【コロナ対策・中小事業者向け】資金繰り維持・支出抑制策

日弁連にて、新型コロナウイルスの影響を受けている中小事業者の皆様向けのYouTube動画「『コロナ倒産』を回避する!危機対応の資金繰り対策」が公開されています。

今回は、

第3回 資金繰り維持の必要性(講師:三村藤明弁護士)

を視聴しました。

述べられていた内容を、私なりにまとめてみました。

1 売り上げが立たない現状

 新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言により、売上が著しく減少した、あるいは無くなってしまった事業者が多数いらっしゃいます。

 他方、売上げが無くとも、毎月の固定経費(給料、水道光熱費、人件費等)や税金、社会保険料、銀行への返済は支払いが続きます。

 このような未曽有の事態の中、資金繰りを維持するためには、売上げをどうにかする以外の方法を考えなければなりません。

2 考えられる方法

⑴  公的金融機関からの融資

 まず考えられるのが、公的金融機関からの融資です。

 しかし、申し込みが急増し、長期間の順番待ちが必要と報道されています。

 また、融資の場合、いずれは返済しなければならないことも考慮する必要があります。

⑵  支出抑制策

 そこで次に考えられるのが、支出の抑制です。

 各種支払を止めることは抵抗感があるかもしれませんが、現在は異常事態なのでやむを得ません。

 支出抑制・支払い猶予の対象として、①税金、②社会保険料、③公共料金、④銀行に対する借入金、⑤賃料などが挙げられます。

 平時であれば、これらの支払い猶予は容易には認められませんが、現在の緊急事態下では、さまざまな制度が用意されています。

3 税金の支払猶予

 国税、地方税ともに支払猶予制度が用意されています。

 国税については所得税、法人税、消費税等ほぼすべての税目について、担保不要での1年間の納税猶予制度が用意されています。

https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu_konnan.htm

 千葉県も、県税の徴収猶予制度を用意しています。

https://www.pref.chiba.lg.jp/zeimu/aramashi/tokureiyuuyo.html

4 社会保険料の支払猶予

 納付猶予制度が用意されておりますので、管轄の年金事務所や健康保険組合に相談をしていて下さい。

 例えば、厚生年金保険料等については、次のような納付猶予制度が用意されています。

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/20200501.html

5 各種公共料金の支払猶予

 関係省庁から各事業者に対し、各種公共料金(上下水道、電気、ガス)の支払い猶予等の要請がなされています。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000676827.pdf#search=%27%E6%B0%B4%E9%81%93+%E7%8C%B6%E4%BA%88+%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%27

    千葉市の公共料金等の支払いに関する猶予・減免措置について

https://www.city.chiba.jp/zaiseikyoku/zaisei/zaisei/covid19-kokyo.html

6 金融機関への支払猶予

 元本・利息の返済猶予に柔軟に対応してくれますので、取引先の金融機関の相談窓口へ積極的にご相談ください。

https://www.fsa.go.jp/ordinary/coronavirus202001/06.pdf#search=%27%E9%87%91%E8%9E%8D%E6%A9%9F%E9%96%A2+%E7%8C%B6%E4%BA%88+%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%27

https://www.fsa.go.jp/news/r1/ginkou/20200420/01.pdf#search=%27%E9%87%91%E8%9E%8D%E6%A9%9F%E9%96%A2+%E7%8C%B6%E4%BA%88+%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%27

7 賃料の支払猶予

 事業所が無くなれば事業の継続は不可能となりますので、賃料の支払停止は、事業の根幹にかかわる問題であり、賃料の支払いをとめるのは非常に勇気がいることです。

 しかし、現在は非常事態です。

 大家さんにとっても、テナントが倒産をすると、原状回復費用が自己負担になってしまう恐れがあるなど、非常に困った事態となってしまいます。

 テナントが破綻に至らないことは、大家さんにとってもメリットがあるので、相談をしてみましょう。

 国土交通省から不動産関連団体を通じて、賃料の支払いの猶予に応じるなど、柔軟な措置の実施の検討が要請されています。

https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000201.html

 また、テナントの賃料を免除した場合に損金算入を認めるなどの支援策も設けられています。

https://www.mlit.go.jp/common/001342197.pdf#search=%27%E8%B3%83%E6%96%99+%E7%8C%B6%E4%BA%88+%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A+%E6%90%8D%E9%87%91%27

 千葉市もテナント支援協力金制度を用意しています。

https://www.city.chiba.jp/keizainosei/keizai/kikaku/covid19-jigyousya3.html

8 最後に

 会社や事業を維持するためには資金が不可欠です。

 現在、売り上げによる入金がしばらく期待できないので、支出を抑制するしかありません。

 上記各種制度を大いに利用するべき状況といえます。

 なお、ホームページを引用している各種支援制度の内容はかなり流動的であると思われます。皆様もご自身で最新の情報を確認するようにしてください。

 もし私にご相談いただける場合には、下記リンクを通じて私にご連絡下さい。

 記事をご覧いただきありがとうございました。

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