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我が家のイギリス旅行記#10 第4日 ヨークへの旅・後編

2024年の夏休み、家族で出かけたイギリス旅行の思い出をここに記す。

2024年8月23日(金)
ロンドン 朝;Drizzle 夜;晴れ
8時 19℃ 35.2km/h, W/22時 17℃ 22.2km/h, SW
日の出6:00-日の入り20:06
ヨーク 晴れ (以下、リーズの気象実績)
11時 14℃ 44.4km/h, W/16時 16℃ 27.8km/h, SW


Betty's York

York Minster から旧市街の細い道を南に歩いていくと、ほんの数分でBetty'sの前に出る。
今日はここでアフタヌーンティーをいただく。
まだ昼前だけど。

Betty's は、イギリス国内でもヨーク地方にだけ店舗展開をしているという「地元密着型ティールーム」である。
「ティールームも展開しているコンフェクショナリー」が正解なのかもしれない。
詳しくはよくわからない。

とにかく、イギリスで飲食をするのに「日本未進出」の店でなければ意味がないくらいに思っていた私にとって、日本どころかロンドンにさえ進出していない店というのは心惹かれるものがあった。
イギリスではどこかでアフタヌーンティーを楽しむなどしてみたいと考えていたこともあり、いろいろドンピシャなお店だった。

11:30、店の前には入口から西側に行列ができていた。
建物の角に届くくらい、10組ほどの待ち。
列に並ぶと店の人が人数を確認しにきて、そのときにメニューを手渡してくれたのでそれを眺めているだけで時間は潰せた。

目の前の街かどでは若者のバンドが演奏をはじめ、人だかりができる。
きっかり30分待ち、正午ちょうどに入店。

大きな窓から外の光をいっぱいに取り込んで明るい雰囲気の1階と、全体焦げ茶色で落ち着いたサロンのような雰囲気の地下1階に席があった。
私たちは1階窓側の4人がけ席をあてがわれた。

アフタヌーンティー

まわりには、アフタヌーンティーを楽しんでいる人ばかりではなかった。
むしろ、イングリッシュブレックファストとか、ふつうのレストランメニューを食べている人が目につく。そちらもおいしいそうだ。
たまたまかもしれないけれど、アフタヌーンティーを注文しているのはアジア人観光客が多いように見受けられた。
そして皆写真を撮りまくっている。

私も同じように、Traditional Afternoon Tea £29.95  をいただいた。

まず紅茶がやってきた。

紅茶うまし。
紅茶は苦手でふだんからあまり飲まないし、今回のイギリス滞在中もここ以外では紅茶を呑まなかったけれど、少なくともここの紅茶はとても美味しかった。
ガブガブ呑んだ。

そして本体がやってきた。
お約束にしたがって、1段目から順番にいただいた。

A selection of sandwiches

Cucumber, dill and cream cheese/Coronation Yorkshire chicken/Ham and wholegrain mustard/Smoked salmon

A sultana scone with strawberry preserve and clotted cream.

A miniature cake selection

Chocolate & raspberry cube/Coconut & lime gugelhupf/Orange slice

なにせ人生初アフタヌーンティーである。
他との比較もできないし、他人様の役に立つようなコメントはなにもいえないけれど・・・
なんといってもスコーンが良かった。
ぼそぼそ、というイメージだったがそれはまったくなかった。
しっとりと、濃厚な味わい。
ジャムは甘かったがクリームがよく合った。

サンドイッチもケーキも同様で、私は「うまい、うまい」と言いながらあっという間に全部食べてしまった。
最後の最後とっておきだったチョコレートケーキ、よりによってそいつだけはお口に合わなかったけれど(笑)

長男はハンバーガーを注文。
見た目はともかく、味やボリュームには必要以上の「お上品さ」がなく、こちらも美味しく召し上がられたようだ。

少食の次男は チョコレートケーキ(Swiss Chocolate Torte & Ice Cream)だけいただいた。
でも、これこそ相当おいしそうだ。

店の人も皆さん感じよかった。
Betty'sを食べるためにヨークに来たわけではないが、後づけでそう言うのもありかな、というくらいの好印象を残し、私たちは店を出た。

Traditional Afternoon Tea £29.95 (per person)
A selection of sandwiches
A sultana scone with strawberry preserve and clotted cream
Three miniature cakes
Served with a teapot for one of Tea Room Blend Tea.
Bettys Burger £21.75
A Yorkshire beef burger in a caramelised onion roll. Served with Swiss raclette
cheese, mushroom, sweet pickled onions, Dijon mustard and pommes frites.
Swiss Chocolate Torte & Ice Cream £9.75
A Swiss dark chocolate cake made with almonds and hazelnuts.
Served with vanilla ice cream and raspberry sauce.
Iced Coffee £5.75
Our espresso blend, served over ice and topped with milk.
Still Water  £4.75
Yorkshire Wolds Pressed Apple Juice £4.95
Total £106.45
※Gratuityは別途

