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算命学余話 #R66「星が輝くとは」/バックナンバー

 関係が良好な飼い犬と飼い主の間では、互いに見つめ合って認め合うアイ・コンタクトが行われていますが、これはそもそも人間の母親と赤ん坊の間で行われるものなのだそうです。母子間でアイ・コンタクトが行われる時は、母子共にオキシトシンという快楽物質が分泌されて、幸福感を互いに高め合う相乗効果があることが判っています。これと同じ現象が、アイ・コンタクトする間柄の飼い主と飼い犬との間でも起こっているのです。言葉は通じなくとも、もはや親子同然というわけです。
 しかしこのオキシトシン、嵩じると博愛主義になるかと思いきや、そうではなく、逆に排他的になることが判っています。なぜならオキシトシンは、愛する対象には惜しみなく情熱を注ぐが、それ以外の者には冷淡になる、という作用をもたらす物質だからです。

 この話を聞くと、算命学者としては禄星の愛情を思い浮かべずにはいられません。禄星とは禄存星と司禄星のことであり、魅力本能を司っています。そのため自身の魅力を発揮すると、周囲から注目され、愛情を集める星々なのですが、この愛情を上手く還元できない場合には、集めた愛情(カネに置き換えても同じです)をガメるばかりで、恋人や家族といった特定の身内の人たちには費やしても、大勢の周囲にはまるで渡さず冷淡です。この場合、星は陰転し、禄星としての特徴を消化してはいても、輝きは禍々しいものになります。

 さて、今回の余話のテーマは「星の輝き」についてです。よく「宿命消化」という言葉を使いますが、持って生まれた宿命を彩る星々は、輝いているかいないかで運勢を左右します。その人の人生全体がいきいきとして豊かである時は、運勢は活発化し、星は輝き、宿命消化は進みます。逆に人生が行き詰まり、気が澱んでくると、運勢は停滞し、星はくすんで輝かず、宿命消化は進みません。
 そして、宇宙にブラックホールがあるように、宿命内の星も黒く輝く場合があります。そうした星の輝き方について、算命学がどう考えているかを論じてみます。

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