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帰り道、ふと上を向いて歩いてみると、そこには。
はじめてまじまじと夜空を眺めたのは、確か小学生のとき。火星が地球に近づくその日、夜の校庭で望遠鏡を覗いた。
ほら、あれが火星だよ
望遠鏡のすぐそばにいたオトナにそう言われて勢い余ってふむふむとうなづいたけれど、どれが火星だったのかは私にはよくわからなかった。それでも、真っ暗な夜空がとっても綺麗だったことを覚えている。
中学時代の部活終わりに見た北斗七星も、高校時代バス停から家までの道のりで眺めた夜空も、パナマで町一帯が停電したあの日の星に抱きしめられているのではないかと錯覚するような星空も、真っ暗な空が広がっていた。
夜空は真っ暗
そう信じて疑っていなかったはずなのに、今日ふと夜空を見上げると、藍色の空にポツンと上弦の月が佇んでいた。夜空が藍色なのは、ここが東北の片隅でも九州の端っこでもパナマの田舎町でもないからなのだろうか。
夜空を見上げる時間帯は大抵帰宅時間で。仕事を始めてからのわたしは、この時間帯ヘトヘトに疲れきっていて、そういえば夜空を見上げる回数は減っていた。その間に、夜空は藍色に変化してしまったのだろうか。
いや。思い返せば、一昨日も夜空は真っ暗ではなかった。藍色の空に、もくもくと雲が浮かんでいた。雲といえば、昼間の青い空に浮かぶものだとばっかり思っていたから、夜空に雲があることにびっくりして思わず立ち止まってしまった。
20年以上生きて夜空は真っ暗だと信じて疑っていなかったけれど、どうやら夜空にもいろんな色があるみたい。そりゃそうだよね。昼間の青空だって水色だったり濃い愛だったりするし、マジックアワー、ゴールデンアワーのように太陽にだっていろんな色がある。それでも、夜空は真っ暗以外の何物でもないと思ってきたわたしがいた。
不思議だなぁ。
きっと、「好きだな」と心ときめく夜空が、真っ暗な夜空に散りばめられた満天の星たちだからなのかもしれない。だって好きだもん。
でも、今日の藍色の夜空に浮かぶ上弦の月や雲がモヤモヤとかかる夜空もまた幻想的で。好きというか魅力的だな、なんてことを考えながら駅から家への道を歩いていた。
そんな1月最後の夜。
今日も、今週もお疲れ様でした。
おやすみなさい☺︎
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