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あなた、ちゃんと食べてるの?
「あなた、ちゃんと食べてるの?」
と心配してくれる人が、いる。「心配する」ということは、言葉だけでは伝え合えないもので、一緒にご飯を作ってくれたり、家で食べるためのものを持たせてくれたり、はたまた「明日は、天丼を作りましょう」と誘ってくてたり。
そんなわけで、この前のお昼ご飯は、天丼だった。
炊き立てホカホカの白いご飯に、タレをたっぷり付けた天ぷらたち。市場で買ってきたプリプリの海老に、まいたけに、お野菜をまぜまぜしたかき揚げ。それもたっぷりの油で揚げたもののはずなのに、好きな人が揚げてくれたというだけで、とってもとっても健康的な食べ物になってしまう。
健康とか不健康とか、ベジタリアンとかヴィーガンとか。食に関することだけでも、いろんな選択肢があるんだなぁと、日々思う。朝マックだって、クリスマスのKFCだって、食べたくはなる。 InstagramやTikTokで流れてくるキラキラしたスイーツにも心が奪われそうになる。
でも、多分、根本的に、わたしは食べることへの興味関心が持続しない。どんなに美味しそうなものたちも、ショーウィンドウごしに眺めれば「かわいい!」「最高!」「満足!」となってしまう。つまり、わたしの胃に入らなくても割とOK。
「昨日は何を食べたの?」と尋ねられてうんうん悩んでから絞り出して出た答えが「明治ブルガリアヨーグルト……」という日も少なくない。取り逃がした栄養のほぼ全てを、ヨーグルトで補填できると思い込んでいる節がある。絶対に違うとは、頭では理解しているのだけれども。
だから、もし「完全栄養食です!」みたいなサプリとかゼリーとかそんな類のものが存在したら、飛びついてしまうと思う。まだ、死にたくはないのでね。なんでこんなにも、食べ物に興味がないんだろうな。
そんなわけで、「あなた、ちゃんと食べてるの?」と気にかけてくれる人が日々いること、そしてちゃんと美味しいものを食べさせてくれる生活があること、本当に恵まれているんだろうなぁと思いながら、まっさらになった丼を前に
「お腹ポンポンです」
と妊婦さんかと疑いたくなるようなぽっこりお腹をさすっていたら
「それは、食べることに胃が慣れていないからよ」
と苦笑されつつも、おうちに帰って食べる分もちゃっかり持たせてもらいながら家路に着いたのでした。
わたしも、さっと誰かに天ぷらをあげてあげられるようなオンナになりたい。
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