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エッセイ

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#日記

日記

2025年1月10日

星野源さんの「いのちの車窓から」を読んでいると文章を書きたくなった。以前、星野源さんの「それでも生活は続く」を読んだ時も同じような感情になったことがあった。源さんのエッセイがとても好きだ。文字通り赤裸々、すっ裸。テレビでもラジオでもSNSでもYouTubeのMVにもLIVE映像にも見えない源さんありのままの言葉たちが打ち込まれている。

京都に移り住んでから、ラブホテルの清

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記録

記録

京都に住み始めて、もう4ヶ月が経とうとしている。夜、眠ろうと目を瞑っていたら、奈良に住んでいた時の事を思い出した。いや、思い出した、というより、思い出そうとした、の方が正しい。
昔の感覚を取り戻すのは到底無理、でもその記憶の中の全てを消し去る事は出来ない。長い間この体と共に生きてきたのだから、忘れようとしても忘れられない事の方が多い。
人間のことは大嫌いで、大好きだ。相反する2つの感情が二律背反と

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日記/珈琲とくるまの娘❸

日記/珈琲とくるまの娘❸

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飲んでいたアイスコーヒーは氷が溶け薄くなっていた。グラスの側面には透明な塊がそこらに出来ていて、重さに耐えきれなくなった塊がグラスの足元へ涙みたいに流れ落ちる。足元は大きな水たまりが出来ていた。涙の数だけ強くなれると言うが、涙の数だけ身体が重くなる時もある。足が重くてどこにも行けやしない。でも、それは涙や悲しさだけの重さじゃない。重なって増えていく水たまりの底に、黒く澱んだ境界がある。私はそれ

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日記/珈琲とくるまの娘❷

日記/珈琲とくるまの娘❷

「生きている珈琲」を出て河原町の歩道を歩く。この日は清々しい正午だった。本を読むのは会社の事務所で読むことが多い。土日の勤務のみ1人で店を回すので、1人になれる時間が多いから。きっかけはなんだったのかわからないけれど、家の中で本を読むことが出来なくなった。家に1人の空間はない、いつも家族の誰かしらが家に居るから、かえってそれが心を苦しくさせてしまっている。家族。「くるまの娘」も家族がテーマである。

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日記/珈琲とくるまの娘

日記/珈琲とくるまの娘

珈琲を飲みながら宇佐美りんさんの「くるまの娘」を読んでいる。京都河原町にある「生きている珈琲」という珈琲専門店。’’スモーキングブレンド’’という珈琲で、煙草を吸いながら飲むのに適しているらしい。普段は冬場でもアイスコーヒーを頼むほど猫舌、でも今日は気分でホットの珈琲を飲んでいる。冷ましながら飲む珈琲は久しぶりだ。私は食事の時、水をがぶがぶ飲むタイプの人間。冷えているものの方が喉が潤される感覚があ

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