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sanmariのひとりごと

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なんでもない日常の、でも、だれかにとって、ちょっと、特別なことたち。
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2022年8月の記事一覧

だからわたしは、今日も本を読む。

わたしの通っていた小学校には図書室が2つあって、手前に絵本が足元にたくさん並ぶ低学年図書室、奥に児童書や辞典が高く積まれた高学年図書室があった。 カーペットが敷かれたその部屋で、次に読みたい本を手に取っては座り込んでパラパラとめくるのが大好きな小学生だった。 あれは確か、小1の冬くらいのこと。 ひらがなもカタカナも読めるようになった。漢字だってちょっぴり読めるぞ。なんだか自信がムクムクと湧いてきたわたしは、文字がいっぱいある本が読んでみたくなった。 それでも、お兄さん

大好きな人たちがいなかったかもしれない未来。

8月9日 77年前のこの日、長崎に原爆が落とされた。 真っ白な日本地図を手渡されても、そこが熊本なのか宮崎なのか長崎なのか。それくらい、どこか遠いところの、そのまた昔に起こった、遠い遠い出来事だったこの日に想いを馳せるようになったのは、中学生になってから。 東北は仙台のそのまた温室のようなぬくぬくとした環境で蝶よ花よと育ったわたしは、父の仕事の都合で、修羅の国北九州は小倉の喧嘩上等公立中学校へと進学した。トイレ掃除に行けば便器がタバコで詰まっている、放課後の教室から異臭