【コロナ対策・中小事業者向け】経営者の心構え、金融機関交渉のポイント
今回は、コロナ危機にどう立ち向かうべきか、経営者の心構えと金融機関交渉のポイントについてです。
この記事は、日弁連公式YouTube動画「『コロナ倒産』を回避する!危機対応の資金繰り対策」の第7回「経営者の心構え,金融機関交渉のポイント(講師:宮原一東弁護士)」
https://www.youtube.com/watch?v=qw1yt4bo9-I&t=12s
を大いに参考にしています。こちらの動画も併せてご覧ください。
1 経営者に求められる心構え
コロナ危機に立ち向かう上で、経営者には5つの心構えが求められます。
① 事業継続への執念・熱意
コロナ危機で売り上げが急減する中、事業を継続していくことは、正常時に新規事業を立ち上げたりゼロから起業したりするよりもはるかに困難です。
また、困難な状況の中、金融機関や賃貸人、従業員など、様々な利害関係人との調整をする必要があります。
そのためには、事業継続への執念・熱意が必要であり、それによって利害関係人を動かすことができるといえます。
事業継続への執念や熱意は、仮に民事再生手続きを利用して事業を継続するためにも必要です。
② 会社に再生させるだけの価値があるかを確認
商売上の独自性や特殊な商品・技術・サービス、ネットワークなどです。
従業員の雇用を継続することで、地域経済社会に貢献しているとも言えます。
関係者を説得するためにも、事業を継続することで何を残したいと考えているのか説明できると良いでしょう。
③ 経営者のリーダーシップ
後手後手の対応をすると、従業員は不安になりますし、関係者を説得することはできません。
経営者がリーダーシップを発揮してコロナ危機に当たりましょう。
例えば、
・いつまで休業するのか
・従業員にはどこまで出勤してもらうのか
・休業する場合の休業手当を何割にするのか
・仕入予算の指示
などの点について、経営者が方針を立てる必要があります。
④ 窮境要因にはメスを入れる覚悟
コロナ危機以前からの不採算事業がさらに悪化しているような場合など、事業構造の抜本的な変更が迫られることもあるでしょう。
労働法の規制や従業員との対話は当然必要ですが、窮境要因にはメスを入れる決断が必要になることもあります。
⑤ 関係者との信頼関係の構築
金融機関や賃貸人に様々なお願いをしなければならない場面があります。
経営者が不信感を持たれていると、交渉のテーブルについてもらえません。
誠実な経営を心掛け、関係者の信頼が得られるようにしましょう。
事業の廃止がチラつくと、財産の散逸や隠匿をしたい、という欲にかられることもあるかもしれませんが、言語道断です。信頼するに値しないと判断され、協力が得られません。
2 金融機関交渉のポイント
金融機関との交渉に当たっては、3つのポイントが挙げられます。
① 丁寧な対応
危機対応で金融機関に出向くことができない場合でも、一方的に手紙を送るだけでは不十分です。
少なくとも電話で丁寧に説明する程度の対応はした方が良いでしょう。
② 適切な情報提供
試算表などを基に月次の報告をする、重大な事業内容の変更をする前にはあらかじめ金融機関に説明をしておく、などの情報提供が考えられます。
自分たちだけでの対応では不安な場合、中小企業再生支援協議会の特例リスケジュールを利用したり、弁護士に相談をしたりすることをお勧めします。
③ 弁護士に相談するべき事案
弁護士への相談・依頼を検討すべき事案は次のような場合です。
・直前に借り入れをしたばかり
もう返せない
・既にリスケジュールをしている
これ以上借り入れができない
・不適切な会計(粉飾決算など)をしている
その後の誠実な対応により、再生の可能性はあります。
・債務超過状態
・過剰債務状態
会社の規模、資金余力に照らして債務額が過大な場合です
・公租公課等を滞納している
・各関係者と正常なコミュニケーションがとりにくい
今回は、以上です。
お困りの場合、お早めにお近くの弁護士にご相談ください。
傷が深くなる前にお早目の対応をすることで、事業継続が可能になるかもしれませんし、撤退・廃業せざるを得ない場合も破産以外の手段を取ることができるかもしれません。
もし私にご相談くださるようであれば、下記リンクを通じてご連絡ください。
記事をご覧いただき、ありがとうございました。