我が家のイギリス旅行記#09 第4日 ヨークへの旅・前編
2024年の夏休み、家族で出かけたイギリス旅行の思い出をここに記す。
今日はロンドンからヨークまで足をのばす。
2024年8月23日(金)
ロンドン 朝;Drizzle 夜;晴れ
8時 19℃ 35.2km/h, W/22時 17℃ 22.2km/h, SW
日の出6:00-日の入り20:06
ヨーク 晴れ (以下、リーズの気象実績)
11時 14℃ 44.4km/h, W/16時 16℃ 27.8km/h, SW
King's Cross駅へ
朝6時半にホテルを出る。予想外に小雨が降っていた。
当地の天気予報では「drizzle」。霧雨とのこと。
雨を避けながら速足でBarbican駅に向かう。
「イギリスの人は雨が降っても傘をささない」と噂に聞いていたが、ほんとうだった。
パーカーのフードを頭にかぶって歩いている。
あれは「飾り物」ではなかったのか、と思う。
Barbican駅に着いた。
しかし、シャッターが閉まっていて中に入れない。
「駅員がいないので閉鎖」というような貼り紙が貼られていた。
仕方ないので、となりのFarringdon駅まで歩く。
地下鉄自体はまったくふつうに運行していた。
Barbican駅封鎖事件の影響もなく、無事King's Cross St.Panclass駅に着いた。
地上に出ると目の前にKing's Cross駅。
天候のせいもありまだ薄暗い。
振り返るとSt. Panclass 駅。
知らなかったら振り返らなかったかもしれないが、建物としてはこっちのほうが迫力ある。
1868年開業、見上げるような大きなネオ・ゴシック建築の駅舎。
しかし今朝はKing's Cross駅のご利用である。
AZUMAに乗る
駅構内の売店で朝食を仕入れ、案内板にしたがってホームに移動する。
AZUMAに乗るには、手前側(南側)の改札口から駅内に入る。
7:30発エジンバラ行きの列車はすでに出発準備が整っていた。
列車は9両編成で、頭端式ホームのいちばん手前が9号車にあたる。
私たちが確保した座席は2号車なので、延々とホームを歩いていかねばならない。
知っていればこんなことにはならなかった。。
と思われそうだが、しかし、これは私が仕組んだ「策略」なのである。
「策略」とはなにか。
それは「AZUMAの顔を見に行く」ということに他ならない。
自分が乗る列車の顔を眺め、写真におさめたい、というのは私にとっては自然な感情だ。
いっぽう同行者にとっては「そんなことに労力はかけたくない」となる。
かといって彼女たちを放ったらかしにしてひとりではるばる出かけて行くのも忍びない。
しかしながら、自らの座席があるならそこまでは行こう、というのは誰にとっても異論のない話だ。
そして私は2号車の座席を確保した。
(ちなみに、先頭車両は避けるようにしている)
全員で2号車まで行き、私は1両ぶん余分に歩るだけでAZUMAの顔を拝むことができた。
定刻7:30、LONDON King's Cross駅を出発。
切符の話
さて、この列車を手配したときの経緯を記しておく。
私はロンドンからヨークへの移動方法を調べてようとして「Omio」というサイトにたどり着いた。
このサイトで発着駅と時間帯を指定して列車の検索、そして予約ができる。
ロンドン発ヨーク着、と指定すると検索結果には「LNER」ロゴマークがついた列車が表示された。
その中に1便だけ、別のマークが表示された列車があった。
価格はLNERの列車の標準的なもの(列車ごとに価格は異なった)よりはるかに安く、所要時間は大差なかった。
わたしは当初その列車を利用しようと考えた。
しかし用心深い私は、その列車の正体を確認せずにはいられなかった。
その列車はGrand Central グランドセントラルという会社が運行するものであった。
London King's Crossと Edinburgh Waverleyとを結ぶEast Coast Main Line のWikipediaページには以下の記述があった。
「オープンアクセス競争」というのはおそらく日本にはない仕組みなのでイマイチ腑に落ちないが、ひとつの路線に複数の会社が列車を走らせているということだ。
Grand Centralは安いし、LCCみたいなものだろうか?
