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大和撫子への道のり
夏の終わり頃。お茶のお稽古に行ったところ、先生から
「もうそろそろお正月だし、あなたもお時間があるようだし、お茶のお稽古の前に着付けのお稽古もしましょう」
と提案があった。
せっかく日本人として生まれたんだし、この機会に着付けも習得してみようと二つ返事でお稽古をお願いした。
ここ最近は、なんとなくコツや手順、次に必要な小道具が分かってきたところ。まだまだ帯は自分で結べないけれど、長襦袢を着て着物を着るところ辺りまでは、なんとなく分かってきた。
着物を着ると、背筋がシャンと伸びて気持ちが良い。ひとつひとつの所作が、丁寧にできるような気がする。
鏡の前でにやにやしていると先生から一言
「今日はこのままお着物でお茶のお稽古をしましょう」
浴衣でふらっとお散歩できちゃうもんな。着物でお茶だってできるだろう。
否。そんな簡単なことはなく。
まず、歩幅がいつもと違う。腕は水差しまで届かない。棗と茶杓の拝見が始まるころには、もう方向転換さえできない。
なんとか茶杓の銘までこたえたけれども、頭がまわらない。
着物を着て、頭をフルに回転させて、御点前をする。なんて、ハードルが高いんだ。高校時代、浴衣で御点前をした時とは全く訳が違かった。
結局、二回目のお手前の練習は、洋服に着替えて行なった。歩幅は合うし、手は届く。最後まで姿勢を崩さず、(なんとか)御点前をすることができた。
憧れのお着物で御点前まで、道のりはまだまだ長そうだ。
ひょー。
大和撫子への道は遠い。。。
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