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我が家のイギリス旅行記#02 第1日 前編 私たちはロンドンに行く
2024年の夏休み、家族で出かけたイギリス旅行の思い出をここに記す。
第1日、日本を出発し、ロンドンに向かう。
2024年8月20日(火) 曇り 8時 27℃ 11.1km/h, S(東京)
我が家のイギリス旅行は、羽田空港発8:50のブリティッシュエアウェイズ(BA)08便でスタートする。
朝4時半に起床。最寄り駅5:45発の電車に乗りモノレール経由で羽田空港第3ターミナルに向かった。
羽田空港を出発
BAのチェックインカウンターにはものすごい行列ができていた。
日本人はざっとみた感じ、半分を超えているかどうかくらい。
チェックインは前日にアプリを使って済ませてあるし、家族4人分の席は横並び1列で確保できていたし、ここで焦る必要はない。
・・・はずなのに、私は焦っていた。
2つの予約記録(2人ずつ2回にわけて予約したため記録が分かれていた)のうち、片方ぶんしかチェックイン完了メールが来ていなかった。
BAアプリでステータスを確認しようとしても挙動が怪しくほんとうにチェックインできているのか、席が確保できているか、わからない。
乗れないことはないだろうけれど、夫婦にとっては25年ぶり、子供たちにとってははじめての海外旅行である。
席が離れてしまうと不安だし、退屈だろうし、なんとしても避けたかった。
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私は荷物預けの長い行列に家族を並ばせたまま、チェックイン専用と思われるカウンターの短めの行列に並んだ。
カウンターにたどり着くと、私を呼んだのはJALの制服を着たスタッフだった。
JALとBAは共同運行をしているからヘルプできているのだろうが、相手が日本人ならこちらの事情を伝えやすい。
状況を説明し、予約記録を確認していただいた。
なんの問題もなかった。問題というのは心配していることがらについて発生しないもので、心配していないことに対して問題は発生するのだ、という私の定説はここでも正しかった。
さらに親切なことに、荷物預かり手続きもしてくれた。
家族を呼び寄せ、スーツケース4個を無事預けることができた。
2つに分かれた予約はチケットの種類が異なるもので、料金も違っていたが付帯条件も違っていた。
片方の予約で適用されていたチケットでは手荷物預かりが別料金となっていた。
別料金がかかるのか!と焦ったが、もう片方のチケットでは1人につき2個まで預かりOKとなっていて、結果的に4個のスーツケースを追加代金なしで預けることができた。
じつは空席状況と旅行代金だけを見て予約をしてしまっていて、完了後にそういう条件だったと知った。
キャンセル不可の前提を承知でお得なプランを申し込んでいたのに、数万円の追加料金がかかっては元も子もない。
結果的にセーフだったが、けっこう危ない橋を渡ってここまで来たのだと思う。
まあなんだかんだで無事こうして4人で出発できることになった。保安検査場、出国手続きもスムース。
ほぼ定刻どおり、BA08便は羽田空港を飛び立った。
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BREW DOG
飛行機に乗り込んだ時点で寝不足もあってもうすっかり疲れてしまったけれど、基本的にウキウキモードだし、あとは寝ていれば良いだけだから気は楽だ。
調子づいて、最初の飲み物サービスでさっそくビールを所望してしまう。
そしたら「BREW DOG」が出てきた。
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BREW DOG ブリュードッグは2007年にイギリスで創業したクラフトビールメーカーで、2021年にはブリュードッグ・カンパニー・ジャパンとして日本にも進出している。
今回いただいたのはBREW DOG SPEEDBIRD OGというやつで、BAとタイアップな感じのデザインの缶ビール。
さわやかでフルーティーな味わいがとても好ましかった。
私は調子に乗り、機内食のときにももう1本BREW DOGをいただいた。
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機内食を食べ終えあとはひたすら眠るのみ、というつもりだったのになんだか気分がわるくなってきた。
