に戻る。

最後に、あちこちにあったユニコーンとライオンの写真を撮っておく。

イギリス王家の紋章を示しているようだ。
知らないことばかりだ。

ウェストミンスターホール脇の売店に立ち寄り、絵葉書と、KIDS’ HANDBOOKという子供向けの薄い本を買った。
計画におり込んでいた1時間30分をまるまる使い切った。

ウェストミンスター宮殿見学データ
入場料 4名計 £97.00
 Adult £26.00 ×3名、YOUNG PERSON (16-24 YEARS) £19.00 ×1名
予約時刻 15:30 
実際の入場時刻 15:30
日本語対応 なし
出場時刻 17:07
見学所要時間 1時間37分

テムズ川に出て、橋の上からしばし、ビッグベン撮影タイム。

Westminster Stn / Parliament Square バス停まで戻る。

関係ないけれど、電話ボックスで記念撮影をする人がやたらいた。
撮影のための行列ができているボックスさえあった。
いまロンドンでは電話ボックスブームなのだろうか?

バス#453で、トラファルガー広場に向かう。
まっすぐ走って2つ目のバス停で降りるだけのはずが、1つ目のHorse Guards Paradeを過ぎたところでバスが突然右折した。
GoogleMapの経路検索での表示とルートが違う。
一瞬ひるんだが、また左折してトラファルガー広場方向に向かう。
ちょっとしたルート変更?
と思っていると、乗客のひとりが運転手に話しかけた。
すこし強い口調でやりとりがあったあと、突然ドアが開くとその乗客は降りていってしまった。
もちろんそこはバス停ではない。
なにかのトラブルかと思っていたが、なぜか他の乗客も(全員ではないが)そこでバスを降り始めた。
私たちもつられてそこで降りた。

トラファルガー広場まで100mくらいの場所だったから影響は極めて小さいけれど、朝もバス停の場所が違っていたし、ロンドンのバスはなんとなく挙動不審というか、とにかく一筋縄でいかない。

なにはともあれトラファルガー広場にやってきた。

トラファルガー広場

GoogleMapでのロンドンめぐりにより土地勘はあったつもりだが、今きたウェストミンスター方面からここまで緩やかな坂道になっていたのは意外だった。
レスタースクエアのほうに向かってさらに上っていく感じ。
ロンドンの町なかは平坦だと勝手に思っていた。
次の予定まで1時間近い余裕があり、その間散策でも。。と考えていたが、疲れていた体でこの坂道ではとてももう歩く元気はなかった。

といってトラファルガー広場も座って休むような場所ではなかった。

ロンドン・コロシアム

千と千尋の神隠し Spirited Away

今夜はロンドン・コロシアムで演劇を観賞する。
ロンドンではぜひ、演劇を観てみたかった。

けれど、英語でしゃべられてもわからない。
どうしたものかと考えていたが、最適な演目があった。
「千と千尋の神隠し Spirited Away」。
昨年日本で演じられていたものが、この春からロンドンに進出していた。
上白石萌音さんはじめ日本人の役者さんたちによる日本語での舞台(英語字幕)だから、安心して観られる。

ロンドン・コロシアムはトラファルガー広場から横断歩道を2回わたって、ぜんぶで3分くらいの道のり。

劇場に着いたのが18時ちょうど。
開演までだいぶあったけれど、私たちはその場で時間をつぶすことにした。

このあとの心配は、夕食だった。
終演が22時半すぎで、そのあとでは食事にありつけるチャンスがなさそうだ。
かといって、昼食をとったのが15時前のことなのでまったくお腹がすいておらず、今のうち食べておくという訳にもいかない。
私たちはPLET A MANGER でサンドイッチを買ってきて、どこかしらのタイミングで食べようと考えた。
でも、サンドイッチを劇場に持ち込んでも良いのだろうか。

私は誰かに聞いてみることにした。
しかし、劇場の人というと建物の入口に立つ屈強なガードマンたちしか見当たらない。
なるべく優しそうな人を探してみたが、あいにく「優しそうなガードマン」というのは存在しなかった。
やむを得ず、適当に声をかけてみた。