Betty's York 店舗情報

https://www.bettys.co.uk/cafe-tea-rooms/our-locations/bettys-york
6-8 St. Helen's Square, York
Monday to Thursday 9:00-17:30
Friday   9:00-18:00
Saturday  8:30-19:00
Sunday  9:00–17:30

York フリータイム

13時過ぎにBetty'sを出た。
ここからはフリータイムで、家族4人がそれぞれ好きな場所を訪ねる。

私はひとり、ヨーク競馬場に向かった。
このことは別記事でくわしく述べたい。
残り3名はしばらく同一行動、町中をそぞろ歩きお土産などを物色するなどした。

Yorkの観光スポットのひとつにチョコレート工房的なもの(York's Chocolate Story)があり、3人はそこに向かった。
何か購入するつもりだったけれどあまりにも高価、高級で、「でも日本に持って帰ったら溶けるから」という理由をつけ断念した。

その後、長男は目あての店があるとのことで単独行動。
トラベリングマンというカードショップに行って、そこでなんやかんや1万円分くらい買い込んだらしい。

奥さんと次男はMarks and Spencer を見つけ、おみやげをいろいろ購入。
わざわざヨークで買う必要はない、という至極まっとうなご意見もあるかもしれないが、ロンドン滞在中にはおみやげを吟味するような時間を用意していなかったので、やむをえない。

1時間ほど市街で過ごしたのち3人は再合流。
国立鉄道博物館に向かった。
バスを利用する予定だったけれど、バス停の場所が良くわからなかったようでヨークダンジョンあたりから20分ほど歩いたそうだ。

国立鉄道博物館

大英博物館などと同様、この博物館も入館無料。
ただしWebサイトでの事前入館予約が推奨されていた。
私はそれに従い、15:00の入場と、16:10からの「フライングスコッツマンVR」体験を予約しておいた。

ヨークの目玉観光スポットということで3人に鉄道博物館を薦めていたが、ちょっとマニアックかなという不安はあった。
鉄道発祥の国イギリスにある鉄道専門の博物館だから、展示物も歴史的に貴重なものが多いだろう。
けれどそれが私の家族にとって重要かどうかは別の話である。
いちおう次男は子供の頃から電車への興味が強く、鉄ヲタの素養があった。
大宮の鉄道博物館、葛西の地下鉄博物館など、よく連れていったものだ。
ただしその興味はすでに失われている。
この歳になって異国の鉄道博物館となると、はたしてどうか。

ちなみに「フライングスコッツマンVR」とはについては、そもそもフライングスコッツマンとは何か?から話は始まるのだけれど、まあ要するにSL、かつて人気を博した蒸気機関車の愛称である。
現在も動態保存になっていて、夏休みのもっとコアの時期であれば運転もされていたようだ。
ただ今回はVR体験である。
これははたしておもしろいのか?
論点はそこだけではない。
VRゴーグルをつけた状態で操作の説明を受け、実際に体験する。
その過程でのサポートはすべて英語によるものだということが家族にはプレッシャーだったようだ。
自分達が楽しむ以前に、言葉のわからぬ日本人が紛れ込んでまわりの人も含めて楽しめるのだろうか?

なんと大宮の鉄道博物館とは姉妹提携していた

結論を言うと、こちらの心配をよそに彼らはじゅうぶんに楽しんできた。
VRも「意外とおもしろかった」そうだ。
ぜんぶで5人とか6人とか、かなりの少人数での体験だったそうで、英語がわからなれくても全然ふつうに楽しめた、という感想であった。
鉄道博物館全体としてもなかなかよかった、とのこと。

博物館を16:30すぎには出て17時前にはYork駅に戻り、あとは空いていたベンチにかけてスマホをいじるなりして時間を潰していた。
この旅ではもっともゆったりとした時間だったことだろう。

York 旧市街散策

さて私は、ヨーク競馬場に2時間ほど滞在。

Ebor Festival Day3を3レース観戦したあと、町に戻った。

Bishopthorpe Roadのマーケット
競馬場から旧市街南端の城壁まで25分ほど
ウーズ川まで戻ってきた
橋を渡ると、ほどなくCrifford Tower

