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sanmariのひとりごと

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なんでもない日常の、でも、だれかにとって、ちょっと、特別なことたち。
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2023年9月の記事一覧

最終話が、苦手です。

そういえば今日は「汗ばむ」みたいな感覚に出会わなかったかもしれない。日が暮れると半袖一枚では心許なくて。そうか、もうこんな季節なのかと。 東北から関西、関東に出てきて知ったのは秋という季節。なんて言うんだろう、東北はいつも夏が終わったら冬が来て、冬が来たら夏が来る。春夏秋冬というよりは、冬【前編・後編】と夏【前編・後編】のような。 羽織物という文化がなかったので、東北に住んでいたわたしはコートといえばダウンコートとダッフルコートしか持っていなかった。だから、数年かけて薄手

ペアルックしよう!なんて、恥ずかしくてもう言えないけれど。

もうそろそろ30歳になるというのに、楽しいことが控えている前の晩は、わくわくして眠れない。何を着ていこうか、髪型はどうしようか、お化粧に何分かかるだろう……。 コーディネートを思いついたら、常夜灯だけの薄暗い部屋でゴソゴソとクローゼットからお洋服を取り出してきて、壁にかけてしまう。そのお洋服をチラチラと眺めながら眠りにつく夜は、もしかしたら当日よりも好きかもしれない。 だから、この夜もわたしが「明日はこれを着るの!」と淡いデニム地のワンピースをハンガーに掛ける姿を横目に「

「それでもやっぱり」お味噌汁がわたしを満たしてくれるはずだから。

せっかく久しぶりに二人揃ったんだから、共通の知人にテレビ電話をかけてしまおうとパソコンを開いたらなんだか楽しくなってしまって。そのままYoutubeを眺めて……と、気付いたら終電の時間。といっても、今ここを出れば、絶対に終電には間に合うくらいのちょうどよい時間。 「さぁて」と腰を上げて隣の人を見たら、もうすでに夢うつつで。黙って帰るのもなんだか悪いし 「そろそろ帰ろうと思うんだけど……」 と声を掛けると 「お家に帰ったよの連絡を待ち切れなさそうだから、泊まっていきなよ

SNS時代、目の前にいないからこそ充分すぎる言葉をもちたいと。

写真を撮るということと、それを現像することはきっとセットなはずなのに、ファインダーを覗いてカシャっとシャッターを切るとそれだけで満足してしまうことが往々にしてある。どちらもとても好きなのだけれども、カメラを構えるのは被写体を前にすれば簡単にできてしまうのに、現像は「また明日……」を繰り返してカレンダーを何枚も捲ってしまいがち。 だから、InstagramというSNSは現像した写真しかあげたくないわたしにとって火付け役を担ってくれている。いまやっと、初夏の旅の記録を現像しては