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エッセイ

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#宇佐美りん

日記/珈琲とくるまの娘❸

日記/珈琲とくるまの娘❸

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飲んでいたアイスコーヒーは氷が溶け薄くなっていた。グラスの側面には透明な塊がそこらに出来ていて、重さに耐えきれなくなった塊がグラスの足元へ涙みたいに流れ落ちる。足元は大きな水たまりが出来ていた。涙の数だけ強くなれると言うが、涙の数だけ身体が重くなる時もある。足が重くてどこにも行けやしない。でも、それは涙や悲しさだけの重さじゃない。重なって増えていく水たまりの底に、黒く澱んだ境界がある。私はそれ

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日記/珈琲とくるまの娘❷

日記/珈琲とくるまの娘❷

「生きている珈琲」を出て河原町の歩道を歩く。この日は清々しい正午だった。本を読むのは会社の事務所で読むことが多い。土日の勤務のみ1人で店を回すので、1人になれる時間が多いから。きっかけはなんだったのかわからないけれど、家の中で本を読むことが出来なくなった。家に1人の空間はない、いつも家族の誰かしらが家に居るから、かえってそれが心を苦しくさせてしまっている。家族。「くるまの娘」も家族がテーマである。

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日記/珈琲とくるまの娘

日記/珈琲とくるまの娘

珈琲を飲みながら宇佐美りんさんの「くるまの娘」を読んでいる。京都河原町にある「生きている珈琲」という珈琲専門店。’’スモーキングブレンド’’という珈琲で、煙草を吸いながら飲むのに適しているらしい。普段は冬場でもアイスコーヒーを頼むほど猫舌、でも今日は気分でホットの珈琲を飲んでいる。冷ましながら飲む珈琲は久しぶりだ。私は食事の時、水をがぶがぶ飲むタイプの人間。冷えているものの方が喉が潤される感覚があ

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