競馬場から30分ほど歩き、ウーズ川を渡って旧市街に戻ってきた。

Clifford's Tower


見上げるような高い場所にCrifford's Tower があった。

市街から川に向かって傾斜ができているちょうどそこが小高い丘になっていて、そのてっぺんだから高低差がある。

時間もあったので立ち寄ってみる。
長い階段を登り、砦に至る。
入場料を支払うが渡されたのは入場券ではなくレシートだった。
砦のなかは空洞で新しい鉄製の階段と橋が渡されているのでそこを登り、砦の上に出た。南東側の見晴らしがきく。

ヨーク競馬場がはるか彼方に見えた(中央、右側の建物が競馬場スタンド)
旧市街側の眺め

西側(市街側)を見るとそれほどの高度差はなく、建物の屋上にいるくらいの感覚だ。
しかし、全体に茶色がかったヨークの町並みの向こうに大聖堂がそびえ、いくつか教会の尖塔なども見える風景はいかにもヨーロッパという感じがした。

Crifford's Tower の内側

そのほかに特段みどころもなく、10分ほどで辞去。

入場料 £11.50
オンラインでの事前予約は割引価格になるらしい。
季節や曜日ごとにも料金は違うようだ。

そのあと旧市街をすこし散策した。

Chambres の小路は観光客で賑わっていた。
しかしそこだけが町のみどころということではない。

両側に建物が並ぶ緩やかなカーブを描く路地を歩いていると狭いスカイラインに突然ヨークミンスターの高い塔が姿をあらわす。

道路が城壁と交わるところに城門が立ち自動車がそこをくぐって走っていく。

そんな風景が、いちいち良い感じだった。

城壁の上をブーザム門まで歩いた。

もう一度大聖堂をじっくり眺めてから、駅に戻る。

Betty'sの前にいた若者のバンドはまだ演奏を続けていた。行列から眺めていたときからもう5時間になる。

YORK駅に戻る

17:20、ぶじヨーク駅に帰着。
家族4人が揃った。

駅構内を見学。
改札口はなく、駅の外と内に境界がない(King's Cross駅には改札口があったのに)。

York から London へ

復路もAZUMAである。

朝のダイヤ乱れがまだ残っていた。
York17:30発の列車は30分遅れ。
私たちが乗る18:02発の列車はいまのところ「定刻」の表示だが、さすがにそんなことはないだろう。
私たちはのんびり構え、駅構内のSainsburysで夕食やおみやげを買い込んだりしていた。

York駅の待合所

時計はあまり気にしておらず、とはいえそろそろ私たちの列車も精確な発車時刻がわかっている頃だろうと案内板を確認しにいった。
ところが18:02発の列車は依然として「定刻」との表示。
そこでようやく気づいた。

私たちの列車は「当駅始発」だったのだ。
だから他の列車に関係なく、定刻に発車する!

私たちはやや慌ててホームに向かった。
6番線に停車していた列車にはすでに多くの乗客が席についていた。
指定された4人がけの席にも座っている客がいたが、声をかけたらあっさりどいて、別の席に移っていった。

落ち着く暇もなく、列車はダイヤどおり18:02に動き出した。

AZUMAには売店がある。
座席からスマホで注文し決済すると品物を届けてくれる、というサービスがあったがこの列車では利用できず、探検もかねて出かけてみた。

4両ほど先で、売店は営業していた。
ホットサンドとコーヒーを購入しようとしたら、£6.4とのこと。
しかしクリスプも買えばセットで£6.0だ、とのオファー。

ホットサンドはコンビニで売っているようなもの(レンジでチンしてくれた)だったけれど、ここでは食べ物のクオリティを求めてはいない。
特急列車の売店を体験してみたかっただけなので、まったくかまわない。

本日の夕食① クリスプは日本に持ち帰って食べた
本日の夕食② Sainsbury'sで買ったシナモンロール

今日の振り返りをおしゃべりしつつ、車窓風景を眺める。
日本の北海道と変わらないような穏やかな風景だ。
ときどき馬や、牛や羊がみえる。
遠くに巨大な発電所があったりするのは私たちにはめずらしい。
何より特徴的に思われたのは、風景に「遠くの山並み」がなかったことだ。
こんなにのどかな風景で、なおかつどこまでも山の見えない景色、というのは日本にはないだろうと思う。

やがて日が暮れた。
といってももう20時だ。
ロンドン、King'sCross駅には20:40近くに到着した。
定時からは10分ちょっとの遅れ。

King'sCross駅 9 3/4番ホーム

せっかくなので、ハリー・ポッターの9 3/4番ホームを見学していく。
この時間でも記念撮影待ちの長い行列ができていた。

スタッフがいていちいちポーズを決めさせてくれるから出来映えは期待できるが、行列の長さから与えられる印象よりもそうとう時間がかかりそうだ。

こちらとしてはそれほどハリー・ポッターに興味がないので、行列に並ぶのはやめてホテルに帰った。


#11へ続く。

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