(1)初診〜セカンドオピニオン編
我が家のにゃんズの一匹「わたあめ」が、11月に急性腎不全と診断されました。もう少し落ち着いてから記そうと思っていましたが、今書いているのには何点か理由があります。
「急性腎不全」についての情報がとても少ない
獣医師でも見解が分かれることが多く、記録として残したかった
似た病気でSNSで心ない言葉をかけられている人を見かけた(投げかける本人は悪意がないからタチが悪い)
共有したい情報が溜まってきた。忘れないうちに
今後、どんな状況になったとしても、読み返した時にきっと心の支えになってくれると思った
※当記事は、少し時期をずらして書くようにしています。経緯や状況をまとめて読みたい方がほとんどだと思うので、私の心境などは別の記事にまとめます。また、情報や数値が誤っていると分かった時点で、適宜修正していきます。
わたあめの自己紹介
2018年生まれの6歳の女の子。長毛猫で、我が家で誕生。基本的には勝ち気で意思表示がはっきりしているけれど、冬になると在宅ワークをしている私の膝の上に乗ったり、毛布の中に入りたがる。おしゃべりをたくさんする子で、トイレポーズが独特である。
病院へ連れて行くきっかけ
いつもの場所にいない(テーブルの下など、目立たないところにいる)
食欲がないor食べても吐きやすい
目やにが治らない
(↑1つめだけ、診察する3日〜5日前のことです。)
もともと若いころから毛玉を吐いたり、食べた直後にお水をがぶ飲みして吐くことがあったので吐くことに対しては、あまり気にしていませんでした。吐くことが続くことや食欲がないことが気になってきました。
目やにも、鼻くそも溜まっていました。生まれつき、母子感染により猫風邪をもらっており、他のねこたちと取っ組み合いをして片目が涙目になったりすることもあった子です。
しかし、私たちから隠れることが増えたこと、「ちょうど1ヶ月前にワクチンを打っているのに、どうしてこんなに目やにがひどいのか?」。この部分が特にひっかかり、受診に至りました。
A動物病院にて末期の腎不全と診断される(数値画像あり)
かかりつけ病院へ行き経緯を説明し、血液検査をしてもらいました。体重は、一ヶ月前のワクチンの時よりも500g減っていました。ただの風邪だと思っていたのですが、血液検査の結果は「腎不全」。赤と青だらけの、見たことのない数値に頭がクラクラしました。
先生はパソコンの図表をみせて「クレアチニンは、数値5以上で腎不全ステージ4なんだよ」「この数値だと、いつ冷たくなってもおかしくない」と言いました。その日は点滴に吐き気止めを追加して処置してもらいました。
〜A先生との会話〜
私「この子、まだ6歳で2月に血液検査したばっかり(その時は正常値)ですけど、こんなことってあるんですか?」
A先生『ねこの寿命は人間で換算すると4年だからね』
私「この先の治療はどうなりますか?」
A先生『とりあえず点滴してみないと分からない』
こんな感じでした。翌日は休診日でしたが、特別に早朝に点滴をしてもらえることになりました。
泣き腫らしながらネット検索。生まれた疑問
帰宅後は自責の念にかられていました。心境は別記事にまとめますが、在宅ワークを選んだ理由のひとつとして「ねこと一緒にいたいから」があったことが大きいです。どうして気付いてあげられなかったのかと。
おいおい泣きながらも、まず思ったのは、「この子はまだ生きている。温かい」ということ。
この病気の詳細や、「今後」「緩和」などについて自分で理解するべく、ネット上でいろいろ調べました。その中で疑問に感じたことは以下です。
獣医師から「慢性」「急性」のどちらなのか言われていない
腎不全と検索すると、慢性腎不全の内容ばかり
慢性腎不全は10歳くらいで発症することが多いという情報ばかり(6歳での発症記録を見つけられない)
同年2月の血液検査で一度クレアチニン値が少し高値だったものの、数日で基準値に戻った
今後の治療方法が分からない
処方された錠剤が「ラプロス」で、治療薬ではなく「進行を遅らせる」用途で使われることが多いと知った
翌日早朝、A動物病院にて点滴
深夜まで夫と話したり調べたりしてからベッドに入り、途中何度か起きて、わたあめが呼吸しているのか確認しつつ、早朝A動物病院へ。
点滴に利尿作用がある薬を追加して打ってきてもらいました。休診日にもかかわらず開けてくれて、わたあめ以外にも、緊急の処置が必要な子が受診を待っていました。その中で先生に聞いたこと。
私「この子、目やにがひどいんです」
