UDCastで「マチネの終わりに」を観てきたよ。
「映画館デート」って、なんだか定番で憧れるなぁと思うのです。でもやっぱり、わたしの聴こえでは邦画を満足に楽しむことはできない。必然的に洋画を見に行くか、字幕上映期間を狙って観に行くわけだけど。あの、映画の前の予告とか映画館内のCMとかでバンバンと魅力的な邦画の予告が流れるわけで。特に聴こえる人が相手だと
「これ面白そうだね。次はこれを観に……あっ」
みたいな変な間ができるわけですよ。で、すかさずわたしが
「字幕上映、あるといいねぇ。なければ、金曜ロードショーまで待とうか」
みたいな、フォローにならないフォローをいれるわけで。わたしからしたら、「そんなもん」だけどあの一瞬の気まずさというかなんというか。ちょっと相手に申し訳ないなぁというか。そんなことを思うわけです。
でね、さらに言うならば字幕上映って限られた映画館で1週間程度、しかも朝イチとかでしか上映しないんですよね。例えば、かのジブリ映画「思い出のマーニー」とかは、地元の中心部から地下鉄で15分くらいかかるショッピングモールで、例の如く1週間程度、朝の8時から上映されたわけですよ。1回観て感動したわたしは2回観に行ったんだけど、あれは学生だったから出来たわけで。社会人の今だったら、確実に金曜ロードショーまで待っちゃう案件。(DVDに字幕がつかない邦画もあるので、金曜ロードショーが確実。まぁ、放映されるかどうかも運次第だけれども)
そんなこんなで、「これ面白そうだね。次はこれを観に行こう」と気軽に邦画を観に行ける日を心待ちにしていたわけです。それが、ついに実現した日のお話。
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きっかけは、ほんの些細なことだった。先日我が家に来た母が、私の本棚を見ながらこう言った。
「わたし、マチネの終わりにを観に行きたいんだよねぇ。レディースデーにでも一緒に行かない?」
んーと。わたし、邦画多分無理だろうけどなぁ……。なんて思いながら、検索した。
「マチネの終わりに」 字幕 東京
すると、
・本作品は『UDCast』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド、聴覚障害者用日本語字幕が付いています。
・新宿ピカデリー、イオンシネマ シアタス調布、川崎チネチッタ、大阪ステーションシティシネマではメガネ機器の貸し出しを実施しております。事前予約制となります。貸し出し方法等の詳細は劇場名をクリックいただき、ご確認をお願いします。
確かに、学生時代から噂には聞いていた。なにやら、字幕の出るメガネが開発されているとか。なんと。気づかない間に、実用化されていたのだ。
無事、母と予定の合うレディースデーにメガネ機器の貸し出しをしてもらえることが決まり、晴れて「マチネの終わりに」を鑑賞することになった。
当日、受付に行き名前を伝えるとメガネが手渡された。
掛けると、こんな感じ。
ちなみに、わたしの顔の大きさに対してメガネが大きすぎるため、常時腕で支えていた。肩が凝ったから、帰りにアーユルヴェーダに行った。
見た目の近未来感がすごい。
本編が始まると、メガネにオンタイムで字幕が出てくる。
このマイクで音を拾い、収録されている字幕がそれに合わせて出てくる仕組みらしい。
性能も近未来感。
母は画面に字幕が出てくる煩わしさを感じずに邦画を楽しみ、わたしは補聴器で聴きとる音声と字幕を頼りに物語を追う。
とても効率的だし、何よりも鑑賞に行く期間が増えてわたしが楽しめる映画の幅が広がった。
難点を言うならば、肩が凝ることと字幕の色が白いから背景が暗い場所に字幕を合わせるために頭を動かさないといけないこと。ちょっと、酔いそう。なんせ、マチネの石田ゆり子は白い服が多かった。
でも、なんだかんだ言って難聴のわたしと健聴の母が、お互い気持ちよく映画を観て映画館を去り、カフェをしながら感想を述べ合ったことは事実だ。
科学の進歩で、今までのちょっとした気まずさが解消されるなら、とても嬉しい限りです。
欲を言えば、当日鑑賞でもメガネが借りられれば良いなぁと思うし、一緒に映画を観に行ってくれるようなパートナーが欲しいです。ふふふ。
今日も一日お疲れ様でした☺︎