見出し画像

我が家のイギリス旅行記#14 第5日 後編 ロンドン自然史博物館

2024年の夏休み、家族で出かけたイギリス旅行の思い出をここに記す。
第5日、ロンドン自然史博物館へ。

2024年8月24日(土) 雨 夕方;Thunderstorm with Rain
8時 14℃ 5.56km/h, S/15時 16℃ 14.8km/h, W/22時 15℃ 16.7km/h, W
日の出6:02-日の入り20:04

Baker Street駅から、次の目的地まではバスで移動する。

バス #74に乗って

74系統バスは、Baker Street StationのAバス停(交差点の北側、シャーロック・ホームズ博物館寄り)を出発してPutney Exchangeまで行く。
これに乗って、サウスケンジントンまで行く。

ロンドン塔からサウスケンジントンに行くのにわざわざ迂回するようにベーカーストリートを経由したのは、このバスに乗りたかったからでもある。

このバスのルートが、なかなか楽しそうなのだ。
まずベーカーストリートを南下し、Selfridgesのある交差点を右折してオックスフォードストリートに入る。
マーブルアーチを左に折れ、今度はハイドパーク沿いに南下。
ウェリントンアーチで右折するとナイツブリッジだ。
あの有名なHarrodsの前を通り、サウスケンジントンに至る。

このバスが通るのは、今回のロンドン滞在中にカバーできなかったエリアでもある。
だから、あえて遠回りしてでもせめて車窓から眺めてみたかった。

しかしながら、2階の最前列席を確保できず。
2列目からの車窓見学となってしまった。

あまつさえ、雨粒と窓の曇りのせいで、さほど良い眺望を得られなかった。
2階席の正面窓には、当然ながらワイパーなどついていないのだ。
なかなかうまくいかない。

South Kensington Stationバス停で下車。
自然史博物館に向かう。


ロンドン自然史博物館


経緯とチケット予約

今回の旅行のプランはほとんど私がたてたが、家族から希望があれば極力対応するようにしていた。
カードゲーム好きの長男は「カードショップに行きたい」と言い、全員で行くわけにはいかないので途中離団により訪問を実現させた。
けれど次男は控えめな性格で、出発前に特段のリクエストはなかった。
せっかくの旅行だし、ただついてくるだけでなく前向きに考えてくれれば、と思っていた。
その次男が最終日を前に「グリニッジに行ってみたい」と言い出し、私はこのリクエストをぜひ実現したいと考えた。
当初の計画ではロンドン塔訪問のあとタワーブリッジ、昼食、そのあとプレミアリーグ観戦というものだったが、タワーブリッジと昼食の時間をつぶせばグリニッジ訪問は可能だ。

しかしながら、天気予報が芳しくない。
グリニッジ天文台に行くには最寄駅から片道20分近く歩く必要があり、雨のなかではけっこうたいへんなことになる。
言い出しっぺの本人もさすがにそれは嫌そうだったので、私は「自然史博物館はいかがか」と代案を提示した。

自然史博物館なら彼のアカデミックな興味に対応しているし、雨の影響も受けない。
彼もその提案に賛同した。
ただ、控えめな次男がほんとうにそれで良いと思っているのか、についてはよくわからない。

そんなわけで、前日に自然史博物館の予約を試みた。
ところが、どういうわけか予約が取れなかった。
公式Webサイトの無料入館予約ボタンを押したあと、日付選択画面で翌日分が表示されず選択できなかったのだ。
同じ状況を再現することができないのだが、たしかにそうだった。

しかしサイト内に「Birds: Brilliant and Bizarre」という特別展の案内が出ていたのを見つけた。
博物館自体は入館無料だが特別展は有料だ。
しかし、こちらを予約しておけば当然、博物館内への入場も可能となる。
悩む時間もなく、寄付のようなものだと割り切って特別展を予約した。
(当日、特別展を見学する時間はやっぱりなかった)