A先生『免疫力が落ちてるからね』
結膜炎用の目薬を処方されました。
友人に相談、セカンドオピニオンを勧められる
早朝の点滴後、友人へLINEで相談。その子は親戚のねこちゃんが「腎臓病」ですが、一時は週に何度も点滴に通ったり投薬をしていました。しかし、4年以上経った今も元気に過ごしているのを知っているため、経緯や現状について相談しました。返ってきた返信がこちら。
その後、知人に勧められた動物病院(自宅から車で片道50分ほど)へ電話連絡。既に午前中の診療は終わっており、午後の診療は夕方からだったので、今までの経緯や気付いた症状などを1枚にまとめ、血液検査表を昨日の分含め2〜3回分と一緒にファイルに入れて準備しました。
11/17夕方、B動物病院で「急性腎不全」と診断される(図解あり)
B動物病院で、経緯を説明。B先生から急性腎不全と慢性腎不全だと治療法が異なること、「この年齢で、(2月の血液検査もみて)この短期間で慢性腎不全は考えにくい」と言われました。そのあと、わたあめを先生に預け、血液検査以外と画像診断をしてもらいました。
結果、わたあめは「急性腎不全」と診断されました。
以下、覚えている範囲ですが、こんな感じです。
右側の腎臓はもう機能しておらず小さくなっている。もう片方が肥大化し、残り少ない機能でがんばって動かしている
腎臓の形が健康な子と全く違う
おしっこが出ていないので、注射針で抜いたがほぼ透明だった
尿管に石がたまっていて、おしっこを出せなくなっている
本人は石のせいで痛みがあると思う など
B先生は、わたあめを最初に見てすぐに(詳しい検査前)、「目が落ちくぼんでいる」と言いました。目やにについて聞いてみると、「脱水によって本来流せているもの(老廃物?)が流せていない。(A病院からもらった目薬をしても)あまり意味がないような…」と。皮膚をつまんだ時の戻りが鈍いことも指摘されました。
回復の可能性は2〜3割。入院か、通院か
B病院の先生には、入院(積極的治療)と通院のどちらについても詳しく教えていただきました。
■入院すると……
・皮下点滴よりも効果が出やすい「静脈点滴(注射)」が出来る
・溜まったおしっこを注射で抜くことが出来る
・痛みに対する処置をしてもらえる
いずれも医療行為なので、やってもらうには通院が必要。弱っている子を片道50分かけて毎日移動させるのは、本人の負担にならないだろうか?
入院で回復する可能性が2〜3割と言われたのもあったのか、夫は「慣れ親しんだ家で過ごさせるのが良いのではないか」という考えでした。
しかし、私が一番懸念していたことは「本人の痛み」「苦しさ」でした。
〜先生との会話〜
私「入院してもらって痛みが減ることで、良い方向に進む可能性はありますか」
B先生『はい。尿管はゴムのようにある程度伸縮するので、痛みが減ることで拡張することもあります。それと点滴を続けることで、おしっこの通り道をふさいでいた尿管結石の角度や位置がずれてくれる場合もあります』
私「この子は病院に行きたくないと抵抗するんです。まだ体力があるようにみえるのですが……」
B先生『僕もそう思います。本音を言えば、体力のあるうちの治療を勧めたいです』
私「急性腎不全になっても、回復して元気に暮らしている子はいますか」
B先生『もちろんいます。でも、(血液検査や全身状態をみて)わたあめちゃんくらいひどい子だと僕の経験上はいないです。今回回復しても、平均余命は1〜2年だと思います』
その話をふまえて、私たち夫婦はわずかな可能性に賭け、セカンドオピニオン先のB動物病院へ4泊5日の入院をお願いしました。
私は急いで院内のトイレで自分のトップスを脱ぎ(上はジャンバーを羽織っていました)、先生にわたあめの入院中のケージ内に一緒に入れてほしいと頼みました。わたあめには「また明日お見舞いに来るよ」と伝え、たくさん撫でてから先生に託しました。
リスク承知の上で入院
先生から「急変や、これ以上の回復が見込めない場合はお電話します」と言われていたので、B病院だけ着信音を変更、マナーモードでも鳴るように設定しました。私は「とにかく電話が鳴らないでほしい」と祈りながら、おうち組の子たちに支えられながら、わたあめが入院している日々を過ごしました。
翌日夫は仕事で私は在宅ワーク。日中ひとりでいると、言い表せない後悔や自責の念がとめどなく溢れてくるので、仕事にしっかり集中する時間も設けました。直近の予定は、先方へ謝罪の上キャンセルをしたり延期をしてもらいました。
〜続く〜