何ごともない前提であれば、車両やサービスに多少の差異があったとしても「安い」「お得」が優先する(個人の感想です)。
ただ異国の地でその「何ごと」かが起きたとき、大手会社のほうがなんとなく安心感がある(ような気がする)。
たとえば指定列車が運休になったときすぐ次に来る列車に乗れるのか、次の便が半日後になるのか?そういうことも気になりだすと気になってしまう。
けっきょく私は、往復LNERを利用することにした。
ちょうど同じタイミングで、私はLNERの公式サイトを見つけた。
こちらのサイトも「Powered by Omio」だった。それで最初混乱したけれど、吟味した結果ここで往復の列車を予約することとした。
OmioサイトでなくLNER公式サイトを利用した理由はふたつあった。
ひとつめにして最大の理由は、座席を自由に選択できることだった。
Omioサイトではそれができなかった。Grand Central 社にも予約サイトがあったが、そちらもできなかった。どちらも「窓側/通路側の希望を承る」程度だった。
しかしLNERサイトはシートマップを使って「何度でも」変更操作ができた。
もちろん、車両も選択できる。
このサイトで私たちは往復ともテーブルを囲む4人席を確保した。
どちらも進行方向左側(往路は西側、復路は東側)で車窓風景を楽しむことができた。
LNER公式サイトで予約したもうひとつの理由は「LINER PERKS」つまり会員特典だった。
登録すればその場で£5.00のクレジット、つまり割引が手に入った。
復路は停車駅が多く乗車時間がやや長い(2時間20分)列車が安かったのでそちらを選択。
往路 LONDON King's Cross 7:30発 - YORK 9:32着 £45.20
復路 YORK 18:02発 - LONDON King's Cross 20:22着 £28.50
£73.70 ×4 - £ 5.00(LNER PERKS 割引)=支払合計 £289.80
なんと後日、往路利用分に対して返金があった。
£21.975 ×4 =£87.90の返金。
ただ計算根拠はまったくわからない。
£289.80 - £ 87.90 = £201.90
結果、ひとりあたり往復で£50.475、10,700円ほどということになった。
距離、所要時間ともに「新幹線で東京から豊橋まで」レベルなので、それで往復1万円あまりというのはだいぶお安い感じがする。
Yorkに着かない
さっきから切符の話ばかりしていていつまでたってもYorkに到着しないではないか、と思われるかもしれないが、実際のところ私たちの列車はYorkになかなか到着しなかった。
Yorkのひとつ手前の停車駅がDoncasterなのだが、そのDoncasterの手前のなにもない場所で列車が停車した。
そしてそのまま動かなくなってしまった。
10分、20分と、日本の新幹線と違ってたいした説明もなく(2回くらい同じことを放送していた、何を話していたかは聞き取れなかったけれど)、その場に停車したまま動かない。
高速で追い抜いていくAZUMAもあり、状況がよくわからなかった。
30分以上たって、ようやく動き出した。
強風で、Doncasterの先(York方面ではない路線)に倒木があった、Doncaster~York間も徐行運転をする、というようなことを放送していたように聞こえた。
列車がDoncasterに着くと、地元の高校生などAZUMAに乗る用事がなさそうな乗客などがたくさん乗ってきた。
おそらく、ダイヤ乱れで特別な措置がとられているのだろうと思った。
定刻9:32より40分ほど遅れて、AZUMAはYork駅に到着した。
(先ほど記した往路一部返金はこのため。)
York駅に到着
Yorkはイングランド北部に位置する、中世の面影を色濃く残す古都である。
細い石畳の道が縦横に通り、町の周縁部を城壁が取り囲んでいる。
ふと見上げると、建て込んだ古い家並みの向こうに大聖堂がそびえている。
そんな町である。
その玄関口であるYork駅もなかなかの威厳の持ち主である。
