AV業界への偏見に関する考察
いや論文のタイトルか。
こんにちは、AV女優の三宮つばきです。
今日はAV女優や業界に対する偏見についてと
それに対する私の考えをまとめてみました。
良ければ最後までお付き合いください。
1 AVへの偏見
①AV女優になる女は変だ
●セックスワーカーになりたくてなるやつはいない
●人にセックスを見せるのはおかしい
●女は清楚であるべきだ
というのが出演女優に対するおおまかな偏見の内容だと私は思っています。
「いやいや、どれもまっとうで普通の認識じゃないか」
と思うかもしれません。
しかし世の中には「セックスワーカーになりたい」「人に見られても良い」「性に奔放な人間がいてもいい」と本気で考えている人が実在します。
「いるわけないね!そんなのおかしい!」「本気でそう思っている人はいない。そうするしかなかった人が強がってそう言ってるだけだ」
と思うとしたらあなたはすでに普通という偏見に侵されています。
常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない。
(アルベルト・アインシュタイン)
②AV業界は悪だ
AV業界は『しばしば女性の人権を無視している』というのが業界が悪質である根拠として取り上げられると思います。やりたくないのにやらされてるとか同意を得れていないのに撮影してるとかそういった主張です。
それられは間違いなく必要な主張です。
人権を無視されている人がいるとしたら救済が必要です。
実際にAV業界では年々人権保護の意識が高まりを見せています。
今ではほぼ確立された人権保護活動が行われています。
一つの物事に多くの人が関わればかかわるほど独りよがりな方法は通用しなくなり、規模が大きくなればなるほど組織の倫理観は正常化されていくものです。
ブラック企業が問題になって労働者への人権意識が高まったり、煽り運転での被害が顕著になり罰則が重くなったり、社会ではしばしばこのような事が起こります。流れとしてはAV業界の改善もこれらと同じ道を辿っています。
2 偏見にたいする対抗
①AV女優への偏見をなくすぞ!
と意気込んでいる意見をよく目にします。
しかし私はそれはあまり得策ではないように思えます。
『おくりびと』というヒット映画がありますね。
皆さんは内容を覚えていますでしょうか。
仕事がなくなり帰郷した主人公は納棺師の仕事に就いてしまい周囲からものすごく反対される、というあらすじをたどります。
幼馴染からは「もっとましな仕事に就け」と白い目で見られ、妻には「そんな汚らわしい仕事は辞めて」と言われます。
映画の結末としては周りから認められハッピーエンドです。
しかし現実的に考えたらどうでしょうか。友達は離れ妻には離婚を言い渡されるなんてことも十分にあり得ます。
偏見をなくすというのは「誤解を解く」なんて生易しいものではないのではないかと私は思います。
偏見をなくすというのは「18歳までに身につけた偏見のコレクション」を壊して捨てさせて再構築するようなものです。
そしてきっと「AV女優への偏見をなくしてほしい」という主張は
「私たちの人権を踏みにじらないでほしい」というのが本質的なところなのではないかと私は考えています。
②偏見はあってもいい
偏見のある仕事は人不足の傾向があります。それは納棺師も同じです。
AVへの出演料が決して安くはないのは皆さんも何となく知っていると思いますがそれは需要と供給のバランスで生まれた数字です。恥ずかしい事をさせてるから高いとかそういう理屈ではありません。
例えばAV女優が理想の職業だったとしたらきっと出演料は今と比べてかなり低くなるはずです。
そういう意味では偏見というのは存在する価値のある概念です。
しかしここで勘違いしないでほしいのは「偏見を持たれる事」と「人権を踏みにじられる事」は違うということです。
「私は偏見を持ってますよ」「私は貴方たちが嫌いですよ」「AV女優を見下してますよ」と女優本人に伝えることは単なる嫌がらせであり人権侵害です。これはイジメやパワハラが許されない理由と同じ理由で決して許されない事です。
3 現状に対する考察
私は最近AV女優になったばかりですから周りの方は当然私より業界歴の長い方が多いです。
そんな方々が楽しそうに働いている現場を実際に見ていると「AV業界は悪いところじゃない」と思わざるおえません。
その反面、業界への批判や職業への偏見から逆算するにもしかしたらどこかで犠牲になって泣いている女の子がいるのかもしれないとも思います。
しかしそれはこの業界に限った話ではありません。
新卒で右も左もわからない子を捕まえて残業漬けにする会社もあるし
困窮した立場の人を福祉行政へ繋げず違法に働かせる人もいるし
判断力の鈍った老人に必要ない物を売りつけている人もいます。
本当に悪いのは私利私欲のために他人を犠牲にする人です。
AV業界にそんな人がもしいて女の子を泣かせていたら六法全書でボコボコにしてやろう。とおそらく私の周りの人たちは思っていると思います。
最後に
AV業界で有名な方々も業界批判・偏見について個人的見解を回答しています。
…偏見をなくそう」って活動していた時期もあったと思います。でも最近は、AVの世界には偏見の目や差別があるべきなのかなって思っているんですよね。価値観がフラットになったら嫌がる人もいるんだなって気づいて…
やっぱり「批判をなくしたい」というのは本音としてありますね。でも一方で、批判が消費を生むとも思っているので、すべての批判がなくなってほしいとも思っていないんです。「みんなが言っているから」という同調圧力だけで性的なものを批判しないでほしいなと思います
これらの問題ははっきりとした一つの答えがでないものです。そういう意味では哲学ともいえるでしょう。
私の答えは「批判も偏見もあっていい。ただ個人や職業を中傷するのは人権侵害にあたるので許せない」といったところでしょうか。
私は業界に入る前にこのテーマについて毎日考えていました。そして一つの結論が出たからこそAV女優として心置きなく活動しているのだと確信しています。
今日は最後までお付き合いいただきありがとうございました。
皆さんの考えもしりたいのでぜひコメントしてください。
あなたの最初で最後の推しになりたい、三宮つばきでした!
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