バス#74をSouth Kensington Station バス停で下車。
3分ほど歩くと自然史博物館の正面に出るが、敷地の南東端にある入口から入り、敷地内の小道を歩いて今度は建物の西側までまわりこんでようやく入館するまでは10分くらい余分にかかった。
建物の外に何箇所か長蛇の行列があったが、eチケットのおかげでそれらに並ぶ必要はなかった。

かなり混雑していた

滞在時間は1時間。
集合時刻と場所(クジラの骨格の前)だけ決めて、いったん解散とした。

子供の頃から恐竜好きだった長男は西側Blue Zone の恐竜エリアへ。
次男はなぜか「石系」に興味があるようで、東側Red Zoneに向かっていった。

Treasures in the Cadogan gallery

残された私たち夫婦は行くあてもなかった。
Green Zoneに「Treasure」というエリアがあったので行ってみた。
イグアノドンの歯、始祖鳥の化石、ドードーの骨格標本などをそこで見た。
あとから調べてみたことだが、そこはCadogan gallery(カドガンギャラリー)という部屋で、「22 objects spanning 4.6 billion years of Earth's history(地球46億年の歴史にまたがる22のオブジェクト)」が展示されていた。

イグアノドンの歯

「イグアノドンの歯」は1822年にイギリスでマンテル夫妻が発見した「世界で初めて発見された恐竜の化石」だそうだ。恐竜の化石はそれまでにも見つかっていたが「恐竜の化石」として認識されたのが初めて、という意味での「初めて」だそうだ。

始祖鳥の化石

「始祖鳥の化石」も相当すごいらしい。
2017年に日本に来たことがあるそうで、その際の記事に、国立科学博物館 真鍋真博士のコメントが出ていた。

この化石は1861年に発見されたもので、始祖鳥の最初の全身骨格です。2011年には、「タイプ標本」に指定されました。タイプ標本とは、新しい標本が発見されたとき、新種であるとか、始祖鳥であるかないかを調べるとき、比較しなければならない標本のことです。非常に貴重な標本です。

https://www.jiji.com/jc/v4?id=201703Archaeopteryx0002

ドードーの骨格標本

「ドードーの骨格標本」は、ロンドン自然史博物館の初代館長である生物学者リチャード・オーウェンによってつくられたものだそうだ。

22オブジェクトのリスト

私たちは最初からこの3つの貴重な展示物をめざしてこの部屋に来たわけではなく、残り19のオブジェクトについてもちゃんと見たはずなのだけれど、びっくりしたことにほとんど記憶がない。
人ごみのなかでやや焦り気味に見学していたせいかもしれないが、あとになって調べてみればみるほど、なんと勿体ないことをしたものかと思う。

それにしても、このギャラリーに展示された「22のオブジェクト」のリストがインターネット上でなかなか見つけられないのはどういうことか。
すくなくとも博物館の公式Webサイトには、網羅されたリストの掲載がなかった。
先ほども紹介したこのページには、20のオブジェクトが紹介されていた。

https://artsandculture.google.com/story/fgVxaDx-KQqtIA

  1. ゴリラのガイ

  2. 種の起源 1859 年に出版された珍しい初版

  3. ハンス・スローンのオウムガイの殻

  4. オオウミガラス

  5. バーバリライオンの頭蓋骨

  6. ダーウィンのハト

  7. モアの骨片と骨格

  8. ウィリアム・スミスのアンモナイト

  9. ブラシュカガラスモデル

  10.  月の石

  11. Wold Cottage meteorite 英国で現存する最古の隕石

  12. 始祖鳥の化石

  13. アルフレッド・ラッセル・ウォレスが収集した美しい蝶

  14. ジョン・ジェームズ・オーデュボンの「アメリカの鳥類」

  15. スコットの南極探検で収集された皇帝ペンギンの卵

  16. ドードーの骨格

  17. リチャードオーウェンの肖像画

  18. George Clifford's herbarium sheet

  19. Neanderthal skull

  20. ブロークンヒルの頭蓋骨

あと2つはなんだったのだろう?

