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焼うどんと鼻血とおばあちゃんと。

帰宅したら、おじいちゃんが炊飯器のご飯を全部食べてしまっていた。あんまりにもお腹が空いていたもんだから、これからごはんを炊く気にもならなくて、焼うどんを作ることにした。

ご飯がないことにちょっぴりイライラしながらも、トントンと包丁を動かして具材を切る。普段はなんとなく嫌煙しがちなキャベツや白菜もなんだか傷んできているように見えるし、一緒に混ぜちゃおう。

そう思って包丁を手にしてすぐに、自分の持っていた包丁で指を切った。

あーあ。「おじいちゃんが、ごはんを残しておいてくれたらこんなことにならなかったのに!」なんて心の中で逆ギレしながら、指の傷を水で流す。

でも、あの焼うどんは、結局食べず終いだった。

指を切った頃、壁一枚隔てた浴室で、おばあちゃんが亡くなった。
なかなかあがってこないおばあちゃんを心配したおじいちゃんがお風呂場に顔を出したときには、もうすでに手遅れだった。

救急車で病院へ行き、翌朝葬儀社へ移動して、わたしの誕生日に火葬をして帰宅すると、カチコチに固まった焼きうどんが台所にぽつんと佇んでいた。わたしは、あの焼うどんをそっとゴミ袋に捨てた。

あの日から4年。
今年の命日は、焼うどんを食べよう。あの日、お風呂から上がってきたおばあちゃんにお裾分けしながら一緒に食べようと思っていた焼うどん。

今回も、ちゃんとキャベツを混ぜて炒めたよ。お野菜、ちゃんと摂っているよ。
実家に帰れば、相変わらずおじいちゃんと喧嘩したり戯れあったりしながら仲良くやっているよ。

いまでも、海外出張や旅行先から

ただいまー

って、ふらっと帰ってきてくれるんじゃないかと思って、帰省するたびに玄関の方をチラチラみちゃうわたしがいるよ。

それでも東京では、まいにち仕事をして生活をしているよ。だからさ、今日くらいは、思い出に浸りながら眠ってもいいよね。

そんなことを思っていたら、鼻血が出てきたこんばん。

いや、ね。なんかもうちょっとスマートな現れ方ないんですかね。まりばぁ。

そんなこんなで、干渉に浸る間も無く鼻にティッシュを詰め込んだのでした。鼻セレブが欲しい。


今日もお疲れ様でした。
おやすみなさい☺︎


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🌻さんまり🌻
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