航空機内かつ寝不足の体に缶ビールを2本立て続けに注入したせいか。
さすがに格好つかないので家族には「なんだか乗り物酔いしたようだ」などとごまかしたが、けっきょく残りの10数時間をよく眠れないまま悶々と過ごすことになった。
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飛行機はアラスカからグリーンランド上空をまわるという、海外旅行慣れしていない私にとっては意外なコース取りでヨーロッパをめざした。
とはいえ窓側座席ではない私にはなんの関係もなく、地図だけ眺めていてもいっこうに進まないからめげそうになる。
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延々と飛び続けること15時間。
映画を2本観て、("Relax, I'm from the Future" ,"Kingdom of the Planet of the Apes=猿の惑星/キングダム")観て、ゲームは"UNO"と"2048"をひたすらやって、ときどきウトウトして、気持ちわるいのをこらえているうちに(2回目の機内食はパスした)、ようやくイギリスまでやってきた。
ヒースロー空港に到着
15時ちょうど、私たちはヒースロー空港ターミナル5に降り立った。
イギリスの入国審査は「機械相手だから楽勝」と聞いていたのに、機械がパスポート読み取り不良エラーを連発した結果、私たち家族4人とも有人窓口送りとなった。
他の日本人乗客もことごとくエラーとなっていた。
国交関係上簡易手続きという建前だけれどほんとうは日本人の入国を厳しくチェックしたい、というイギリス当局の意向ではないかと勘繰ったりしたが、そういうわけでもないようだ(インターネット情報によるとパスポートのラミネート光沢でうまく読み取れないというのが実情らしい)。
入国審査官に「ほんとうに4人とも機械でトライしたのか?」などと訝しがられ、入国目的や滞在日数、滞在先ホテルなど訊かれた。それらの質問に、たどたどしい英語で答えていく。
じつは個人的にトラウマがあった。
この春アメリカに出張したとき、入国審査での尋問にそうとう手間取った。同行の旅慣れた人から「別室送り寸前だったね」と言われるほどの詰問ぶりで、私はもう二度とアメリカには行きたくないと思うほどやりこめられた(単に英会話ができれば済むだけの話なのだが)。
そんなことを思い返している間もなく、私たちはイギリスへの入国を許可された。ほっ。
降り立ったのがターミナル5のC棟(はなれ)だったので、無人運転のトラムに乗ってA棟(メイン)に移動する。そこでわりかしすんなりと荷物を受け取って、いよいよ本格的にイギリス領土に入った。
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地下鉄でロンドン市街へ
出口を出て右手前方にPiccadilly Line乗り場の入口があった。
ロンドン市街までのアクセスとしてはElizabeth Line という選択肢もあったが、なんとなく「古いもの好き」の血が騒いだ。
そのまま進むと地下鉄のチケット販売機があった。
さっそくいじってみる。
まずは現金で紙のチケットを購入し、釣銭で小銭を作ろうと考えていた。
しかしながら、空港のチケット販売機はクレジットカード決済オンリー。
出ばなをくじかれた(あとで考えると、現金はほとんど使わず小銭もそれほど必要としなかった)。
しかたなく、オイスターカードだけ購入した。
オイスターカードはロンドンの地下鉄やバスで使えるチャージ式のICカードで、Suicaと同じようなものだ。
手数料£7.00のほかに、ひとりあたり£35.00をチャージしておく。
エスカレーターでホームに降り、Piccadilly Lineの電車に乗り込む。
これがびっくりするほど小さい車両で、2人ずつ向かい合わせで座ってでかいスーツケースを足元に置いたら通路が完全にふさがってしまった。
さすがにこれはまずいだろうと、2人を座らせたまま夫婦で車両端に移動した。
湾曲したスペースにスーツケースをあてがって体で壁に押しつけるように立ち、乗降客の邪魔にならないようにした。
とにかく、だいたい想定どおりヒースロー空港を17時に出発した。
ホテルまでは1時間もあれば到着できるだろうし、夕食も町なかに食べに行くことができそうだ。
存外、順調なスタートだ。
#03(Bishops Finger編)につづく。