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世界一しょぼいタイムスリップ#毎週ショートショート


「お手、お座り」
犬の太郎が二郎博士の唯一の家族だった。博士はタイムスリップの研究に生涯を捧げていたが、その寂しさを埋めるのに飼ったのが太郎だった。彼は太郎を溺愛すると共に「世界一賢い犬」にする為に訓練を施した。

厳しい訓練で太郎は賢い犬に育った。そんな或る日、博士の研究は遂に成功した。
「出来たぞ!タイムマシン!!」
「ワンワン」
太郎は、まるで我が事のように喜んでいるようだった。
「とりあえず散歩に行こう」
博士は太郎を連れていつもの散歩に出掛けた、その時だった。
キキーーッ
前を歩いていた太郎が自ら車に飛び込んで轢かれてしまった。
「太郎〜」
慌てて駆け寄った博士だったが、太郎は既に事切れていた。
博士は亡骸をそのままに研究室へ戻ると出来上がったタイムマシンのスイッチを押した。
「5分前で充分だろう」
太郎がまだ生きていた時刻にセットすると目を閉じた。
「車に轢かれるのは私だ」
ダーン


太郎はペロリと舌を出すと自由に向かって旅立って行った。


(412字)



世界一しょぼいタイムスリップは博士にとってだけで、世界一賢い犬の太郎にとっては⋯

410字で表せなかったかもしれません(泣)
たらはかにさんの企画に参加させて頂きます。
よろしくお願いします。

僕は家族なんだよね?

二月って早いね(泣)
もっと時間が欲しいなぁ〜。私も、しょぼいタイムスリップしちゃおうか(笑)

じゃぬーん♪


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