ちなみに、以上のようなことはすべて帰宅後、当日博物館で費やした以上の時間をかけて収集した情報である。
一つ一つの展示品の重要さとか、見ることさえしなかったもっと貴重な展示品についてなど、調べれば調べるほどこの博物館をもっとじっくり見るべきだったと思う。

それはさておき、私たち夫婦はCadogan gallery を見学後、恐竜エリアも訪れた。

このエリアは子供連れがいっぱいで、展示を見るよりも人をかきわけて前に進むので精一杯という感じだった。
子供たちの恐竜人気は万国共通のようだ。

再集合の時刻が近づいていた。
私は次男がいそうなRed Zoneに行き、彼を見つけた。

彼は、もうちょっとここを見ていたいと言った。
私たちが考えていた以上に、どうやら彼は大満喫されているようだ。
であれば来て良かったと思うし、せっかくだからもう少しここに滞在すべきだと考えた。
次男は博物館での見学時間を延長し、次の目的地まではひとりで移動してくることになった。

次男以外の3人で、次の目的地に向かった。

ロンドン自然史博物館 見学データ

入場料 £73.00 Adult (£16.50 +寄付£1.75) ×4
予約時刻 12:30 
実際の入場時刻 12:23
日本語対応 なし
出場時刻 13:19
見学所要時間 56分

クレイヴン・コテージ

ふたたび South Kensington Station バス停に戻り、さっきと同じ#74のバスでCraven Cottage(クレイヴン・コテージ)に向かった。

ほんとうは立ち寄りたかったGloucester Road 地下鉄駅の古い駅舎は車窓から見学。

道路の右側中ほどにGloucester Roadの駅舎

どんな事情かわからないがあらかじめGoogleMapで呈示されていたルートと違う道を走ったりして私たちは肝を冷やしたが、私たちは無事スタジアムに行くことができた。

クレイヴン・コテージでプレミアリーグを観戦したことについては別途記述しているのでここでは割愛するが、家族4人の行動についてふれておく。

居残りとなった次男は、自然史博物館に1時間ほど滞在したあとひとりでスタジアムまでやってきた。
博物館での時間延長は本人にとっては有意義なことだっただろうし、その後私たちと同じルートをひとりでたどってきたこともじゅうぶん、「あっぱれ」に値する。

私たちと一緒にスタジアムに来ていた長男は、試合の後半開始後20分ほど経過したところで、ひとりで出ていった。
このエリアにあるカードショップを訪れたいとのこと。夕食時に再合流するまで、単独行動となった。
彼については異国の地での単独行動もすっかり板についた感じ。
やっぱりスマホがあればなんとでもなるなあ、と思ういっぽうで、とはいえ初めての海外旅行でもひとりで出歩こうという度胸はたいしたものだとも思う。

せっかくなので、長男の行動を聞き取りベースで詳しく記しておく。
彼はスタジアムを出て、来るときに下車したバス停まで行き、逆向きのバスに乗った。
ただし、乗車したのは行きに利用した#74ではなく#220という系統のバスだった。
ハマースミスを経由してGoldhawk Rd /Shepherds Bush Rdバス停まで行き、7~8分歩いて目当ての店「Dark Sphere Shepherd's Bush Megastore」にたどり着いた。
ショップに小一時間滞在したのち、今度は地下鉄のShepherd's Bush Market駅まで歩き、Circle Line に乗ってBarbicanまで戻った、とのこと。
なかなかの冒険だったと思う。

https://www.darksphere.co.uk/

長男をのぞく私たち3人は、クレイヴン・コテージから最寄りの地下鉄駅Putney Bridge まで歩き、地下鉄で市街に戻った。
最後の観光先であるロンドン・アイに向かう。


#15に続く。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?