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「道草」は、まだまだ続く。
「道草」という名の休職が始まって、早3週間。ハイキングをしたり温泉に浸かったり、イベントに手話通訳をつけてもらったり旅しゃぶラジオ文字chに出演させてもらったり。周りに支えてもらいながら、道草を味わった。
自分でも嫌気が差すほど汚かった部屋もやっと掃除して、心も落ち着いてきた。そんな気がしていた。
でもね、「再来週には復帰だ」と、ここ最近早起きの練習を試みているんだけれども、やっぱり上手くいかない。早起きはできても、活動時間の限度が18時くらいまで。あとはもう、眠くて眠くて。今も、noteを書きながら寝てしまいそう。
それでも、仕事に戻りたい。そう思って、今日は朝イチに病院を予約してみた。眠い目を擦りながら、なんとか病院に辿り着いて。それでも、10時。職場は、病院の一駅先。しかもそこから歩いて約10分。始業は8時半。
どうしよう。これ、あと2週間でなんとかできるもんなのかな。
突如襲ってくる、猛烈な不安。診察室でおそるおそる
「あのぉ、再来週からの復帰……」
と伝えると
「いやね。お薬調整中だし、師走に戻ってもぶり返すよ。僕はお勧めしないなぁ」
と、復帰をがっつり否定される。
「あっ……です、よねぇ」
いや、わたしもこりゃ厳しいと思ってたもん。そりゃ、そうだよな。
ちょっと、ホッとした。そんな気持ちで診察室を出て、待合室へ。会計を待っていると、不甲斐ない気持ちが襲ってくる。ホッとした反面、かなり後ろ髪ひかれながら休み始めたお仕事。やっぱり、現実を目の当たりにして、心がチクッとする。
すると、マスクを外した事務の方がやってきた。
あ、支払いか。
そう思って彼女の口元を見ると、そのちょっと下で手が動いている。
〈会計〉
手話だ。この事務員さん、手話できるんだ。
診断書の確認からお支払いまで、全部手話をつけてくれた。わたしが手話メインで発信をしてもしっかりと受け入れてくれる。
さっきまでの不甲斐なさがスッと消えて、ホッとした気持ちが戻ってくる。わたしの世界に歩み寄ってくれている、そんな気がして、全てがどうでも良くなるくらい心が安定した。言葉のチカラって、すごい。
そんなこんなで。無事職場で休職の延長手続きを済ませて帰宅したんだけどね。帰ってきてから、やっぱり不甲斐なさで悲しくなっている。
戻りたかったなぁ。不安はもちろんまだまだあるし、万全の体調ではないのは自分が一番わかっているんだけど。でも、悔しいなぁ。
休職が決まったその日と同じくらい考え抜いて出した決断なのに、改めて思い直しては涙が溢れそうになっている。
この1ヶ月で
・わたしのきこえのこと
・周りからどう情報を得るのが、わたしにとってラクなのか
・周りとどうコミュニケーションをとっていくのがお互いにとって気持ちいいのか
考えては思考や感情の洪水に呑まれそうになり、乗る波を周りに示してもらって波乗りをしてみたり、また呑まれそうになったり……。そんな繰り返しをしてきたわけだけれども。あともう1ヶ月、道草が続くのです。
あんまりにも悲しくて、今日はnote書けないなぁなんて思っていたけれど「悲しい悲しい」って言い続けていたら一記事出来上がっちゃったので、今日も更新だ。
でもね、ズドンと沈んでいた気持ちを一瞬でも忘れさせてくれたあの事務員さんにちょっと感動したので、なんていうのかな。「実用的な」「生活で使ってもらって嬉しい表現」的なモノのヒントが出てきたような気がしていて。これから手話をはじめたい人にどんな手話を教えたらいいのか、わたし自身がどんなコミュニケーション方法をとることが生きやすさに繋がるのか、を考える大きなヒントを戴いた素敵な1日にもなったの。それだけは、忘れたくない。早起きは症状的にまだまだ大変だけど、彼女に会いたいから次回の予約も朝イチにしてみた。
最後にプラスなことを書いたら
「嫌なことばっかりあったような気がする一日」
にも「それだけじゃなかった」余地がちゃんと残っていた。
うん。この前、旅しゃぶラジオをまとめておいてよかった。
寒い寒い金曜日。みなさん、あったかい湯船に浸かってゆっくりしましょうね。
お疲れ様でした☺︎
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