ガードマンは表情を変えないまま「サンドイッチならOKだ」というようなことを言った。
もうちょっと長い文章でいろいろ教えてくれたのだが、理解できず。
ただ「サンドイッチはOK」は確かにそう言った気がする。
とりあえずPLET A MANGERでサンドイッチを購入してきた。

行列に加わってしばし待ち、18:30に入館が始まった。
入口であらためてガードマンのチェックを受ける。
PLET A MANGERの袋を指さし「その紙袋を見せろ」と言う。
私はおどおどと袋を差し出した。
彼は中を一瞥し「OK」と私たちを中にとおしてくれた。

館内すぐ右のショップでプログラムなどを購入し、下から数えて3層目のフロアまで階段をあがる。

まだ劇場内には入れず、小さなバーで時間をつぶした。

19:00になり劇場の扉が開き、席に着く。
劇場自体が100年以上の歴史のある建物で、見惚れてしまった。

やがて19:30、開演。
ジブリ映画の世界がリアルの舞台でみごとに再現されていた。
驚いたし、感動した。

サンドイッチは、途中でおなかがすいたので休憩時間に食べた。

ホテルに戻る

22時半、終演。
カーテンコールが終わり、多くの観客の流れに巻き込まれるように私たちは劇場から外に吐き出された。
外はすっかり寒くなっていた。風も強い。
さっさとホテルに帰り、明日に備えたい。

私たちはトラファルガー広場の脇の坂道を下り、Charing Cross / Trafalgar Squareバス停に向かった。
Citymapperによると希望のバスがちょうどやってくるタイミングだった。

しかし、ここからだった。
ロンドンのバスのほんとうの恐ろしさを知ったのは。

バスに乗れない問題

#15のバスに乗り、セントポール大聖堂まで行く。
#4のバスに乗り継いで、ホテルに戻る。
そういうプランだった。

Charing Cross / Trafalgar Squareバス停近くまで来たとき、向こうのほうに#15のバスが見えた。
バス停まであと100mくらいのところで停まっている。
間に合った、と私は思った。

ところが、バス停の標識が見当たらない。
周辺は道路工事をやっていて、バスの停まってくれそうな場所がない。
バスが目の前を通り過ぎそのまま行ってしまうのを、私は茫然と見送った。

次のバスは10分後にやってくるが、その場にいてもバス停がないのでまた乗ることができない。
しかたないので、次のバス停まで歩く。

歩いていくうち、#15のバスに乗るよりももうすこし先の Lancaster Place バス停まで歩いてそこから#243に乗れば、一本でホテル近くまで帰れることに気づいた。
そちらのバス停まで歩くことにした。

10分ほど歩いてLancaster Placeバス停に着いた。
待合所の電光掲示には、#243がまもなく到着するとの表示。
どうやら無事帰れそうだ。

ところが、今度はバス停の標識に「Closed」の貼り紙がついているのに気づいた。
じゃあこの電光掲示は何なの?
とオタオタしていると、通りすがりの若い女性に声をかけられた。
「ここのバス停はClosedよ、バスは停まらないわよ」
またしても、希望のバスは私たちの存在を無視するように通り過ぎていった。

すごすごと、#243の次のバス停まで歩いていく。
Aldwychというバス停にたどり着いたときにはすでに23時を過ぎていた。
演劇が終わってもう30分経っている。
ほんとうに疲れた。

けっきょく#243ではなく、#76のバスで帰ることにした。
バスはすぐやってきた。

15分ほど乗ってAldersgate Street バス停で下車。
5分ほど歩いて、私たちはついにホテルに帰着することができた。

私はひとり、Barbican駅横のTesco Expressに立ち寄った。
ホテルに帰ってビールを呑みたかった。
酒の売り場まで行ってビールを取ろうとしたら、レジにいた店員に「もうアルコールは買えないよ」と言われた。
23時以降と言ったのか、何時まで買えるか教えてくれたような気がするが、聞き取れなかった。
もし正しい内容を聞き取れたとしても、けっきょく今呑めないことには変わらないから、特段意味がない。

ロンドン滞在第1日は、とても長い1日だった。


#06につづく

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