時間がおしていたが、できるだけゆっくり、キョロキョロと辺りを見渡しながら歩いた。
York Minster
最初の目的地はヨークミンスター(大聖堂)。
ヨーク駅からは徒歩で15分ほどの距離だが、あえてバスに乗る。
#05。Theatre Royalバス停で下車。
Bootham Bar(ブーザム門)をくぐり、城壁の内側に入る。
とすぐヨークミンスターである。
駅から歩いても15分ほどで行ける。
またしても切符の話
ロンドンの主要な観光施設と同じように、YorkMinsterもオンラインで入場予約ができる。
もちろんeチケットとなり、送られてきたメールに記載されたQRコードを入口で示せばそのまま入場できる。
すべてが便利で良い世の中になったように思われるけれど、私は大いに不満である。
私は切符が欲しいのだ。
日本での話でいうと、私は旅行であちこち出かけるたび、ローカル私鉄の駅に立ち寄る機会があれば硬券入場券を買い求めるようにしてきた。
自動券売機で購入できるペラペラの切符ではなく、昔ながらの厚紙製のものが圧倒的に好きだし、それが貴重な存在であるからだ。
ところが、今や世の中は厚紙かペラペラかを問うている場合でないところまできた。
切符そのものがもはや貴重な存在なのだ。
旅行に出かけたとき、なにより重要なのは旅の思い出そのものである。
しかし、それが刹那的なものでしかない以上、私たちは思い出を何かかたちとして残るものに置き換えてそれを愛でることしかできないのだ。
だから私はその場所を訪れることと同じくらい、その場所を訪れたことの「証し」を欲する。
話を元に戻すと、要するにYorkMinsterの入場をオンラインで事前予約するかどうか、大いに悩んだ。
最終的には、Yorkくんだりまでわざわざ出かけて滞在時間が限られているなかチケット売り場に並んで待たされて得られるもの(切符)と失われる時間とを天秤にかけ、やっぱり時間が大事だという判断に至った。
しかしながら実際のところ、今回のこの訪問にかぎっていえば、時間を節約できたということはなかった。
だからといって後悔していることはないけれど、事実としてそうであった。
ちなみに、当日発売されるというセントラルタワーツアーのチケットは入手することができなかった。
私たちが寺院に到着した10時半すぎ時点で購入可能なツアーは13時台以降のものだけであり、私たちは参加をあきらめた。
実際にこの町を訪れて「タワーから町を眺めてみたい」と思う気持ちが強まっていたので、余計に残念だった。
今回の旅行では観光入場施設でチケットが手元に残ることはほとんどなかった。
旅の思い出がそれで損なわれることはないとわかっているものの、やっぱりチケットというのは欲しいものだ。
York Minster に入る
さてYork Minster。
前日にロンドンでWestminster Abbey を拝観していたのでどんなものかと考えていたが、ここは良かった。
ここと比べると、Westminster Abbeyは人が多すぎた気がする。
York Minster は比較的観光客が少なく、静かで、荘厳な雰囲気を保っていた。
寺院の構造はほとんど同じだったけれど、礼拝堂の地下に降りる場所があり、古い建造物の遺構が残されていたのも興味深かった。
ただし、見学時間は30分ほどで済んでしまった。
やはり、セントラルタワーツアーに参加できなかったことが惜しまれる。
York Minster 見学データ
入場料 £70.00 Adult £18.00 ×3 Student £16.00 ×1
予約時刻 10:15
実際の入場時刻 10:45
日本語対応 なし
出場時刻 11:20
見学所要時間 35分(うち売店約8分)
York Minster は観光客も少なく落ち着いた雰囲気だった、とはいってもそれはロンドンとの比較の話でしかない。
町なかは、平日(金曜日)のお昼前とは思えない賑わいぶりだった。
雑踏の小道を歩いて次の目的地、Betty'sに向かう。
#10へ続く。
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