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バスを逃してしまっても、それでもわたしはアイスが食べたいんだ。

夜道を歩いていると、春夏秋冬問わずアイスが食べたくなる。外食をしていつもよりちょっぴり濃い味のものを食べた日は特に。この日は、ハーゲンダッツのコンビニ限定フレーバーの発売日だったから「帰り道はもう絶対にセブンイレブンに寄るんだ!」と夜ご飯を食べる前から高らかに宣言をしていた。

ターミナル駅からおうちに帰るまでには、私鉄で5分揺られてから徒歩15分の登山をするか、バスで20分揺られて平坦な道を3分ほど歩くか。帰りに登山をするのは嫌だし、運良く降りたバス停の目の前にセブンイレブンがあるので、バスで帰ることに決まった。

時刻は、20:00。バスが来る時間だと走ってバス停に向かうと、タッチの差でバスは出発してしまっていた。次のバスは、20分後。それなら待とうと、ドラッグストアに寄って、スーパーのお菓子コーナーを眺めて、無印へ。

なんと、無印は家具を売っているだけではなく、月払いでリースもしているらしい。購入するのとリースするのとどっちがお得なのだろう……と計算すると、4年近くリースするのと購入するのとでは大差がないことが分かった。家だって家具だって生活できる程度には揃っているけれども、新しい家具とか新しい暮らしとか、そういう妄想をするのは、いつでも楽しい。賃貸暮らしなら、リースもありだねぇと楽しくなったところで時計を見ると、20:20。

嘘でしょう。バスの発車時刻になってしまった。

慌ててバス停に行くと、バスもお客さんも、そこにはもういない。バスのために20分待ったのに、ちょっと気を抜いたら、ただのハイテンションなウィンドーショッピングになってしまった。

次のバスも、20分後。「さすがに、これはもう電車で帰ろうか」と諭され、私鉄のホームへと向かう。

でもやっぱり、アイスが頭から離れなくて「アイス、食べたかったなぁ……あれ、セブンにしかないんよ……」と言いながら悲しくなってしまった。発売前からこの日を楽しみにしていたから、こんな凡ミスでセブンから遠ざかってしまうことがショックで。

まぁ、明日またセブンに行けばいいだけなんだけどさ。でも、もう身体も心もこんばんはハーゲンダッツだったんだよおう。

私鉄を降りてから家に向かうまでにも、コンビニはある。でも、セブンじゃなくてファミマとローソン。いつものパピコならそれで充分だけれども、あのハーゲンダッツはセブンにしかおいてない。

電車の中でもすっかり意気消沈して、最寄駅についてからもトボトボと歩いていたら、わたしの左手を握る人がお家と反対方向に歩き出した。どこに行くんだろうと着いていくと、オレンジ字に7と書かれた看板がキラキラと。

セブンイレブンだ!

お家に帰るには遠回りだけれども、確かにそこにはセブンイレブンがあって。電車のホームに向かってからというものの、わたしがあからさまに凹んでいるもんだからこれはと、進路変更をしてくれたとのこと。

わたしはもちろん、お目当てのハーゲンダッツを。左手の先の人にももちろん、好きなアイスをひとつ選んでもらって無事にお買い上げ。セブンを出たところで雨がぱらついてきたので、アイスはお家に帰ってから食べることにして登山を。

いつもは息切れしながら重い足取りで登る坂道も、今日はトートバッグにアイスが入っているからスイスイと登れてしまう。

お家に帰って、真っ先にアイスを冷凍庫に入れて。手を洗ったり着替えたりしてやっと落ち着いたところで、アイスタイム。

紆余曲折やっと巡り会えたキャラメルミルクティーは、最高に甘ったるくて美味しかったです。誰かにとってはどうでもよいことでも、わたしにとって大切なことを、ちゃんと尊重してもらえるって本当に本当に感謝です。

はぁぁ。もう、次からバス待ちをするときはタイマーでもかけようかしらね。

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🌻さんまり🌻
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