おかしなタイトル、けどこれはたしかにパワー!|第一回白酒のパワー渋谷

桃月庵白酒独演会

あられ 大安売り
白酒 木乃伊取り
〜仲入り
白浪 お菊の皿
白酒 千両みかん

渋谷伝承ホール
20220706


こちらは、マガジン『メモログ』の記事です。

『メモログ』は、自分のための感想覚書を蓄積するために作成したもので、ひとさまに読まれることを前提としていません。そのため、文章の体裁が整っていなかったり、構成がめちゃめちゃだったりします。
それから、ネタバレにも気持ち程度にしか配慮していません。

ご覧くださる奇特なかたは、どうかもろもろ悪しからずご了承ください。



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なにやら突然、会のタイトルがついたそうで、その名も「白酒のパワー」!まさか記念すべき第一回に立ち会うことができるとは(爆笑)。

今日の二席は、わたし的元気が出る噺!

木乃伊取りの「た〜のし〜いだ〜〜!」も、
千両みかんの番頭さんの「く〜もよ〜!」も、
聞くとすっごく元気になるのよね。
うん、たしかに「白酒のパワー」だった!笑

今日の木乃伊取りは、清蔵さんが冒頭にちらっと顔をみせて、一瞬あれれれれ?と思ったのだけど、そのあとを聞いていると、また少し改編されたってことなのかな?どうかな。カバー説ならそれはそれで貴重なものを聞けてしまった。

清蔵の逆襲、一回のやりとりで「メシさえ炊いてればいい」と言われてムッとしたのではなくて、何度も立候補を試みたのに、その度に旦那に邪険にされた結果のようですw ウロウロしてる清蔵の存在感よ。旦那が引っ込んどれ!って思うのも無理はないかもしれないw

なぞのくしゃみ(?)も増えてたな〜。なにあれこわい😂誰か清蔵のお鼻を手入れしてあげて!
白酒さんの清蔵は、お顔の器量重視型(?)なのか、「きれえな手だな〜」のコメントはないんだけど(この一言ちょっと好きなんだよね)、つなぐ瞬間ふと、かしくさんのお顔を覗いてしまって、「だめだぁ〜〜」ってなるのがわかりやすくて、好き。

くすぐられっこのあとの「た〜のしいだ〜」で最高潮を迎えるのもイイよね。見ているこちらも、とってもたのしい!

あられさんの大安売りは初!あまり変えずに、まずは型通りきっちりやられている印象。力士のあべかわ餅くらい??あられさんのでへへ顔って、なんかかいらしいんだよね。

白浪さんで久々にお菊の皿。
白浪さんはほんとに手が色っぽくておきれいね。幽霊のお手手もきれいにキマってました。後半のお菊さんって、幽霊の手もだらしなくなっちゃうのね。笑

元はきっと雲助師匠からだと思うのですが、町医者さんが出てくる白浪さんのアレンジ(たぶん)もあり。
ただ、わたしはお菊さんがあくまでも幽霊である一線は超えてほしくないので、「触れる」という行為が入ると、人間と幽霊の境界線が一気におかしくなるな、という感があった。いや、まあ、もともとないようなめちゃくちゃな噺なんだけど。

お医者さんとはいえ、なんの躊躇いもなく簡単に触れられてしまっては、皆がわざわざ(高い木戸銭まで払ってw)お菊さんを見に足を運ぶ&怖がる動機が弱くなってしまう気がして。いい女だけど、お菊さんはやっぱりどこまでも幽霊だから。

もし触れるのがアリにしても、町医者が診ようとした時点で、若い衆がもっとブーブー言いそう。この助平じじいとか(妄想です)。

後半を聞くと、ああこれと符合させたかったのかとは思ったんだけども……。自分の鑑賞記録を見る限り3年ぶりで、前に聞いたときもこのアレンジだったのか記憶がはっきりしていないので汗、まあ個人的な好みです。素人がごめんあそばせ!

ちょうど聞きたかった千両みかん!うれし〜!

少し前に、Twitterの相互さんと、千両みかんの「最初はタダでくれるかどうか」について話していたんだけど、いや、私大嘘吐いてたわ!白酒師匠verは最初から千両の値がついていましたね…!!!!!?
ごめんなさい。そろそろ自分の墓を掘り始めていい頃。

記録を見直してみたら、千両みかんは、雲助師匠→さん喬師匠→白酒師匠の順番で聞いていたようなので(おいっ)、いやもう、すべての記憶が間違ってる。自分が信用ならねえ!

(思わず会の終了直後に謝罪した)

まあそれはさておき(しれっ)。

白酒さんの暑苦しい番頭、若旦那には毒なんだけど、なぜかわたしはすごく元気出るんですよねえ(当事者じゃないからなのは、たぶん、ある)。
この番頭の性格がちゃんとサゲにつながっていくのもいい。白酒師匠のこの一貫性はなんなんだろう。やっぱり人間観察力なのかな……。

千両の値付けを持ちかえって指示を仰いだ先に、旦那から「安いな?!」と言われて拍子抜けしてしまって、その後も「千両????」という疑問を抱き続けるのに、若旦那にも「それくらいするだろうね」と言われてしまって、完全に金銭感覚の迷い子になってる感じがすごい。今日はみかんから飛んだ汁にまで値段をおつけになっていたw

他の師匠で聴いたときは、「それで倅の命が助かるなら安いものだ」と言われたことに始まり、主人家の人間との価値感覚の差、ひいては身分差の不条理にやるせなくなったのかな……と感じたこともあったのだけど。
白酒師匠のは、純粋に手の中の三百両(※勘違い)に目が眩んで……という印象を受ける。なので、番頭さんが思案している間、「まてっ!ちがう、ちがうぞ?!」と心の中で説得している自分を見つけるのも、ちょっと面白い。
旦那にも謝らず、「三百両〜!」で終わるもんね。番頭さん、ちがうぞ?!

当初「く〜もよ〜!」とか言って、振り回し側風に見えた番頭さんが、磔の話やら、みかん問屋の「ご覧ください…!」やら(紛らわしい!w けどここ大好き!)、千両云々やらで、完全に振り回される側に移っているのも、可笑しい。振り回される人を、これだけ終始おもしろ可笑しく描けるの、本当にすごいなあ。

番頭さんに、幸あれ……!!



第三回目メモログのメモ:少しマイナスなことを書くときもTwitterだと言葉尻だけでへんに解釈されたらやだなと思って、ポストを重ねてしまうのだけど、noteのがその点は楽。あと自分の記憶力のなさと思い込みがとにかく辛い。穴掘ろう。


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