見出し画像

田中。November 10, 2017

こんばんは!3度のメシより本が好きなサノ☆ユタカです。


エストニアから戻ってそのまま2泊4日でニュージーランドのクイーンズタウンの山奥に撮影に行ってたす。

本番前夜に突然、季節ハズレの雪が降って寒かったす。

先週は26度だったのに。

雪山-thumb-540xauto-264625

画像2

牧場-thumb-540xauto-264629

画像4




クイーンズタウンは山に囲まれた湖のほとりに小さなモールみたいな街があってそれで終わりみたいな場所だけど、そのモールには何軒も日本人が働く日本食の居酒屋やラーメン屋なんかがあって、スキーとか登山とかもできないシーズンオフの今でも大量に日本や中国の観光客がいっぱい来ていて不思議っす。


撮影隊にとってもクルマのCMを撮るワインディングロードや山と湖に森のロケーションなどが割とコンパクトな範囲にあるので便利っす。クルマのCM撮影だけでも年に毎年50本くらいはあるらしいっす。今も、中国から200人規模の映画のスタッフが来ていて近隣の撮影機材が全部品切れ状態っす。


ま、クイーンズタウンの話は別にどうでもいいんだけど、飛行機移動が続くと本をいろいろ読んじゃうよな。

最近イチバンのヒットは「さよなら、田中さん」。

これ、鈴木るりかって14歳の中2のコが書いてるんだけどこのコ天才っす。サイコーにオモロイっす。来年あたり芥川賞とったらすげえな。

画像5


ビンボーな母子家庭の花ちゃんは小6、お母さんの仕事はドカチン。拾ったお菓子もへっちゃらで食べるお母さんがサイコーで、アパートの大家さんや、そのプー太郎の息子。学校の変わり者の先生や、近所の激安スーパーのオヤジ、女子のパンツを盗んだ疑いをかけらた落ちこぼれの同級生。そんな登場人物たちのキャラがイキイキしていて子供の世界とは思えない圧倒的な世界観っす。これは読み逃しちゃダメっす。
凡才じじいサノ☆も、今月撮影する予定なのは11歳のモデルとか13歳のアスリートとかなんだけどすげえ子供っているもんだよな。



原田マハの「暗幕のゲルニカ」。今さらだけど、kindleに買ってあったのに読み時を逃してたやつ。評判以上にオモシロかったす。

画像6


ピカソがナチの非道な殺戮に対する対抗手段として制作した鬼作「ゲルニカ」。その制作過程を支え写真で記録したピカソの愛人ドラ。そして彼女とピカソの作品をナチから守った資産家の青年パルト。時代は変わって、ピカソの研究家で911で愛する夫を失ったNYのMOMAの日本人キュレーター遥子。アメリカは罪なき中東国家に反撃の開戦を決定した。遥子はピカソの反戦の精神を表す特別展をMOMAで企画するが、目玉の「ゲルニカ」はスペイン側が貸し出しを拒否する...20世紀と20世紀に交互に飛びながら進むストーリーはフィクションとは思えないディテールで終盤のハリウッドの大作映画みたいな思わぬ展開も調子オモロくて読みごたえありっす。

アート好きはもちろん、そうでなくとも物語として秀逸で絶対読むべし。
ゴッホと日本との関わりを描いた「たゆたえども沈まず」と連続で読むのもオススメっす。

画像7



ピカソもゴッホも学校の美術の授業で習うと全く興味持てなかったな。


俺が中学生の時にはキュレーターなんて職業の存在も知らなかったけどこんな本に出会ってたら人生変わってたかもな。まじで。

いいなと思ったら応援しよう!