SNS時代、目の前にいないからこそ充分すぎる言葉をもちたいと。
写真を撮るということと、それを現像することはきっとセットなはずなのに、ファインダーを覗いてカシャっとシャッターを切るとそれだけで満足してしまうことが往々にしてある。どちらもとても好きなのだけれども、カメラを構えるのは被写体を前にすれば簡単にできてしまうのに、現像は「また明日……」を繰り返してカレンダーを何枚も捲ってしまいがち。
だから、InstagramというSNSは現像した写真しかあげたくないわたしにとって火付け役を担ってくれている。いまやっと、初夏の旅の記録を現像してはあげ始めたところ。暦は9月を迎えて、夕方の空がなんとなく秋めいてきたようなそんな気がするけれども。とりあえず長袖に衣替えする前に夏の写真のいくつかを現像してInstagramにアップしたい(と思っている)。
旅に出るって、その旅程を組み始めたところからスタートするものだから。何時の電車に乗って、どこに泊まって、何を食べようか。その景色をどんなお洋服を纏って楽しもうか……。
やっぱりわたしもオンナノコの端くれなので、お洋服が好きで。旅先でどんなお洋服を着ようかとか、どんな靴を履こうかとか、その日のヘアアレンジまでを妄想しながら旅の予定を立てる。
それで、パシャリと写真を撮ったときにわたし自身その旅先の風景になるのが楽しくて。アクティビティがあっても、その景色に合うのであればヒラヒラのワンピースを身に纏いたいし、荷物が重くなってもコテはスーツケースに忍ばせたい。海外に行ったら現地のお洋服を買ってそれを身に纏う。
特にインドでは、日本のお洋服を纏っていたときとパンジャビを纏っていたときでは、周りのインド人からの眼差しが全く異なった。「わたしはあなたたちのことを知りたいんです」という意思表示をするのにお洋服はぴったりで。それから、日本にいるときも歴史的な建物や伝統芸能を鑑賞するときにはお着物を。伝統に敬意を示していることもまた、それだけで伝わるような気がしていて。
だから、Instagramの写真を見たという人から「あのワンピースかわいいねぇ」とか「お着物素敵ねぇ」と個人的にメッセージをいただいたりすると、わりとリアルに小躍りしている。さっきも、今朝あげた投稿のワンピースを褒めてもらってニヤニヤしていまこのnoteを書いている。
遠く離れてなかなか会えない人もいるなか、SNSってリアルタイムに情報が流れてきて。とりあえず「いいね」と♡をとばして満足しがちだけれども。それのどこが良かったのかみたいなこと、ついつい省略しがち。
目の前の人にはハグをしたり言葉にして褒めたりできるのに。SNSとなると、なんだか遠慮してしまう。けれども「言葉にして褒めてもらったことが嬉しい!」というだけで、もう1,000字越えの文章になってしまうくらい有頂天になることを学習したので、今隣にいない人の投稿をみて「これよい!」と思ったら恥ずかしがらずえいやっとDMやコメントを送れるような人になりたいなと、素敵なDMから学ばせてもらった金曜日。
ほかの写真たちも、現像しよっと。