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生まれてくる。そして、生き残る。

やけに大きいアオムシだった。
大きいアオムシは心配だ。わたしのここ最近の経験から、大きいアオムシには高確率でヤドリバエが寄生していた。

そのアオムシが先々週頃蛹になった。
先週末あたりから、お腹のあたりが気になる。なんだか、黒っぽい。
黒っぽい蛹は心配だ。わたしのここ最近の経験から、黒っぽい蛹には高確率でヤドリバエが寄生していた。

今朝確認すると、そのお腹の黒っぽさは一層増していた。
「あぁ。蛹から蛆が出てくるのも、時間の問題だ。」
落ち込みながら、虫かごを眺めた。

お昼前、ふと虫かごを見るとなんだか様子がおかしい。近づいて見てみると、白地に黒の点々、そして黒い触角がバタバタと動いている。羽化が始まった。
わたしの心配をよそに、アオムシはアゲハチョウになろうと精一杯生きていた。
それからランチまでの間、羽化の様子をじっと眺めた。弱々しい触角が伸び、空から抜け出してくる。羽化途中の様子は、上はもがいて下は蛹に包まれている。まるで、人魚みたい。

本当はずっと見ていたいところだったけれど、ランチに行かねばならない。帰ってきたら羽を伸ばしているだろうと期待して、後ろ髪引かれつつランチに出かけた。

1時間半ほどして虫かごの前に戻るも、アゲハチョウの様子は変わりない。殻が硬すぎたのか、出てこられなかったようだ。お手伝いをして殻から出してみたけれど、羽がくしゃくしゃのまま乾いてしまった。もう、飛べない。
せっかく、ヤドリバエに寄生されずここまでがんばってきたのに。。。

今年は、アオムシ4匹育ててちゃんとお空に返せたのは1匹。1匹はヤドリバエに寄生され、2匹は羽化途中に羽がくしゃくしゃに。たった4分の1。
人間が育てていてもこの確率。自然って、生まれてくるって、生き残るって、とても大変なことなんだなぁと感じた今年のアオムシ飼育。

ちなみに、羽がくしゃくしゃになってしまった2匹は、お花を植えているプランターに放した。少しでも美味しい蜜を吸ってね。

#エッセイ #生活 #アオムシ #アゲハチョウ

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🌻さんまり🌻
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