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【RSI】完全解説 Vol.1




RSI、The Relative Strength Index
日本語では、相対力指数などと呼称されるテクニカル指標です。

株や為替、その他、テクニカル分析を齧ったことのある方でしたら、みな一度は耳にしたり勉強をしたことがあるのではないでしょうか。

そんなRSIを解説する前に、まずはサイコロジカルラインというものを解説したいと思います。

「古典的テクニカル指標 サイコロジカルライン」

サイコロジカルラインの、” サイコロジカル ”とは英語の Psychological =「心理的な」という意味から来ています。
かなり歴史のある古典的なテクニカル指標の一つで、オシレーター系指標の元祖に分類されます。
その名の示す通り、投資家の心理を表す指標として誕生しました。

サイコロジカルラインとは、直近の一定期間、n日間のうち、価格が前日比で上昇した日数を数え、それを計算することで0~100%の値を用いて、現在の相場が買いと売りのどちらに傾きがあるのかを表すことができます。
数値が高い(100に近い)ほど買いに傾いていると考えられ、数値が低い(0に近い)ほど売りに傾いていると考えられます。

50%が買いと売りの分水嶺として用いられ、50%を上回るか下回るかで、その時の相場の方向性を見ます。
一般的には、75%以上だと買いの勢いが過熱している、25%以下だと売りの勢いが過熱していると考えられ、そこで一旦、天井打ちや底打ちになる可能性があるとして逆張りの目安に使われたりします。

テクニカルの古典ともいわれる通り、計算式は非常に単純にできています。

「計算式」

計算式はこちらです。

(n日間での終値上昇日÷n日間)×100

nには任意の値を入れて使用しますが、広く一般的に、一定期間n日間は12日が使用されることが多いので、ここでも値は12で解説したいと思います。

例えば12日間の間で、前日と比べて終値が上昇した日が9日間あった場合

(9÷12)×100=75

サイコロジカルラインの値は、75%になります。

図で見てみましょう

サイコロジカルライン図①

3日上昇2日下落、3日上昇1日下落、そして3日上昇といった具合の図になります。

なるほど、確かに上昇の勢いが強く買いの方向に傾いていることが分かります。こういった場合、買い方の利確で反対売買の売りが入る可能性も高く、サイコロジカルラインは75%の「買いが過熱している状態」の領域に入っていることから、この指標が逆張りの目安になるというのはこの辺りが拠り所となっているようです。

それでは次の図はどうでしょうか


サイコロジカルライン図②

かなり極端な例を用いましたが
9日上昇し3日下落している図です。
サイコロジカルの計算式で表すと

(9÷12)×100=75

サイコロジカルラインの値は、75%ということになります。

先ほど(サイコロジカルライン図①)も75%、今回(サイコロジカルライン図②)の図も同じ75%の値ですが、両図を見比べてどのような印象を抱くでしょうか。

図①は確かに、上昇の勢いがついているように感じました。
しかし、図②はむしろ、下落の勢いが一気についたような印象ではないでしょうか。
サイコロジカルラインは同じ75%の値ですが、図②に関しては、買い方の勢いが過熱していると考えるのはいささか難しい気もします。


「サイコロジカルラインの欠点」


なぜこのような結果が出るのか。

それは、サイコロジカルラインの計算方法にあります。
サイコロジカルラインは、終値に対する上昇日が何日あったかを数えて計算しています。
その性質上、上昇幅、値幅は一切考慮されておらず、日数にだけ焦点を当てているため、図①と図②、全く異なる印象を受ける図にも拘らず、同じ値となってしまうのです。

そう考えると、当然サイコロジカルラインの値が全てというわけではないにせよ、価格の変動幅を無視して計算した値では、その数値から現在の相場状況を適切に読み解くには少し根拠が乏しいようにも感じます。

その点、RSIは価格の上昇幅や下落幅である値幅を計算に取り入れており、サイコロジカルラインの弱点を補っていることから、サイコロジカルラインの進化版のように捉えられたりもします。

ただし、あくまでもRSIの概念を分かりやすくするためにサイコロジカルラインを取り上げたのであって、RSIの作出者であるワイルダー氏のRSI作出過程、作出意図と、これ、すなわち(サイコロジカルラインの進化、ブラッシュアップ)がイコールではないということは、ここに念を入れてお伝えしておこうと思います。

それでは、いよいよRSI完全解説②から本格的にRSIに触れていきたいと思います。


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