空ってなんで、こんなにもきれいなんだろう。
わたしとわたしの周りが、笑顔で「おはよう」と言える朝がやってきた。
本当は、少し不安だった。
カーテンを開けて窓ガラスが割れていたら。。。
家の前の道路が冠水していたら。。。
ベランダに大きなものが飛んできていたら。。。
エアコンの室外機が、落っこちていたら。。。
遮光カーテンなのに、そのわずかな隙間から光が漏れてくる。これは、期待しても良いんじゃないか。
不安とわくわくが入り混じった、不思議な気持ちでカーテンと壁に貼り付けていたテープを剥がして、カーテンを開ける。
雲ひとつない、青空が、一面に広がっていた。
あんまりにも嬉しくて、家族みんなに「おはよう」と連絡を入れた。
・・・・
昨夜、21時半頃。
ついに恐れていた台風がやってきた。風が強まっている音が、補聴器越しにきこえてくる。SNSでは、氾濫した川や停電した地区の情報が入る。しまいには、大雨特別警報が発令されて、iPhoneに速報。そして、なぜか地震。
もう、何がなんだかわからなくて、不安で不安で。はじめていま一人暮らしをしていることを後悔した。半ベソかきながら。まさにそのタイミングで
「大丈夫？」
と一通のラインがきた。
同じ、聴覚障害の友人だ。一人暮らし経験の長い彼が、心配してと連絡をくれたのだ。
タイミングといい何といいあまりにも的確すぎて。おにいさんの余裕、ずるい。
ひとりっきりじゃないと考えると、勇気が湧いてくる。根拠はなにもない勇気だけど。明日の朝まで、きっと大丈夫。そう思えたんだ。
そして、今朝の見事な青空。
空ってなんで、こんなにもきれいなんだろう。空を見るだけで、元気が湧いてくる。
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でもでも、まだまだ笑顔になれない人もたくさんいる。
きこえない・きこえにくい人たちに情報は行き届いているのだろうか。避難所には、文字情報や字幕テロップがあるのだろうか。
助けを呼べない人たちだっているのではないだろうか。
避難している方々に想いを馳せて、まだまだ、心はざわめいている。
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