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sanmariのひとりごと

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なんでもない日常の、でも、だれかにとって、ちょっと、特別なことたち。
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#ときめく写真の作り方

写真がわたしにくれるもの

この写真をみたとき、わたしはふわっと雪国に舞い込んでしまったのではないかと錯覚した。しんしんと雪が降る中、電車が去ってしまったホームに一人佇む。この瞬間を、この白い世界を、頭の中でトリミングしてカメラを構える。 カシャ シャッターを切った瞬間、もとのわたしの部屋に戻ってきた。 いや、正確には、わたしはこの場所に行ったことはない。でも、この写真をみた瞬間、わたしの意識はこの写真のシャッターを切った瞬間にワープした。そんな気がしたんだ。 我に返ったわたしは、思わずこの写真を

こころの「道草の味わいかた」を探しに、旅に出ようと思うんだ。

夕焼けがあんまりにも綺麗で、思わず追いかけた。空が真っ赤に染まるのは一瞬で、でも、その一瞬がずっと続いて欲しかったんだ。 すごくさびしいときって 太陽が沈むところが好きになるよね…… (サン・テグジュペリ『星の王子様』) 思えば、夕焼けに向かって走ったあの瞬間に、わたしの中の何かがプツンと切れたんだ。 どういうわけだか知らないけれど、ある日、それまで自然にできていたことが突然できなくなることがある。わたしの場合、朝起きて仕事に行くこと。理由を挙げ出したら、きっとキリがな

秋の匂いを嗅いでしまった。

ちょっと早く起きた朝、部屋の窓を順に開けていく。窓を開けるたびに風が吹き抜けてくる。秋だ。秋の匂いがする。 春は桜、夏は海、秋は金木犀、冬は雪……。季節を感じる匂いが、その季節の代名詞にもなっている。それらの匂いから、季節を感じていく。 この秋も、やっぱり金木犀。 でも、そうじゃなくて。「〇〇の匂い」とうまく言葉では表現できないけれど、その季節がやってきたと感じられる匂いがある。 新学期初日の日差しの匂いだったり、あと数時間後にはきっと雨が降るだろうという土っぽい匂いだっ

大切な花を、一つ覚えておこう。花は、毎年必ず咲きます。

この景色を、彼女に見せたい。 彼女は、花を愛していた。わたしの登校を見守ると、朝の水やりをし、帰ってくる頃には庭先で新しく咲いた花や実を見せてくれた。買い物に行っても、お花屋さんを見つけるとずんずん進んでいった。 そんな彼女が、何よりも愛していたのが、このコスモス。秋になるとおじいちゃんの車で山へ行き、コスモスを眺めたっけ。あのときの彼女の喜びようったら。 花を愛し、娘を、孫を、ひ孫を愛したひいおばあちゃんが亡くなったのは、3年ほど前。最後の最後まで家に帰りたがり、大切

新しい時代も、あの絵巻物の世界を「美しい」と思える感性を、もち続けられますように。

雛人形のお内裏様とお雛様は、永遠の憧れだ。色鮮やかな十二単に、煌びやかなお祝いの品の数々。歴史の資料集や博物館の絵巻物を見るたびに、綺麗な着物に心が奪われる。 ーーーーーーーーーー お昼は、カレーを食べたい気分だった。しかも、本格的なスパイスが入ったカレー。 店員さんは2人。ネパール人2人で経営する町の小さなカレー屋さん。店に入ると、ホール担当の彼が熱心にテレビを見ている。 「前の王様?今の王様?」 そう言われてテレビを見ると、ちょうど即位礼正殿の儀が始まるところだ

夢ノートを描いてみようかと思っていてね。

お花の夢をみたよ。 そう言いながら、わたしの小さなお友達がにこにこと笑っていた。 お花畑で、ひまわりやコスモスに囲まれる夢を見られたらしあわせだなぁ。。。 ---------- 久しぶりに、夢を見た。何かの口に吸い込まれちゃう夢。夢だとわかっている。でも、その吸い込みがあまりにも強くて防げない。気付いたら地面から足が浮いていて、「吸い込まれる!」っていう瞬間に目が覚めた。 わたしは、いつも通りの部屋にいたけれど、何だか後味が悪い。 そんな寝起き。 夢ってなぜか曖昧で、

#旅と写真と文章と 手話配信にも挑戦するんだ。

秋も深まり、17時にはすっかり真っ暗。恵比寿から新宿までの山手線が、ガタゴトと揺れる。ゴーという電車の音が、永遠のように感じられた。いや、永遠に続いたらいいのにと思った。 でも、わたしのそんな思いとは裏腹に山手線はきっちり10分でわたしたちを新宿駅へと運んだ。 世界一の平均乗降者数を誇る新宿駅。その西口へ行くと、 #旅と写真と文章と のメンバーが集まっていた。 #千鳥足フォトウォーク と称してAutumn初のフォトウォーク。企画が発表されてからつい数時間前までは、とっても楽

ときめく写真の作り方

生まれて初めての修学旅行は、愛知・奈良・京都だった。修学旅行前日。各グループに、一台の使い捨てカメラが配られた。 27枚しかない。計画的に使おう。 と、心ときめく瞬間を探して ここだ というタイミングでシャッターを切る。あの時のわくわく感を、今でもよく覚えている。 それから約10年後。 やっぱり、写真を撮りたくなって、父からNikon FEを譲り受けた。 フィルムの一眼レフ。 楽しくてあちこち写真を撮りにまわったのだけれども、重いのと設定が難しいのと重いのとで、なんとな